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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
186/202

外側の天国

 アオイやキャットたちに別れを済ませた俺たちは再び日本へと向かっていた。


「君もシュレも追われる身にはなったけど、今の日南休たちの目的はヒナの殺害だからこちらは二の次。すぐには襲われないと思うけど、警戒は続けておいて」


『ああ』


 とはいえすることもやることもない。平凡がいない以上身体の弱体化は免れない。まあ身体は違うからそもそも補給さえ出来ないが。


『日本に行ってどうするんだ?決まった場所に留まれない以上あの家には帰れないし』


「いろんな場所に行く為にもまとめるものはあるでしょうよ。完全に店も閉めないといけないし」


『それもそうだな。町の人には悪いが巻き込むわけにもいかない』


 日本についた俺たちは家へと戻り生活品と義手の整備をする際に必要な道具を集めていく。そんな中玄関のインターホンが鳴る。


『荷物まとめ頼んだ。ちょっと出て来る』


「警戒は怠らないで」


 扉を開けるとそこに立っていたのは修也だった。


 服装もいつもと異なり少し膨らんだようにも見えた。


「白銀さん。義手の整備お願いしてもいいですか?出来れば早めにして欲しいんです」


『整備はいいが、大会でもあるのかい?』


「芹と刹那さんが誘拐されたんです。ジャンヌ・ピエール・ポルナレフと名乗る人間に」


 んな馬鹿な。何故あいつが日本にいる?それに修也のデータが目的だったとしても、旧世代かつもう取り終わったデータの筈だ。あいつがわざわざそんなものを欲するとは思えないが……。


 しかし、修也の眼からは真剣さが伝わってくる。これは嘘をついている眼じゃない。そうなら急がないといけない。


『シュレすまない今からメンテナンスを行う。最高品質のやつを用意してくれ。最悪耐久性がいい奴なら品質は多少悪くてもいい』


「どうしたのさ?もう入れ物に入れちゃったよ?」


『刹那さんが誘拐された。あり得ない話だがJPPにな』


「シュレたちと違って隠れる手段無いはずなのにどうやって日本に?この子と同じように隠れる手段を持ってたとしても行動が理解出来ないけど……」


『あいつがヒナじゃなかったらやってもいいと思ってるのなら潰す』


「分かった今から準備するからその間に」


 JPPが自分から殺されにきてるとしか思えない行動だ。理由を確認する為にも急いで彼の義手を修理しないと。


 今回は生活が目的じゃない戦闘が目的だ。衝撃で曲がったりしないよう確認をしないと。


 完全に分解してひとつひとつ確認していく。とはいえ時間はない。同一部品は新規を使って洗浄等の時間は今回は避ける。俺が移動中に洗っておけばいい。どうせこれが修也の整備をするのも最後なのだからメンテナンスまでの期間を伸ばせるようにしておかないと。


 30分掛かってしまったが新規に取り替えながらも耐久性を重視した整備を行なった。


『よし完成だ。けど急いでやったからパイルバンカーはカートリッジ式は今回は使わないでくれ。一応出来るようにはしているけれど、安定性は保証出来ない』


「ありがとうございます。お金は今は払えませんが、全部終わってから払います。もし無理だったら家にきて適当なもの売っ払って金にして下さい」


 修也は頭を下げると玄関を後にする。だが外にはBOWがばら撒かれていたようで、戦闘なしにJPPの足元に行くのは不可能だ。


『入り口まではサポートする。刹那さんの事頼んだ』


 俺はバイクに修也を乗せると悲鳴を上げる身体を歯を食いしばって耐えて目的の場所へと飛ばす。


「キュウ!修也くん!援護に来たよ!」


 途中で日本にいる方のインが外の景色を見て反応したのか俺たちの元へと屋根を伝って追いついて来た。


『インすまないが外の敵は任せられるか?身体今ボロボロでさあれだけの数を相手にするには難しいんだ』


「僕から見てもわかる。この中で万端なのは僕だけみたいだからね。中に侵入させなきゃいいでしょ?やれるさね」


『ありがとう』


 行動を決めた俺たちはJPPのいる場所に辿り着いた。ここからは室内戦が待ってる。今の俺に出来ることはあるのだろうか?なくても修也に近づけさせないようにするだけだ。


 インは扉の前に立つと入り口の上の部分を壊して入り口を塞いだ。BOWとはいえすぐには入れないようにする為だ。逆に撤退も出来なくなったが、倒すまでは撤退なんて出来るわけない。


 俺と修也はバイクを降りると互いに手持ちの武器を構える。


 俺は光剣の出るカートリッジ式の剣を、修也は金属パイプを腰から抜き2人で奥へと進んでいった。


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