聖者達part 王都の商店街にて-2
とりあえずラーベのステータスを確認しようと思った私はSWで確認を取ることにした。ちなみに、馬車関連も既に購入済みだ。それ関連はまた後にするということでラーベのステータスを覗いてみる。
・ラーベ・クロウペガサス ♀ 5歳
種族 クロウペガサス
Lv,84
称号×3
「え?ラーベって雌だったのか?いや、雄としか思えていなきったんだが……」
「カー……………。」
「大丈夫さ、ラーベ。流にフられたとしたら私にすがって泣けばいいさって痛い痛い。二本の角が肋骨の部分に諸に当たって痛い!!」
ラーベが雌だというような事だけぎ分かっただけの簡易なステータス画面だったがスライドする称号やスキルの閲覧が可能になっていた。そこには以下の称号やスキルが書かれていたがそれが強力なスキルなのかは分かりづらい。先に称号を書いておく。
・素質ある主を待つもの………隷属やテイムなどを断り続ける、拒否する事で手に入る。補正として自身の納得する者と出会った時に拒否されなくなる。
・肋骨破壊馬の王………モンスターや人間の肋骨を破壊し続けた者に与えられる称号、肋骨破壊馬の進化系。モンスターや人間の肋骨への攻撃の威力が大幅にアップする補正がある。
・人の姿になれし魔物………人の姿になれる程の魔力を持つ魔物にランダムで振り分けられる称号。人間化した時に年相応の口調の人語を話せるようになる。
「ほほぅ…………ラーベは人の姿にもなれるのか………。これで愛人を一人連れて行かなくてすむよ。いやぁ~、あの副会長さんと弓道部の部長さん、料理研究部の後輩が色々としつこくてさ………。」
「幼なじみの私から言うとお前はどれだけの女子誑かしているんだ。絶対におじさんとおばさん泣いてるぞ。」
「いんやぁ~、本命の早瀬を手に入れられないって分かっていてじゃあ愛人作って懐柔できる所まで行くまで待とうかなって思っていたらつい増えすぎちゃって…………援交サイトで知り合った中学生やOLなんかもいつの間にか愛人とかって勝手になっているし………。しかも、マンション一棟とかをプレゼントしてきた小学生もいたなぁ………。あっ、でも一回切りだしこの世界では何かあったらまずいからあんまりしない方針だよ?」
「……………ラーベ、もし人間の姿になった時にコイツが襲ってきたら肋骨に蹴りを入れろ。後奈津は自重するか金輪際やるのをやめろ。」
「でもさ、実際に裸になったのは愛人1号と8号に32号ぐらいだよ?後はデートやキス、セクハラで虜にした子しかいないし………。」
「それ自体が問題なんだよお前は!まぁ、私達に被害を出さなかったのは良いことだったのだが。お前に辱められたら暗の目の前でもお前を殺しているからな。」
「そりゃ私はそんな人間には手を出してないよ。早瀬は別だけどね。あんな初な子、隼人にへ勿体無いからねぇ………まぁ、くっついたらくっついたで面白くなりそうだけど。」
「お前はせめて快楽主義者かレスビアンの内どっちかをやめておけ。ロクな事にならん。」
「………………………………………………………まぁ、面白くなりそうだからあの事も黙っておくんだけどね。」
最後に奈津がなにやら呟いたような気がしたが、私には聞こえなかった。どうせ大したことでは無いだろうけども、どうにも今回の事は引っかかった。まぁ、深く考えることもないだろうという事で問いつめることは保留にする事にした。
「で、次はスキルの方だけど………。そこまで多くは無いから戦闘になったらよっぽどの事が無い限りラーベには闘わせない方がいいなぁ……。」
奈津がそういうように、あまり戦闘に関係しているスキルは多くない。まぁ、肋骨破壊馬の王の称号があるために相手の肋骨部分の攻撃には申し分ないがそれでもあまり期待することはできない。
・人間体型化…………人の姿に変化する。年相応の体重と身長になるが、戦闘力には変化は無い。ただ、詠唱などができるようになる可能性もあるが、基本的に人に理解される言葉は話せない。
・ニードルホーン…………角を鋭くして攻撃する。多少貫通力と威力が上がる。
・真・限界突破 脚力強化Lv32………脚力が大幅に上昇する。(人間の姿だとスキル強化の効果は大幅にセーブされている。)限界突破の代償として持久力、ジャンプ力は真・脚力強化Lv10で止まっている。
・飛行Lv3………人の姿の時に翼を広げ飛び立つことができる。馬の姿の時は限界突破のために使用が出来なくなった。
・暗視Lv6…………暗い道でも物を見ることができる。
・ホース流後ろ蹴り………ようするにただの馬の後ろ足のキック。人間の姿の時には使用不可。
このぐらいだと、完全に馬車として働けるように育てられているらしい。攻撃手段が角と肋骨の部分だが大したダメージは無いのではと思うと戦闘面では私と奈津でどうにかするのだろう。そんなこんなで葛藤しながら悩んでいるとアーサーさんが話しかけてきた。
「結構良い馬に気に入られたな、お前等は。まぁ羨ましくはないけどな!俺には愛馬のリバがいるし。リバは子供の頃にこっそりこの商店街に忍び込んだ時に店にあった卵から出てきたんだよ。」
「………そういえば気になったんですけどこの世界の馬ってもしかして全部卵から産まれるんですか?」
すると、アーサーさんはにっこりと微笑んだ。それはかなり眩しい笑顔で純真無垢な雰囲気を持っていた。いや、普通の女性ならこの笑顔に虜になっているのだろう。まぁ、私は普通ではないし今は男だから関係無いのだが。ただ、この言葉にはカルチャーショックを受けた。私も、奈津も、隼人も、早瀬もだ。
「え?お前等の世界でもそうじゃないのか?馬は普通卵から産まれるものだろ?」