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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
俺の行動はいつも問題ばかりだ
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巨大人工宇宙島《スペースフロート》

「これでいいんだな?あんたに言われた通り彼女を連れてきた」


 男たちはどこかにヒナを置くと、カプセルに取り込まれてどこかへ連れていかれる。


「こうすれば彼らは我らに従わざるを得ない。ヒナが最優先事項なのだから」


「女ひとりであんな化け物がこちらに従うとは思えんが」


「まあそう思われても仕方ない。ハイヴ産のやつを手に入れることが出来ない以上、戦力増強の為にも奴は必要だからな」


 スーツを着た男はカプセルに入るヒナを見ながら呟く。


「よし。君たちは下がって休暇を楽しんできてくれ」


 スーツの男は机のボタンを押すとヒナを連れて来た男たちを移動させた。


「戦力差はこれで無くなったか。小林派ばかりに好きなことをさせていてはな」


 スーツの男は近くの椅子に座るとその椅子が動き出し上層部へと移動する。


「目標の動きはどうなっている?日南休の情報は逐一報告してくれ」


「はい。会長」


 椅子から離れるとプカプカと浮き始める。そうここは巨大人工浮島(ギガフロート)の中でも宇宙に存在する巨大人工宇宙島(スペース・フロート)なのだ。


 研究所を後にして宇宙と地球の見える場所へと移動すると、ひとり寂しく外を眺める。


「どれほど技術が進んでも、結局は二番煎じ。やはり秀才と天才では違うということか」


『会長。日南休一行がアジアシーフロートに到着したとの報告を受けました。こちらの勢力の人間を合わせますか?』


「いや。今会わせたところで我々が少女を誘拐したことがバレるだけだ。それに贇は小林派を嫌っている。少なくとも小林派に入ることはない」


『ですがそれではこちら側に組み込む事も・・・・・・』


「問題ない。いつでも行動を起こせるように監視は怠るなよ」


『はっ。了解です』


 通信が切れると男は再び移動を開始して今度は書斎エリアに入りひとつひとつ中を確認していく。


「いや・・・・・・これでもない」


 当然この調査を行なっている間も逐一報告が入る。右腕がレッドフィールドの開発のひとつである思考所持型義手である事。反政府勢力であったシラヌイも確認された。


「いやいやいや・・・・・・この子意外っていうより普通にやばい子だな」


『先程の言葉は訂正して確保に向かいますか?』


「いや、変更はな———ん?この人たちは・・・・・・」


 日南休はバイトを行なっていた時期があった。そこの場所のふたりの人間に男は目を大きく開いて驚嘆の声を上げる。


「この人は・・・・・・」


『はっ。マスターとリーリャという人物ですね。データベースでもマスターとしか登録されていません』


「彼らの過去の行動データを調査してみてくれ。内容によっては味方につけるとまではいかないもののなんとか出来るかもしれん」


 男の指示を受けると研究所の通信は再び途切れ、調査は素早く行なっていくことになる。

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