マリーとJPP
駅へ着くといたのはただの普通の人しかおらず俺の態度に周りの人は変な視線を向けていた。
ここにはいない。じゃあ次の駅だとバイクを走らせる。
背後から変な気配がくる。普通の人のやつではないな。さっきしたシラヌイへの連絡が原因か・・・。だがしなかったらなんの便りもなく探すのは無理に近い。だからこれぐらいはしょうがない。
『そっちに意識を割く余裕はないんだけどな・・・』
身体の負荷を気にしつつも背後の気配へ向けて拳銃の弾をサイドミラーを使って追っていた車のタイヤに撃ち込み動きを止める。
『シラヌイ。悪いが邪魔させて貰うぞ・・・ってかっこよく言ったけどどうするか。俺ならどうする?』
てかマリー達を運ぶなら多分他国だ。何で駅を探したんだ俺は。本当にバカだ。今ここから間に合うとするなら・・・港か!
車は多分俺を食い止めるものだ。逆に考えてわざわざ邪魔するんだからまだ間に合うってことだ。
そうとなれば港へ行こう。バイクの速度を上げる。
港まであと数分というところで検問にかかる。シラヌイ・・・当然の判断だな。だが犯罪を犯してでもあいつらは助ける。
「そこのバイク止まりなさい!」
『もう犯罪犯してんだ!1個2個増えても関係ねえ!』
ぶち破るように検問を抜けて船前に到着した。バイクから降りて出入り口を飛び越えて乗船場を走る。
「お客様!」
船員に止められる。
『巨大人工浮島行きの船は!』
「え、ええ?」
『いいから!』
頭に回転が追いついていないのか、疑問詞だけで答えない。
『悪いが知り合いが誘拐されてね!』
船員を弾き飛ばして巨大人工浮島行きと思わしき船へ乗り込みしらみ潰しにしていく。
何人かの兵士がこちらに銃を向ける。排除の命令が降りたか?
壁から火花が散る。黙ってろ。
『どけって!』
足のリミッターを外してその兵士達を蹴り飛ばす。
倒れ込んだうちの1人に声をかけて場所を問いただして次の目標を目指す。
兵士から聞いたことが正しければ下にいるようだ。嘘の可能性はあったが船に乗って仕舞えばいつかは見つかる。
下に降りると複数の兵士が部屋の前に立っていた。動く気配はなくそこを警備することを優先しているらしい。
息を整えて壁を越えながら銃弾を死なない場所に撃ち込みながら部屋の扉を開ける。
「・・・・・・巨大人工浮島に着く前に殺すのか?まあそれでもいいか。裏切ったんだからな」
『その声は・・・弓田屋さんか?』
「シラギンか?奴が追ってきたから死んだと思っていたが・・・」
『死に損ないって感じだ。動けるか?』
腕に巻き付けられていた鎖を銃弾で砕いた後、余った兵士が持っていた銃を渡してマリー達を探す。
『弓田屋さん。どこまで一緒にいたんだ?』
「すまないが、意識が戻ったのがついさっきだ。場所は分からん。俺とは違って生きていて貰わないといけないから上で監視されてるかもな」
上にいたのか。まあ向こうからすればマリーやJPPは本命だ。そっちに行っていたら多分負けてた。弓田屋さんがいるから戦力は大きく上がってる。いけるはずだ。
扉を開けて元来た道を進む。マリー達へ向おうとした所で憤怒がナイフと突撃銃を片手に現れた。
「よお・・・その傷でよくここまで来たなぁ」
『お前が殺した奴が託してくれたんだ。今度は負けねえぞ。俺と弓田屋さんの2人でやるんだからな!』
俺の言葉を皮切りに3人の銃から銃弾が飛び出した。