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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
修也の周りは危険ばかりだ
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独白2

今日の部活を終えて帰宅すると、今日も家の中は人気の無いものだった。


「・・・・・・ただいま・・・」


私は誰かに返事を返してもらうつもりもなくただいつもの癖で無人の家に帰宅を伝える。


汗を流して部屋着に着替えると自室に入り携帯を突く。


何かをするわけでもなく、ただ流れるようにSNSを見ていく。


何時になっても家族は全員帰ってこない。勿論何時ものことだからいいのだけれど、今日はなんとなく寂しさが背中を流れる。


隙間風かな?と思い家の中を歩き回りながら窓を調べていく。


全ての部屋を確認したけれど、どの窓も閉めてあり何故この感覚が続くのかが気になってしまう。


怖いけどどうにもならないので、自室に戻りベッドに入ってまぶたを閉じる。


寒気はなくならずそれが原因で眠気も起きない。我慢出来なくなった私は部屋着に上着を羽織って軽く家の周りを散歩する。


学校側から不必要な夜の移動は避けるようにと注意は受けていたけれど、一帯が眩しいぐらいの明るさなので認識は出来るし多くの人が歩いてるので問題ないと思う。


そんな中、生徒指導の先生が見回りをしているのか、1人険しい目つきで歩いていた。


羽織っているとはいえ学校の先生に見られていいものではないし、少し側道へ入って先生を回避する。


「誰も被害を受けていない上大人たちがこんなに外に出ていたら、反抗期が多い年齢の子たちは従うわけないだろ・・・・・・そのおかげでこっちは睡眠不足だ・・・」


そんな悪態をついている生徒指導を隠れながら見ていると、振り返ろうとしていたので側道の奥へと走ってしまった。


表通りから外れると急に真っ暗になっていく。治安が悪いのかいくつかのビルは窓ガラスは割られシャッターも曲がっていたりと、側から見ても危険なことが分かるものだった。


「帰ろっかな・・・」


戻ろうと振り返ると、いつのまにかかなり奥の方に入り込んでいたようで表通りに行く道が見つからなかった。


勿論明かりがある方向は見えるのだけれど、その方向に進む道が全てビルがあってかなり戻らないといけないように見えた。


たったったっ・・・と人と会わないように明かりの方向へ行ける道を探していく。


家の中でも感じた感覚が周りに広がる。それはゆっくりと、けど確実に近づいている気がした。


「・・・・・・」


一度隠れよう。走って逃げると逆に目立って家の場所が特定されて逃げる場所がなくなりそう。


周りに人がいないのを確認してから近くの廃ビルに入って階段を上って上層階の一室に入り込む。


鍵を閉めて扉を視界に入れることの出来る場所でうずくまって太陽が昇るまで待つことにした。


廃ビルに入っても感覚は残っていたけれど、少なくともこの廃ビル内にはいないようでいくら待ってもその感覚が動くことはなかった。


相変わらず眠気はなく、ただ流れる長い時間をどうしようと考えながら待ち続けていると、急に感覚が近くなって扉を壊された。

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