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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
修也の周りは危険ばかりだ
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捜索活動

「こういう危険な事って夜にした方がいいのでは?刹那さん」


「だからこそよ。もし今から行く場所が彼らの生まれる場所なら、昼は行動をしていない可能性が高い。もし行動しているならあれらは昼夜問わずに行動出来るっていう情報を手に入れることも出来るわけ」


山の中にある洞窟を利用した神社に向かう。刹那曰くこの神社の奥に目的の施設があるらしい。なんとまあ罰当たりなことをしているなと修也は感じていた。


「しかし、どうしてここに施設があると考えられるんですか?」


ガサガサと近くの草むらが揺れるとその中からセイエイが現れた。


「昨日の夜からずっと見張ってたからな。クンカクンカ・・・くちゃい」


「セイエイさんあれがどれだけ危険なものかずっと見てるあなた方ならわかるでしょう?」


「当然だ。危険だからこそ少しでも犠牲者を減らすために行動しないといけないだろ?それに俺は人殺しだからな。行方不明になってもそれほど問題ない。刹那はそうなると捜査のために犠牲者が生まれる可能性がある。これは化け物を見つけた俺たちの仕事だ」


「だからって弟をむざむざ殺させる訳ないでしょ」


「というこった。刹那水くれ」


刹那から受け取ったセイエイは頭から水を被ると一緒に渡したタオルで即座に拭き取る。


「(・・・・・・人殺し?)」


その言葉に違和感を感じたが、今聞くことではないと判断し神社に足を進め始めた2人の後を追う。


「表向きは神社だから変に動けば気づかれるわ。それに洞窟まで行くには一度は神社を抜けないといけない」


「監視カメラの位置は把握してるから賽銭箱付近になったらついてきてくれ」


セイエイが前に立ち進んでいく。目立たないように用事を済ませると、セイエイは小走りで母屋と離れの隙間へ走っていく。


その奥に消えていくと刹那はそれについていく。修也はタイミングが分からずにいたが、近くに人がいないのを確認してからその場所へ走っていく。


「人、いないですね」


「そんな時間を狙って来てるからな。それにずっと見張ってた時に化け物が通ってた場所だ。監視はない」


「確認はしたのよね?セイエイ」


「ああ。化け物に紛れて通ったから確定だ」


洞窟内に入ると明かりも外からのものしかなく足場は濡れていて滑らせそうだ。


セイエイは携帯の明かりをつけて足場を確認しながら先行していく。


「問題はこの先だ。修也君、君潜れるか?」


「泳ぐんですか?」


「ああ。潜れるなら防水バックに荷物を入れるから電化製品は貸してくれ」


バックを開けると手を修也に伸ばして電化製品を受け取るとそれを閉まって水にゆっくりと入っていく。


「これしかないのセイエイ。こんな洞窟以外にも通る道はあると思うのだけれど」


「そりゃ施設なんだからあるだろうな。けど見つからないようにするんだからそれぐらい耐えろ。その為に着替え持って来たんだろ?」


はぁ・・・とため息を吐くと、同じような防水バックに靴や道具をしまうとセイエイと同じように水へと入っていった。


修也も水にゆっくりと入っていく。水は洞窟内な為当然だが、非常に冷たく長時間入っていると身体が震えてしまいそうだ。


息を止めて潜っていくと前にあるセイエイか刹那が作った明かりを頼りに進んでいく。


「(本当に化け物がこんなところ通っていたんだろうか)」


前にあった明かりが一度消える。つまりはそこが出口のようだ。


少し息がキツくなった修也はペースを上げていき水面から顔を上げて一気に空気を取り込む。


「ぱっああああ」


空気の淀みに咳き込んでしまい嗚咽を漏らす。


「手ぇ出せ」


セイエイの手を掴みなんとか陸に上がって息を整えていく。


ちらりと刹那を見ると、濡れる髪の毛を絞っており正に水も滴るいい女とはこのことだろう。


渡した道具をセイエイから受け取ると洞窟内の奥へと足を進めていった。

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