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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
白銀タケルは問題に突っ込んでばかりだ
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防衛準備

連れていかれた場所は今まで来たことのないエリアニ足を運んでいた。


右には広い空間。左には・・・・・・鍵が閉まっていたので確認は出来なかったが、弓田屋さんが言うには武器庫らしい。つまりは防衛時ここから武器を取るのだろうか?


そして真ん中は射撃場のような所だった。


「誰かが攻めてくるって分かってる以上、自衛手段ぐらいお前にも持って貰う」


弓田屋さんは射撃場の管理人にオススメを聞いてそれを近くの台に置く。


「シラギン、試しに撃ってみろ」


『は、はいっ』


台の前に立ち銃に触れる。冷たくて、滑り止めかわからないがデコボコしたところが少し違和感を感じる。


「弾倉は外してあるから弾は出ないから、最低限のマナーを守るなら動かしてみてもいいぞ」


言われた通りに持ち上げてみる。普通に重い。試しに引き金を引いてみるがカチリと固まって動かない。


『安全装置外してなかった』


「外す時銃口の先も意識な。今は弾が入ってないから問題ないが、もし入っていた場合暴発してどこかに当たるかもしれないからな」


そちらから意識が外れていた。確かに危険だから銃口を前の射的に向けながら安全装置を外すと、引き金が軽くなった。


「撃ちたくなったら弾倉を下の穴から入れて上の部分を引け。そうすりゃ後は引き金を引くだけで弾が出る」


手が震える。ナイフで人を傷つけることは出来るのに銃になると急に恐怖が襲ってくる。


だが撃たないという選択肢は今の状況で取れるか?勿論ナイフで自衛も出来るだろうが、それが出来るのは精々拳銃相手だ。散弾銃や突撃銃のようなものをこんな狭い場所で使われたら終わりだ。


拳銃もそういう相手には不利だと思う。けどナイフが0:10(ぜろじゅう)だとしたら拳銃は3:7(さんなな)くらいにはなる。だから使えるようにはなっておきたいが・・・。


「怖いかシラギン」


その声で少し震えが収まる。変に考えすぎだ。絶対に使わなきゃいけないってわけじゃない。ただゼロかイチかの違いだ。実際に使わなきゃいけない時に、使えなかったら誰も守れないわけだし。


その為の訓練だと言い聞かせて弾倉を入れて的に向ける。


まずは1発。発砲音で耳がキーンと鳴ったが他に問題はない、続けよう。


2発。腕に結構響き少し痺れてしまった。


弓田屋さんは俺の腕を持つと俺の視線と銃口の先が合うように調節してもう一度撃てと呟く。


言われた通り撃ってみると的に描かれた人のこと胴体にあたっていた。


『こういうのって、頭の方が・・・』


「拳銃で瞬殺なんて望むなよ。こっちは襲撃を止めてしまえばいいんだから、身体のどこかに当たればいい。それにここの銃弾は敢えて身体に弾が残るような調整がされてる。感覚としてはどうだ?だいぶ掴めたか?」


あまり意識しないで撃ってしまった。もう一度だけと頼むと、先程と同じくらいの高さに弓田屋さんは調節してくれた。


撃とうとしたところで、弓田屋さんは手を離してしまった。


反動で腕が上がってしまったが、的にはちゃんと命中していた。


「やれば出来るじゃないか。撃つ前に離しても大体の場所に充てられるなら充分見込みはあるぞ」


『本当ですか?』


「練習は必至だけどな」


俺と弓田屋さんは顔を合わせると笑顔で互いに見合った。


ようしやるぞと意気込み残りの弾をしっかりと狙って発砲すると、5発のうち3発が的の人を捉えていた。

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