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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
巨大人工浮島《ギガフロート》編
168/202

目的の為の目的

 平凡から聞いた誘拐された子どもたちを使用して行われていた実験施設へと向かっていた。


 BOW化した少年少女たちによる暴動は極東連合へ恐怖を与えたのか、大事な資料があるだろうにそのまま放置されていた。


『ということは極東連合はあれからここには来ていないということか。戦略兵器の効果が判断出来てないって意味でもあると思うが』


 広い施設内をいちいちひと部屋ずつ見ていたら時間がどれだけあっても把握しきれないので、まずは監視室へと向かう。


 何とか監視室へとたどり着くとモニターの電源を入れて機能している部屋のカメラをひとつずつ確認していく。


 特殊な施設であったおかげで、実験が行われていた時期のデータまでしっかりと残っていた。


 実験の生存メンバーが脱出した後、レッドフィールドは1人でにこの部屋を後にし平凡たちと同じように空いた穴から出ていくと、それと入れ替わる形で巨大人工浮島(ギガフロート)の部隊証を身につけた少年少女が部屋へと侵入していく。


 もぬけの空になっていたことを指揮官に伝えるとひとりの男性が新たに入ってきた。


 男は服面を外しながら録画されているカメラに気がつくと、キーボードを叩きいちどカメラが止まる。顔がばれるのを懸念してだろうか?


 すると何か文章を書いたノートをカメラに擦り付けるように開くと暗号だろうか?文字として見るには直線の棒の数が多い。


 数秒ほど経った後、監視室にはもう誰もいなくなった後だった。


『・・・・・・何の数字だろうか?文字かもしれないが、それなら読ませる気が全くない』


 とりあえず文字として考えて目の前のモニターにある最小化されたものを巨大化させると中には普通のパスワードを入力するものが現れた。先程の文字と思われるものを数字だと判断して入力をする。


 そのパスワードは簡単に外れ記録媒体が飛び出すのと同時に追加の録画が別の画面から流れる。


「この言葉を数字と認識したということは、お前は日南休ではない人物だろうと判断してこの記録テープを流す」


 画面に映っていたのは先程の男と同様の衣服を纏った窓原だった。


 この施設内の極東連合にバレるのを防ぐために覆面を付けていたのだろう。


「この施設には極東連合の人間は一人もいなかった。実験中の事故で放棄されたと考えられる。誰かのせいで研究者が軒並み殺害されたことは結構こたえたようで」


 平凡の負傷具合と帰宅までの時間から考えてあいつがやったとは考えにくいが・・・・・・右腕を犠牲に暴走して人を殺したか?


「ひとりもいないと言ったが、これは文字通りの意味だ。あっても多少の血痕で人の死体の量としては少なすぎる」


 記録に残されたデータを見たものの、特に死体が生まれるような理由はなかった。まあ彼らが先に見ているから俺が見ても意味がないが。


「その為俺たちが侵入を開始した時点で極東連合の人間はすでに撤退を行なっていたと考えられる」


 じゃああの時の平凡たちが受けたと思われる攻撃はやはり巨大人工浮島(ギガフロート)か。


「幸い日南休が潰していたのは研究所や実験場などで防衛基地には一切手を出していなかった。我々はこの録画の後にそこに向かうつもりだ」


 研究員がそこに移って実験を行ってたりするんだろうか?


 録画はもうすぐ終わる。窓原は最後に言い残す。


「インを友人として行動してくれてありがとな」


 それを最後に録画は終わりそれと同時にデータも削除されてそこにはただ砂嵐だけが残っていた。


 どれだけここに調査時間を割いたかは俺からじゃわからない。けど今の今まで帰ったメンバーがいないのであればそういうことなんだろう。まあインが死んだとは思えないし、極東連合側からすればいい出汁になるだろうさ。


『とはいえ温和からの依頼があるからなぁ。助けに行かんわけにも行かないか』


 研究施設と比べその戦力は比べ物にならないだろう。なりすましても脱出出来るか怪しい。


 まずは調査と把握だ。今回はいつもよりも入念に行わないとただの二の舞になっちゃうからな。


 窓原が残したデータの隅に向かったと思われる施設の座標が残されていた。


 大規模な施設なようで見えるだけでも一個師団規模の戦力は確認出来た。流石のガバガバ警備でもこれだけいれば下手な鉄砲数撃ちゃ当たるという言葉の通り本当に当たってしまいそうだ。


『・・・・・・うん。増援は呼ばないと無理そう。温和には伝えておくか』


 いくら放棄された施設とはいえ、遠距離通信を敵施設から行うと敵に気づかれてしまう。まずは休息と整理を兼ねて一度自宅へと戻ることにした。

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