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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
白銀タケルは問題に突っ込んでばかりだ
112/202

当日

『こちらデルタチーム。配置につきました。もし襲撃を受けても絶対それを伝える事だけは欠かしませんので』


「了解でス。もし相手が現状装備で対応出来ない場合にハ後退を優先して下さイ。戦闘をする必要はありません。戦闘は全員で処理しましょウ。いいですネ」


『デルタチーム了解』


『ブラボーチーム地下構内にセンサー及び対人地雷を設置』


「地雷が効かない場合、前日のマニュアル通りに爆破して下さイ」


『ブラボーチーム了解』


着々と準備が進められていく。俺と弓田屋さんヴェルバーは襲撃が発生するまでは現状維持とのことだった。現状維持ではあるが、武器はしっかりと携帯している。


「アルファチームはどうか?」


『本部の方々の護衛に付けるように準備完了しました』


主に行動する3チームが準備を完了すると、JPPはこちらを向いて「マリーさんを頼みまス」と言うと、所長室へと向かう。


「1人ぽっきりで怖あないんかなぁ」


「他のメンバーがあいつの護衛につく。気にすることはない。俺たちはマリーの事だけを意識すればいい」


弓田屋さんはそう言うと、レクリエーションルームの椅子に座る。


俺もヴェルバーも立っていても何か変わるわけでないので、椅子に座りその状態で出来ることで遊んでいた。


予定の時間になるが誰も来ない。人も多いし場所も場所だから遅れてるのかもしれない。


そんな時マリーは喉が渇いてしまったようで、しきりに喉を動かしていた。


『すいません弓田屋さん。緊張で喉が渇いてしまって・・・』


「何やってんだか・・・ついでに全員の分頼めるか?後ヴェルバーを連れて行け。単独行動は危険だ」


「弓田屋はんの言う通りや。うちも行くで」


腰の拳銃を確認してから外に出て自販機へと足を運び予備も含めて計8本のお茶と水を買い、4本ずつを持ってレクリエーションルームへと帰る。


『・・・思ったより2キロって重いですね』


「力無さ過ぎや。終わったら今日からうちも弓田屋はんのように厳しく行くで」


『すいません。重くないです』


「ほんま嘘をつくの下手やなぁシラギンちゃんは」


『嘘なんて』


「弟の嘘のつき方とそっくりや」


『そういえば、ヴェルバーさんはどうしてこちらに来たんですか?』


「うちの住む地域は特異な力がある事が前提・・・みたいなとこなんや。でも弟にはそれがない。能力を開花させる薬を飲んでもや」


『それにやる邪気のあることを受けたんですね』


「せや。うちも最初は理解出来ひんかった。家族でも出来ないことや。他人なんてそりゃ分かるわけない」


それを反省したからこそ、ここにいると言うわけだ。俺とは違い、はっきりしっかりと非常に良い意思で来ている。本当俺は酷いと思う。


レクリエーションルーム近くの壁を曲がろうとしたところで、警報が鳴る。周りを警戒しつつ素早く部屋へと入りお茶を落としながら拳銃を手に取る。


場所はどこだ?聴き逃さないよう耳に意識を集中するが鳴っているのは警報だけで声はない。


ただ扉を見ていた俺たちに弓田屋さんは指示をかける。


「ヴェルバーは熊のぬいぐるみの所を。ダクトから来るかもしれないからな。シラギンは俺とヴェルバーの間でマリーの側にいろ」


素早く言われた場所に移動して警戒を強める。


「警報のみしかなかったことを考えると、伝えれたのは敵が来た事だけ。他の部隊もやられたか・・・」


「後ろのやつ開けます?」


「いやまだだ。狭い道で鉢合わせるのが1番危険だ。銃声さえ聞こえれば対応出来るが・・・」


刻々と時間が過ぎていく。心臓がバクバクと動き冷や汗が止まらない。


そんな中何かが聞こえた銃声と悲鳴だ。


「普通に通路側だ!ヴェルバー!」


「了解ー!」


マリーを連れてダクトに近づき扉を開けると、カチリと言う音が聞こえた。嫌な予感がする。


反応する前に視界が白くなり身体が動かなくなった。

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