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聖者達part 嵐のようなメンバー達 人外の人達編-2

ココちゃんがサーティさんに抗議しているために、とりあえずクトゥールさんに通訳してもらうことにしていた。


「きゅ~。」『だって初めて会った時のクトゥール、物凄く困っていたんだもん!女の子なのに化粧バリバリの女の人に言い寄られてて!』

「ま、まぁ確かに困ってたよ………。サキュバスに言い寄られていたから……。俺は女なのにな……。それに、旅の路銀ぐらいしか持ってないから余計に腹立つし……。サキュバスは風俗関連の仕事ばっかで基本的に自分達が金を払う文化も少ない。インキュバスもそんなのはいるけどきちんと働く奴もいるけどな。」

「でも、結局はヒモみたいになるとかって事じゃなかったけ?」


素朴な疑問を言うと、クトゥールさんはすぐにその疑問に答えてくれる。まぁ、クトゥールさんのようなインキュバスを見ているとサキュバスよりは誠実な性格の奴が多いのだろうかと思うのだった。


「基本的にインキュバスは女のサキュバスと違って身を売る行為で金を稼ぐなんてできないし、働く女性と出会うためにそのような職場に入るために努力するんだよ。まぁ俺は多分生涯独身を貫くけどな。」

「でも、女の人には今は声かけられるとかそんなインキュバス特有の魅了は振りまいていないんですね……。僕も女なのにまるで何も感じないし。」

「え?お前も女なのか!?てっきり男だとばかり………スカート履く変態なのかとばかり………。」

「………まぁ、僕もよく間違えられますけど………」


むしろ、クトゥールさんよりも重症だったかもしれない。目測では僕よりも豊かな胸をクトゥールさんは持っている。とは言ってもほんの数センチしか変わんないのだけど。


「きゅ~。」『でも、女の人に声をかけられなくなるまで魅了の力を封印するのには苦労したの。あの時は私が未熟だったし、クトゥールに警戒されていたし。』

「確かに、ココを拾ってきた時のクトゥールは大分やつれていたな。」

「だってあの時は女性に軽い恐怖症があったんだよ。それにこの魔窟に連れて行くのもなんだかな……って思ったんだよ。だってあの時は新メンバーが入っては逃げていって、また入っては俺が蹴り飛ばして………。」

「確かに、あの時は女性はクトゥールを見てからしつこくアタックしていて士気も下がったから除名した。男の方はまぁ、ここの異常さ……特にヒルージュに怯えて逃げ去ったのが多いからね……。」

「ち、ちなみに私は団長一筋ですから魅惑の効果を受けず、ヒルージュさんは魅惑などは全て快楽の方でしたいからと無効、アンシュルテはヒルージュさんの調教とかで何も無し。で、団長はそもそも魅惑の殆どが効きませんから、クトゥールにとってはここが一番良いところだったんですよ。」


どうやら当時のクトゥールさんはかなり女性を警戒していたらしいです。しかしこのテンペストの団員達は別の意味で警戒すべき要素が多かったらしいです。うん、軽はずみで入っていたら僕達も逃げ出していたもんね……。いや、かなり軽く入っているんだけど。


「きゅー。」『でも、魅惑の力を封印してあげたらクトゥールも喜んでくれたもんね。これで変な女性には目を付けられないからって。』

「うん、それについては感謝してるよ、ココ。まぁ、ココの大人モードは軽く俺の胸を越えているところは腹立つけどな。俺はインキュバスだからか胸が一向に成長しないし。」

「そういえば封印って言っていますけど、ココちゃんの職業と、クトゥールさんに会うまでの経歴ってどうなっているんですか?」


僕が素直な質問をすると、ココちゃんはきゅーきゅーと言っているけども僕達には分からない。しかし、それを解決してくれる人がいた。


「ココの職業は巫女。この職業は相手の力を封印しながら戦闘する職業だ。どの神に仕えるかで封印できるスキルが変更できるが、基本的には相手の属性魔法や状態異常系の攻撃だな。クトゥールには魅惑の封印術が使われている。」


とりあえず名前は分かっているけど、とりあえず名前は聞いておく。サーティさんなどが既に名前を言っているしもうメンバー枠が一人分しか残っていないし。絶対に元魔王だよ。この人は。


「自己紹介が遅れたが、俺の本名はナトシュベイス・アルマント・アダンマイト・ルシフ・ベルバルスだ。まぁ、ナトでいい。この名前はなんでか父と母が自分達の考えた名前の他にそれぞれの両親がくれた名前を繋げているんだよ。」

「きゅー」『ふつーに○○何世でいいと思うけどね……。』

「まぁ誰も本名で呼ばないから自由に呼んでくれ。あぁ、それにしても忘れていたがココの旅筋だが……。」


話されてみるとそこまで深い事情は無かった。ただ外の世界を見たいと言ってそのまま旅に出たらしい。そして、効率は悪いが医者にもなれるし、戦闘もできるココの職業はかなり優遇されていると思う。路銀を稼ぐのもなんとかできてのだろう。それに、相手の戦法に合わせて封印できるのはかなりのアドバンテージになっている。ココちゃんは見た目よりも強いのだろう。


「そういえば、ナトさんって職業は何なんですか?」

「魔王のままにしている。」

「でも、幽閉されていたって聞いているんですけど………。」


それをいうとナトさんは呆れて、頭を掻きながら話を始めた。それは、ナトさんが魔王となり幽閉され、そして初代テンペスト団長、ヨウラク・アルザールと出会った時の話だった。

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