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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
175/202

イン4

お疲れ様です。キノコです。

祝日のない6月ってしんどいですね。

どうしても投稿ペースが落ちてしまいます。

まあ元から遅いから言い訳なんですけどね。

 インの周りに付いていた極東連合の兵士たちをひとりを除いて全て地に伏せさせた。


「くっ、なんだお前は!巨大人工浮島(ギガフロート)ならば何故今更になってこいつを……」


『友達を助けるのに理由なんていらないさ。あなたも同じ立場ならそうするだろ?』


「それはそうだが、今更というのが理解出来ない!」


『戦争は避けたいからその辺慎重なんだろうな』


 周りの兵士を倒す為に使用していた武器の弾倉を入れ替えて再び武器を構える。


 時間を掛ければ増援が来てしまう。そうなる前にこいつを無力化するしかない。


 一気に距離を詰めて武器を潰す為に武器を振るう。向こうもさせないと俺の右腕を狙って散弾銃をばら撒く。


 大きく回り込み弾丸を回避すると痛みでこちら狙えないようにする為に空いた左手を狙って切り落とす。


 声にならない悲鳴を上げるが傷口よりも俺の排除を優先しているのか片手で散弾銃を構える。


 痛みで狙えない事を前提に切り裂いたが、それを耐える事が出来る人物だったようで銃から放たれた弾丸の幾つかが皮膚を掠めて血が流れる。


 近距離での回避だから多少の損傷は気にしていなかったが、何故か自分の身体に鈍さを感じた。


 だけど腕を狙えるなら気にする程じゃない。このままやつを素早く潰す。


 兵士は大きくステップを踏んで後方へと下がる。狭い通路内なら散弾銃の最も広がる距離から狙えば先程のように避けられることもない。


 俺もさせまいと距離を詰めるが向こうからすればそれも作戦のひとつだろう。蹴りを放ってきた。


 この攻撃は簡単に回避し懐に入り込み決めにかかる。


 だがそれも兵士の散弾銃を犠牲にした攻撃で不発し、少しよろけてしまった。


「どうせ回収したところで情報収集後に分解されるだけだ!それならば人類の発展に使った方が余程マシだろう!」


『どうしてお前たちはそんなに人権を無視したことができる?人間の意識を持ったままのBOWを作ったりな』


「そうでもしなければ巨大人工浮島(ギガフロート)に勝てないからさ。君のように全ての人間が身体のリミッターを任意で外せるわけじゃない」


『それに関してはリミッターを外せなくとも戦えるひとがいるのだから理由にはならないだろ』


 互いに武器を構えながらも攻撃に移ることはなかった。ならばそれを利用して傷の修復を優先しよう。


「その領域にたどり着くまでにどれだけの時間がかかると思っているのかね?数年とかで作れる訳じゃないんだぞ?」


『そうだとしても人権を無視した製造方法は違うだろ!』


「インという存在のコピー体を作っておいてよく言うよ。人はダメで自分はOKって?そんな傲慢が許されると」


『そんなことは知らん。俺の管轄外だし知る領域じゃない。俺はただ友を助けに来ただけだ』


「どれだけ話しても君とは通じ合えないらしい。それなら我々が勝つ為にも君を討とう」


 兵士は腰から注射器を取り出すと首元へと刺そう試みていた。


 彼らはBOWの作成を行っている組織でかつ、人をBOW化させる技術も持っている。あの注射はBOW化を促す薬剤だろう。


 変異させる訳にはいかない。俺は首元へと飛びかかりその首を切り裂いた。念の為に右腕も潰した。


 首を斬ったことで叫ぶことは出来ずにヒューヒューと音を立てて倒れ込んだ。


 BOW化させる薬剤を使用していた以上もしかしたら適用するかもしれない。それを確認する為に血の吹き出ていない部分に触れて脈を確認する。


 ……脈はない。回復するにしても即座にはないだろう。少しでも窓原やコハルたちに合流できるようにしないと。


 インの車椅子を押して本棟に向かって歩き出す。


『遅くなってすまないな。イン』


『本来だったら助けてもらえない僕だ。助けてもらえるだけで御の字だよ』


 実際俺も温和から話を聞かなかったら助けには行っていなかっただろう。俺は修也の件があるから行っただけだ。


『じゃあ君に依頼してくれた人に感謝しないとね』


『ああ。そうだな』


 本当に助けたいなら自分たちの手で助けるべきだろ。いくら戦争につながるという理由があっても、それ以前に窓原たちがBOW化の実験施設に攻撃をしている以上それは理由にはならない訳だし。


『それはそうだね。捕まって殺されると思ってたら全然殺されなかったから実力行使に出たのかも』


『自分勝手な連中だ』


 車椅子を押して本棟に近づいてきた。それと同時に背後からとてつもない殺気を感じた。


 インも気づいたようで、僕のことはほっといて逃げるんだと通信を送る。


『お前が目的なんだからお前を置いて逃げれる訳ないだろ。先行して配置したハルを使用する』


 俺が指を鳴らすと間髪入れずにすぐに前に平凡を襲ったBOWを呼び寄せた。


『ハル。インをコハルたちの元へ。俺は殿をする』


「ウハッ!」


 一言声をあげるとインを抱きしめた後窓ガラスを割って外へと逃げ出した。


 さてと似たような殺気は先程も感じた。つまりはBOW化させる薬剤は微量でも入れば脈が止まっても機能するらしい。


 弾倉を入れ替えて今出来る万全の状態で、俺はそのBOWを待ち構えた。

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