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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
176/202

イン5

お疲れ様です。

最近投稿出来ずに申し訳ございません。

ペースはあんまり戻らないかもしれませんが、頑張ります

 いつのまにか壁に叩きつけられていた。全く見えなかった。警戒はしていたし当然気は抜いていなかった。


 右腕の痛みとかに意識がいかないほどの集中だったのに壁に埋まっていたのである。


『がっはっ!?』


 身体の中にある空気が身体の穴という穴から飛び出すような感覚を受けた後、身体の中から血の濁流が登ってきて、吐き出してしまう。


『ゔぉっええええ……!』


 完全に吐き切る前に壁から引き剥がされて別方向に飛ばされる。


 呼吸なんてできているわけがないので視界がどんどん狭くなっていく。飛ばされた勢いが強すぎて吐き出すことさえ出来ない。


 ハルにインを任せておいてよかった……。もしいたら逃げるという選択肢は取れない。


『リミッター解除で一度距離を……!』


 8割外して呼吸を安定させるとすれ違いさまにそのBOWの頭目掛けて差し込み背後に回る。


 差し込んだ際に捻るように武器を回したが、あまり効き目はなかったようですぐに背後に回った俺に対して修復途中の顔を見せつけた。


「どうして……どうして君たちはこちらの邪魔をする。我々はただ普通に暮らしたいだけなのに」


『じゃあ何でインの手足を奪った?ゔぉっえっ!……そうしないでただインたちを返せば普通に生活を送れたはずだ』


「勝手にこの国を極東連合の土地だと言い出して奪い取られたんだ。この地域は問題ないけれども他の地域は完全に乗っ取られて、使ってる言葉さえ違う」


『ありえない。それなら俺の友人と言葉が噛み合わない筈だ』


「この地域に住んでいないかつこちらと同じ言葉となるとアイルランドだったか?名前からしてこの国の人間ではないことは分からなかったのか」


『普通に会話が出来てるんだから問題ないだろ』


「君はここ出身じゃないからそんなことが言えるんだ。故郷のない君には」


 俺が平凡の方ではないことが気づかれたのだろうか?


『じゃあ自分の国の人間たちで取り返せばいいだろ。インや俺たちを巻き込むな』


 俺の攻撃に対してその巨大な腕で俺の右腕を掴むとその握力で腕を砕いてしまう。


『がああああああああ!!!!!?』


 痛覚を即座に切っても関係ない。脳が、視線が痛みをイメージしてしまい意味がない。


 投げ捨てられた俺は受け身を取ることも出来ないまま。何度も跳ねた所で動きを止める。


 向こう脛をぶつけた時のような感覚で笑いが止まらない。


 初めて味わった感覚に戸惑いが隠せない俺は、右腕を抑えることも忘れて痛みに耐えるための自傷行為に走っていた。


「極東連合も巨大人工浮島(ギガフロート)もどの分野を置いてもこちらと比べ物にならないほど技術的差が存在しているんだ。取り返すためには必要だった!」


 悶え苦しんでいる俺をその肥大化した腕で投げ飛ばすと、それを追いかけてまるでバスケットボールのように3回ほどバウンドさせる。


 その後頭を掴んで膝蹴りを腹部に目掛けて放つ。


 俺は戦闘面を捨てて耐えることに集中出来るようリミッターもそちら方面に外すことで何とか耐えていた。


 とはいえ痛みを消せる訳じゃない。このままでは時間切れで肉片になるのも時間の問題だ。


 もう限界だと感じたその時敵の攻撃の勢いがなくなり、俺と同じように吐血していた。


 力を維持しながら人格を保つのは至難の業だ。それも一度俺に首元を斬られたことでBOWの方の機能が大きくなった筈だ。


 それを抑えながらともなればこうもなる。ならば勝ち目はまだある。


 痛みによる震えに耐えながら立ち上がり落ちた武器を左手で拾う。


 しかし攻撃に回せるほどの容量はない。一度でも攻撃側に回せば俺の身体傷が一気に開いてしまってもおかしくない。


『それならどうしてストレスを与えてBOW化させるような実験をしていた。インひとりじゃ飽き足らなかったのか』


「ひとりの実験で世界に追いつけるわけがない。どんなに効率が悪くても同時にやって少しでも経験値を貯めないと」


 吐き出せるだけの血を吐き出した後、俺とBOWと化した男は互いに武器を構える。


 次の攻撃が今出せる最後だと互いに感じ取ると、俺はリミッターの限界値以上を外すことで修復速度を上げる。


 向こうもその肥大化した腕を構えると互いに飛びかかる。


 当然だが肥大化した腕の方が長く俺の攻撃が届く前に俺の腹部に抉られるように削られた。


 しかし俺は止まらない。腹部から出血したまま敵の首に武器を振るい切り落とした。


 しかしこれだけでは決め手が足りない。足に力が入らないがそれでも俺は何とか立ち上がり、喉に取り付けた声帯ナイフを取り外し心臓部へと差し込んだ。


 リミッター解除の借金も無視して使った結果、もう身体に力が入らない。


 リミッター解除で上げていた修復力も無くなって再び出血が始まる。


 俺も奴も互いに床に伏せたまま俺の意識は失血による意識を失ってしまった。


 


 

 

 

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