表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジェノサイド・リアリティー  作者: 風来山
第三部『ジェノサイド・リアリティーⅡ リロード・オブ・ジ・エクスプローラー』
194/223

194.合流の糸

 敵はアラクネーに憑依した霊王デシート。

 本体である霊体を倒さない限り、アラクネーの身体は何度でも回復され続ける。


 唯一、霊体にダメージを与えられる霊刀は、分断された前の部屋にある。

 さてどうする。


「答えは、力ずくだ!」

「ぬうっ!」


 俺は、孤絶ソリチュードの斬撃を全力のスピードで浴びせた。

 もはや防御など考えない。


 いや、攻撃こそ防御!

 無限の回復を無視すれば、こいつの攻撃なんか大したことはない。


 蜘蛛の八本の足を、腹を、アラクネーの本体部分を、回復できないまでに徹底的にみじん切りにしてやる!


「うぉおおおおおお!」

「まさか力ずくだと、バカが!」


 余裕を崩さなかった霊王デシートだが、その余裕ぶった顔はしだいに苦渋に変わっていき。

 ついには、操っているアラクネーの身体を後退させた。


 まだ終わらない。

 逃げても、追いかけて斬り刻み続ける。


「どうした、なぜ逃げる。無限回復じゃなかったのか?」

「回復はさせられるが、グッ!」


 どうやら、ダメージがないってわけじゃないようだな。

 もちろんこれで終わらない。


 俺は、斬り刻まれては回復しようとする敵の身体を斬りつけながら、魔闘術で右腕にマナをオーバーロードさせつづけていた。


放散フー 創造ネタ 敏捷ロス放散フー 創造ネタ 敏捷ロス……」


 俺の右腕が燃えるように熱くなり、溜まりに溜まったマナが暴発しそうだ。

 強い光を放ち、パチパチと紫色の電気まで帯び始めた。


「それは、何をするつもりだ!」

最終アーク イア 飛翔フォイ!」


 答えの代わりに、たっぷりとマナをオーバーロードさせ続けた腕で、最大の炎球ファイヤーボールをぶちこんだ。


「ぐぁああああああああ!」


 ただでさえ強烈な獄火フレアが、ブーストを繰り返したマナの暴走で更に高温となり、プラズマと衝撃波の噴出が起こっている。

 フレアバーストとでも言うべきか。


 太陽の塊のような炎球ファイヤーボールが直撃して、決して破壊されることのないダンジョンの壁が、マグマのように焼けただれて火山地帯のようになっていた。

 まともな人間が近くにいれば吹き飛ぶだろう、周りに人がいないからこそできる荒業。


 これにはもはや回復する間もなく、アラクネーの身体は分子レベルにまで粉々に砕けて消え失せた。


「どうだ、まだ回復できるか?」

「うあああ、無茶苦茶しおって、だがどうするつもりだ。依代を消し飛ばしても、霊体である我が身は不滅であることにかわりなし!」


 まだ霊王デシートは、そんなことをほざいてる。

 寄生生物が勝ち誇って見せたところで、お前も霊体だけではこちらにダメージを与えられないから手詰まりだろ。


「後は、まあ仲間を信じるってとこか」


 臭いセリフだが、今の俺は一人ではない。

 ボコッと音を立てて、蜘蛛の糸に塞がれた通路が開く。


 さっきのフレアバーストの余波で蜘蛛の糸はだいぶ崩れていたし、そろそろだと思っていた。

 味方が、内側から囲みを破ってくれたのだ。


「真城くん!」


 聞こえてきたのは、俺を心配する瀬木の声だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジェノサイド・リアリティー3年ぶりに2巻が出ました! どうぞよろしくおねがいします! あと作者の別作品「神々の加護で生産革命」が書籍化しました! 発売はMノベルズ様からです。予約など始まってますので、ぜひよろしく! (特典SSも、専門店全般として1本と、とらのあなに1本あるそうです) 追伸:おかげさまでオリコン週間ライトノベル20位、ツタヤ週間文芸書14位の快挙! みんな買ってくださってありがとうございます! まだ見てない方はぜひチェックしてみてくださいね! 「おっさん冒険者ケインの善行」コミック5巻! 好評発売中!

Amazon楽天などで1位を総なめ、50万部突破の話題作!

くわしくは↓のガンガンオンラインのサイトを見てね(๑•̀ㅂ•́)و✧

ランキングバナー

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ