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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
修也の周りは危険ばかりだ
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学校にて

「あのーーー先日はすいませんでした」


「見ていなかった俺らが悪いってもんよ。しかし、資料を見れば見るほど、奴らのことが分かんねえな」


セイエイはガリガリと頭を掻き毟りながら積まれた資料を見ていて、修也はバツが悪そうにそわそわしていた。


「どした?居心地悪そうだが」


「ただ座ってるだけっていうのは中々きまして」


「刹那が来いって言ったんだろ?あいつが来るまで待っているしかない」


刹那に呼ばれた訳だが、その呼んだ本人である刹那は待てど暮らせど姿を見せなかった。部屋を間違えたとも考えたが、修也がいた場所は放送時に指定された空き教室だ。何度も確認した為間違いはない。


「なあ修也くんよ」


「は、はい・・・!」


「飯食いに行かね?」


時間的には何に問題もないものだが、あまりにも突発的過ぎて修也は思わず、は?と気の抜けるような返答を返してしまった。


「何がは?よ。昼休憩なんだから普通だろ?」


「え、いや、まあそうですけど・・・それなら教室に来た時に行ってくれた方が・・・・・・」


「考察と資料のまとめでさっきまで出来なかったからな。それにギリギリに行った方が空いてるだろ?それに、呼んでから15分も経ってんのに来ないってことは無理になったと解釈していいんじゃないか?」


奪取した資料をまとめバッグに入れると立ち上がって廊下へ出て行く。


修也はどうしようとおろおろと視線を動かしているとセイエイは扉を開けたところで振り返る。


「あいつが悪いでいいんだよ。ほら行くぞ」


外に出ると食堂のある方向とは別方向を向くと声をかける。


「誰か待ってんのか?後輩くんたちは」


誰だろうと思い扉越しに見てみると、芹と修也の友人が鉄柱に隠れながらこちらを見ていた。


「セイエイさん。先に言っててもらえますか?後から行くんで」


「刹那みたいに遅れんなよ?食うもんはこっちが決めていいな?」


「お願いします」


「それじゃ行っとく」


セイエイは食堂に向かっていったのを確認した修也は、1度ふう・・・と緊張した身体をほぐし2人の場所にちょこちょこ歩いて近づく。


「どしたのさ2人とも。漫画のストーカーみたいだぞ?」


「だってさ修也。奴はさ・・・」


「みんなが思ってるような人じゃないよあの人」


「そうやって油断させて・・・・・・かもしれないよ」


「芹さんの言う通りだ。人殺しだぜ?ひ、と、ご、ろ、し」


「ちゃんとお勤めしてきてるんだから・・・仮にそうだとしても、芹たちが見てるから大丈夫でしょ」


「いつも見てるわけないでしょーがい!」


芹と友人の手刀打ちが修也の頭に雷のように落ち倒れこむ。


「痛っったいんじゃい!何!?おいら悪いことした?」


「修正してやる!」


反論しようと立ち上がったところで今度は正拳突きが放たれ再び倒れ込んだ。


「これが若さか・・・ぐえぇ!」


「それはやり過ぎじゃないですかねえ芹さんや・・・」


「修也が悪いから何の問題もない!何?|メルトは修也の味方をするの?」


「そう言う訳じゃない。殴り方に問題があるって話だよ」


「痛っぅ・・・・・・人間は1メートルで一命取るって言われてるんだぞ!チョップは許せるけどさぁ」


修也は頭と左目下を抑えつつ、立ち上がりフラつきながら芹たちを睨みつける。


「ほんま痛くておいらの頭壊れるわぁ・・・そういやユウスケ、何でメルト呼びなんだ?」


「ああ・・・それな。SNS覗かれて俺のネームがバレちまってな。それでさ」


「・・・心中察するよユウスケ・・・」


「俺のメンタルはボドボドですよー」


2人で涙を流しながら抱きしめ合う。


「これから頑張っていきましょうやユウスケさんや」


「よろしくお願いしますぞ修也さんや」


芹ははぁ・・・とため息を吐き2人を剥がすと修也に行って来いと指で指示する。


「思ったより時間かかってらぁ。後ろから見守っていてくれよなぁ」


てってってーと跳ねるように廊下を走っていき食堂へ向かっていく修也にユウスケは「こけんなよー」とアドバイスを飛ばし分かってると手を伸ばし階段へと消えていった。


「もうすぐ授業だし放置することになるけど、大丈夫か?芹さん」


「遅れるって担当の先生に言っといて。私は念の為修也の後追うから。修也にも頼まれたしね」


「本当信頼してるなぁ芹さんは。先生には言っておく」


「ありがとね。メルト」


「メルト言うなし」


芹も階段に消えていく。ユウスケは追うことはせずに教室へと戻っていった。

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