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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
修也の周りは危険ばかりだ
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搜索活動2

セイエイは先行して道を進んでいく。足元には時間の経った血痕があった。化け物が通った形跡だろう。


声は出さずに手で合図を送り通路を進んでいく。


通路である以上当然だが扉がいくつか存在するが、その殆どにセイエイは目もくれずに進んでいく。時折扉を開けるものの、それと開けない扉の区別が修也には分からなかった。


「血痕の量に対して化け物の死体も人もいないわね・・・もう廃棄されたってことはないかしら?」


「合流するまで確認してたんだ。その可能性はないだろ。それに別ルートから出ていて廃棄されているなら化け物による血痕はあっても電子ロックがかかってる部屋はない」


そう言うと、一度悩む仕草をしてから近くの扉を開く。


「試しに入ってみる。もし放棄されてるなら資料は皆無だろうから今回は撤退しよう」


部屋へ入り明かりをつけると文字が大量に書かれた用紙をいくつも発見する。中には化け物の調査結果を記されたものもあり、放棄されているとしても、急な事での放棄が考えられた。


「結構資料残ってるな。持ち出せるだけ持ってくぞ。あれの対処法を増やせるはずだ」


セイエイと刹那は可能な限りの用紙をファイルにしまうとバックへ詰め込んでいく。


「修也君もまとめるの手伝っ———修也君?」


いつの間にか、修也は姿を消していた。血の気が引いていく。刹那は用紙を投げ捨てると、廊下へと飛び出して元来た道を走っていく。


すると壁越しにひとりの人間が銃を構えて現れた。


「くっ!」


刹那は撃たれる前にと銃を抜いたが、現れた人間は対照的に銃を降ろした。


『何故あなたが・・・?この研究所に関与してたのか?』


「君は・・・!」


相手は少女のような機械音声だったが、それが逆に誰なのかを認識させることが出来た。


「刹那、どうした?」


刹那の後を追うように遅れてきたセイエイも自然と銃を構える。


『もう普通の生活が送れるようになったんだな。俺は嬉しいよ』


「そう言うきみは大丈夫だったの?」


『大丈夫って言うのがどこまでを言うのかによるけどな。それでわざわざ足音立ててこっちに来たんだ。何か目的があったんじゃないのか?』


「ひとりの男の子見ていないかしら?」


『ああそれなら・・・ほら、この子だろ?』


壁に一度姿を隠すと、背負うように修也を持ち出してきた。


『ひとりでとぼとぼと歩いてたから生き残りかなと思ったんだが、血も傷もなかったから一応生かしておいてよかったな』


セイエイはそれを受け取ると移動しながら情報交換を始める。


『俺は赤鬼を追って昨日の夜からここにいるんだが、お前らはいつ来たんだ』


「赤鬼?化け物のことか。俺たちはついさっきだな」


『そうか、それじゃあ赤鬼の特異体はまだ見ていない感じか』


「それならさっき集めてた資料に多分あると思う」


『流石だなぁ。ここは暗いし一度帰ってから情報貰っていいか?』


機械音声の人間はそう言うと、何かに気づいたようで、2人に伝える。


『追われてる身だからな。それじゃあな』


人間は拳銃を抜き取ると廊下の奥へと消えていった。


「昨日の夜からとか元気だな。最低限の資料も回収したし、一度後退して確認しようぜ。あいつに見せる必要もあるしさ」


「ええそうね。修也君をこのままにしての調査は厳しいもの」


2人は互いに頷くと、先ほどの洞窟を通って別々の道を歩いて帰宅した。



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