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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
白銀タケルは問題に突っ込んでばかりだ
122/202

マリーとJPP4

流石反政府勢力———巨大人工浮島(ギガフロート)は表向きは国ではないので反政府勢力というのかは分からない———なだけあってリミッター解除した俺の動きを封じれるように正確に狙ってくる。


痛みで動きが一瞬鈍くなるが、弾は貫通タイプだったおかげですぐに修復が完了するので影響は殆ど無かった。


可能な限り勢いを殺さずにシラヌイへと突っ込み、銃を持った右腕を上に持ち上げつつ倒れ込む。


『弓田屋さん!頼みます!』


振り返る事もなく言葉を伝えて俺はシラヌイ1人に意識を向ける。


「くっ・・・さっきの人死ぬぞ!」


『弓田屋さんはそんなに弱くない!』


「奴らのことはお前が1番わかってるだろ!」


弓田屋さんはそんなことない。あの人ならやれるって俺は知ってる。


「ヒナさんの為にもキュウを悲しませることはしたくない!」


押さえ込んでいない両足で俺を腹を蹴り拘束を解く。


『ぐっ・・・』


浮き上がりながら数センチ先に背中から地面に受け身を取れないまま叩きつけられる。


「そこで寝ていろ!JPPとBOWを連れて行ったら家に帰ってみんなで仲良くしようじゃないか」


『マリーをBOWって言うのかよ・・・。あいつは人だ。まだまだ知らないことがいっぱいあっていろんなことを学ぶことが出来るはずの人間だ!』


腹部を抑えながら立ち上がり続ける。


『極東連合にも巨大人工浮島(ギガフロート)にもマリーを渡すわけにはいかない。どっちも兵器としてしか見ないのなら、なおさら渡せない!お前も分かるだろ?』


シラヌイは銃をこちらに構え直すと足に撃ち込みながら距離を取っていく。どんなにシラヌイが戦闘能力が高いといっても、銃に耐えられる奴なんて対面したくない。


「兵器か・・・」


『そうだ!温和や憤怒はマリーを知らないからJPPが極東連合に渡そうとしていると断定して回収しに来た。もしそうなら俺はあの場所でJPPを殺してた!』


弾丸が太腿と横っ腹を貫く。


「やつが洗脳してそう思わせているだけかもしれない」


『なら何で憤怒たちは俺を殺そうとした?現に今の俺はこの回復が使えてなかったらとっくの昔に死んでる。見せてやろうかその傷を!』


上着を脱ぎ捨ててシラヌイに見せつける。胸部に大きく入った傷は酷く、傷のない部分と肌の色が違うとう、素人目にでも分かるほどのものだった。更にいつ傷口が開いて血が漏れ出すかも分からない。あの回復があってなおだ。


「・・・・・・」


発砲が止む。ただそれは俺が動きを止めたからに過ぎないだろう。また動けば痛みとの対決だ。


そんな時船がババババババ!!!!!という知らない音と共に大きく揺れる。


シラヌイも何が起きたのか分からないのか膝をついてその揺れを耐える。


「な、なんだ・・・?」


『シラヌイ・・・知らないのか?』


「この船で行くって聞いていた」


『温和の野郎、JPPたちさえ回収出来ればいいと思ってたんだ。だから伝えていなかった!』


「もしそうなら・・・・・・その温和ってやつに問いたださないとな」


シラヌイは俺に近づくと腕を取り俺を支えると揺れる船を最上階へと登り始めた。



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