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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
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目標回収

 憤怒が相打ちになったころ、BOWのハルはコハルたちと合流しインの身柄を渡す。


「日南休さんが確保したんだな」


 ハルは首を縦に振るとコハルは渡されたインを抱えて野戦病院のベットに横させる。


「日南休さんはまだ中にいるのか?なら増援を」


 ハルは行ってはいけないとい言いたいのか大きく首を横に振ると少し引き気味になりながらその行動を理解し、窓原たちが戻ってくるまで時折補給を送りながら待ち続けた。


 そんな戦闘の中無線に妨害電波が放たれたのか、砂嵐の様な音が機械が流れて思わず耳から無線機を離してしまう。


「ジャミングが……こちらが撒くならまだしも今更向こう側が撒くのか?」


 通信が行えなくなり全体の状況が分からなくなってしまった。


 すると空から3体の機械仕掛けの巨人が隕石の様に落下してきた。


「なんだ!?敵の増援?何なんだよ!姉御」


「私も知らん!今更になって巨大人工浮島(ギガフロート)の支援か?援護なんてしないって話だった筈……」


 戦闘自体には参加せずにインだけ回収に来たのだろうか?巨大人工浮島(ギガフロート)の行動が理解出来なかった。コハルはそちらに意識を集中させる。


 落下の着地から1分ほど経った後、膝を付いていた巨人は立ち上がると左前腕部のカバーが開く。


 それと同時に巨人から離れているコハルでさえ耳を塞いでしまう程の爆音が鳴り響いた。


 コハルの部下が何か喋っているが聴き取れず、終わるまで待つしかなかった。


 同じ時窓原たちの前に巨人が落ちてきていた。


「(狂戦士(バーサーカー)だと!?もう実戦に投入出来るほど完成していたのか!)」


 その内の一体が窓原たちの方へ腕を向ける。まずいと思ったがその行動は攻撃ではなかった。


 人差し指と親指で円を作ったり、人差し指と中指を縦に立ててみたりしている。


「少なくとも敵じゃない……のか?」


 そう判断した窓原は全員に後退を命令してコハルたちの元へと戻って行く。


 攻撃の余波が届かない位置まで移動したのを確認すると3機の内2機は左腕から機関銃が飛び出し、爆音が鳴り響いた。


「(こんな音を立てる武器を人に使ったら……)」


 ピライが窓原に触れて思考内通信の接触モードで行う。


『人型兵器なんてもの巨大人工浮島(ギガフロート)は開発してたんですか?窓原さん』


『俺自身も噂でしか聞いたことがなかった。会長(かいなが)様の管轄だからな』


 巨人の攻撃で窓原たちと極東連合の戦いは終わり、連合側は武器を捨て投降していく。


「最後の美味しい所だけ持っていくのかよ……無関係な人間に襲撃させといて……」


 投降させているところで先程窓原に指で指示を出していた巨人が建物目掛けて爆音を放った。


 その後穴が空いた場所に腕を突っ込みひとりの人間を回収する。


「あれは……キュウか」


 巨人の手のひらに乗せられたまま憤怒はコハルたちの場所まで移動させられると、そこでコハルたちに渡される。


 誰が乗っているのかとコハルが尋ねると、胸部の装甲が展開してその中からパイロットスーツを着た少年が現れた。


会長かいながから話しを聞いてな、耐熱性の実験と地上での耐久試験も兼ねて降りてきたんだよ。コハル』


 巨人から降りてコハルに近づくと少年はヘルメットを外しその顔を晒す。


 コハル以外はその容姿に驚きを隠せないでいた。


 日南休からすれば特に変なことではないが周りからすれば声や記憶まで似ている人物がいた。ということである。

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