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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
170/202

救出作戦・調査2

 コハルが行動の旨を団に伝えたあと、俺は彼女とともに巨大人工浮島(ギガフロート)に向かい温和———インと共に巨大人工水上島(シーフロート)の担当である店長(みせなが)にこの作戦についての会議を行う。


「ふむ・・・・・・話の内容は理解した。んでこちらへのメリットは?」


『小林派への恩を貸すことができる。これだけじゃメリットになりませんか?』


 インが捕まっていることは伝えず、あくまで窓原たちが捕まっている態で話を進めていた。


「戦争するにはこちらの戦力が足りていない。それにその基地を潰したとしてもその後の事もある」


 至極当然な回答を返されたが、ここで引いたらそれこそ無駄死にをするだけの作戦を作らなくちゃいけなくなる。


『ではこれを』


 俺はポーチに入れていたメモリーカードを店長みせながの目の前におく。


『現在極東連合が開発を行なっているBOWのシステムを応用とした理性と人格を保ったまま兵器としての火力を持つことが出来るBOWのデータです』


 修也の件や平凡が回収した人間達のデータを多少濁しながらまとめたデータを彼は少し興味を向けたようで、そのカードを手に持つとパソコンにそのカードを差し込む。


 これを使えば巨大人工浮島(ギガフロート)と極東連合との戦力バランスは変化する。他の方法が思いつかなかった以上使うしかない。


 店長(みせなが)ひとりむむむと口元を押さえて資料に目を通していく。


『俺はその残り滓を回収しただけで、窓原たちは本体部分を持っていると思われます。捕虜になっているためデータは処理されている可能性も否定出来ませんし、極東連合がそのデータを用いて研究を続行している可能性もあります』


「・・・・・・極東連合(向こう)にこれ以上の研究をさせないか、それかこちらにもその情報を手に入れさせたいか。そういうことだな?」


『ええ、ですからせめて武器などは提供出来なくても人材だけはお願いしたいのです』


「・・・・・・俺ひとりでは計りかねる。時間はかかるが一度グループ全員で意見を確認する必要がある」


 それじゃあどれだけ時間がかかるか分かったもんじゃない。だからこそこの手札を切った訳なのだから。


「俺が上に立つためにもBOWの詳細は提出しない。貴様は望んでいるほどのは無理かもしれんが、多少なりとも提供する。その上で作戦を考えるがいいさ」


 今すぐに答えは欲しかったが、まあそこはしょうがない。


 これ以上切れる手札は今はない。俺はデータカードを回収すると店長の部屋を後にして次の場所へ向かった。


 今度は平凡やシラヌイが働いていた喫茶店だ。窓原があそこで何かをしていたのは知っている。上手くいけば店長の提供してくれる量よりも多いかもしれない。

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