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聖者達part 嵐のようなメンバー達 人外の人達編-3

まず、ナトさんは魔王の家系というわけではなかったらしい。簡単に言えば、強い魔族に魔物達が着いてきたという形なのだろう。そしてそのまま魔王と呼ばれるようになった、と。さらに話が進むと元はといえば魔物と人の間の子らしいのでかなりの実力者らしい。まぁ、圧政ではなくて普通ののんびりとした魔王らしいけど。


「でも幽閉されていたって事は昔の人達が強かったのですか?」


花多美ちゃんがそう聞くと、ナトさんはとても困った顔をしていた。その表情からすると昔の人を黙らせるためにわさと捕まったという形なのか?と思っていると……。


「いや、俺がジーブルフリーデに来た時の戦士達は強かったし幽閉のための結界も完璧だったんだが、ヨウラク………先代が軽々しく力で解いたのを思うとかなり微妙なんだよ。」


それで微妙な顔をしていたのかと思った。まぁ、それでいいのだろう。それだけ先代団長がすごかったって事なんだから。うん、昔の人は頑張ったんだよ。入れられた本人が凄いって言ってるから。でも、それを力ずくでしかも軽々と破ったら駄目なんだよ。それがよく分かりました。


「まぁ、俺は当時貿易をしようとして訪れたんだがその時に丁度別の魔王ごそこら中を襲っていたから俺も誤解された訳だ。もし何もなかったれ俺は山の方でゆるく魔王をやっていたんだよ。農作物を持って行って代わりに鰻や鮭なんかの魚類をもらうって事だったんだがな……。」

「ここは鰻が毎年30ギトンは取れるからね…。そのかわり高山野菜は手に入れにくいから助かるかなと思うんだけど、誤解されてたからね……。幸いナトの配下達も取り返すための戦争は起こさないのは良かったけど。」

「きゅー。」『確か今では新しいリーダーがナトさんの代わりに貿易してるんだよね?』

「そうなるな。まぁ、毎年合わせて20トンの魚が手に入るなら安いもんだからな。それにリーダーは俺には向いてなかったから有り難いと思っているが。」

「確かに、団長より年期があるのに副団長のままっていうのも疑問だったんですけど、納得できました。」

「お前今同い年だから自分にも団長向いてるかもって思っただろ?アンシュルテにはナトさん以上に向いていない。」

「とゆーかサーティさん、そろそろおろしてください。足がガクガクです。」



そしてココちゃんとナトさん、サーティさんとアンシュルテちゃんの雑談がかなりの確率でエスカレートになりそうな雰囲気が出てきていたのでギトンという重さの単位について聞いておく。まぁ、これも脱線しかねないのだけど。


「ギトンはお前達の世界でも同じトンという単位の重さの千倍だ。ここではミリグラム、グラム、キロ、トン、ギトンというのが単位の並びだ。リーブルッシュ川という大きい川に大量にいる鰻は穫る量の倍は優にいる。貿易にはもってこいの魚なんだ。ちなみに俺の古巣の山で最も多く穫れるのが葱だな。これも何十トンで穫れる。」

「そうなんですか…………。」


少しだけ、ほんの少しだけ涎が僕の口から出ていた。僕はそれを慌てないように、自然な感じで拭き取った。ここに教師がいたら間違いなくはしたないとか言われそうだがそんな事は気にしない。かなり不自然に女の子らしくするよりは自然なわんぱくな子でいる方が楽なのだから。


「ちなみに、値段はいくらぐらいなんですか?食べに行きたいんですけど。」

「おっ、お前の世界にも鰻がいたのか。俺も好物なんだよ。良い店知ってるから今夜行こうか。まぁ、どの店でも基本的に大銅貨一枚で蒲焼き一枚分は食えるからな。」

「それって、安くないですか?」

「鰻は腐るほど穫れちまうからな。使い切るためには安くなる。まぁ、好き嫌いが多くて中々好んで食べる奴は意外と少ないから家畜の餌やエンチャントの素材にされることもしばしばだ。あれには水の属性関連が大量につくエンチャントが着くからな。」


ニグルさんが嬉々とした表情で僕を見る。僕は当然頷いた。鰻は好物なのだけど中々食べられないので食べられる時にはかなり味わって食べていたと思う。当時小食だったシロから手つかずで残されていた蒲焼きを貰うほどだ。


でも、鰻が料理にされないないのは勿体ないなぁと思ってしまうのは、僕達の世界では鰻は高級な……というよりは高い魚だったからだろう。今でこそ鯨も珍しい肉だが昭和になると今度は多く穫れすぎて飽きるほど給食で出て来るほどだったという事例と似たようなことだ。


「ちなみに、タレとか焼き方はどうなっているんですか?」

「普通なら蒸すように焼くんだが、俺のお気に入りの店ではパリパリに焼くんだよ。タレはまぁ、企業秘密らしいが……多分お前等の世界のと変わらない味だろうよ。」

「なんか予想がつくよ………。多分樹液が同じ味なんだと思うよ?出雲っち。」

「まぁ、そうなのかもな。あの店は生け簀の近くにでっかいギユンの木が店を貫くように生えているからな。多分客を入れないところにある幹からタレを取っているんだろうぜ。」


それにしても、食べられるのはどうやら関西風の蒲焼きらしい。関東風は食べ飽きているというか、土用の丑の日にコンビニやスーパーで買っていたのは出来てからかなり経っている外国産の鰻関連がそれだった。それに、土用の丑の日にロケで入ったところも関東風だったと思う。今度は関西風の所のロケでしかも鰻重だけでなくひつまぶしも食べられたはずだったんだ。国産の関西風の鰻………。ここの鰻がどれくらいの味なのかは分からないけども、涎が垂れてくる。…………………………まぁ、この後僕は鰻に関してかなり厳しい道のりを自らの意志で動かなくてはいけない事になることを僕はまだ知らなかった。


………ちなみに、僕はアイドル時は男だったためにロケの間にどれだけ鰻を食べても太るなんて事は気にしなくてよかった。テレビの前でも沢山食べていても男だからとごまかせるのだから。………まぁ、ウエストだけはかなり注意していたけどね。

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