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聖者達part 嵐のようなメンバー達 人外の人達編-1

「クトゥール……君はまた男扱いされているよねぇ……。ぷくく………あっはっは!!」


ガンさんが笑っていると、クトゥールと呼ばれた少年……角の生えていない子が僕とガンさんの方を睨んできた。なんだなんだと思いながら僕はクトゥールさんの方を向いた。


「団長……………俺は女だということをいい加減周りに認知させてくださいよ……。俺はもう男扱いは嫌なんですよ。」

「でも、インキュバスだから女の子にモテるし見た目も男なんだしもう開き直ったらいいじゃないか。百合書のような恋をすればいいんじゃない?」

「やるなら団長がやってください。俺は一切やりませんから。相手もいませんから普通に男の人がいいです。まぁ、誰でも良いと言うほど飢えてはいませんが。」

「……………………。団長にも百合書のような感情があれば私にも……。」


多分百合書というのはこちらで言う女の子同士の恋愛というのがメインになっている同人誌の事なのだろう。にしても、クトゥールさんはぱっと見だと男の人にしか見えなかったがよくよく観察すると女性らしい、いい匂いがしたりするのも確認できる。しかし、インキュバスって確かサキュバスの男性版だったような気が………。それも、女性のって……。まぁ、ファンタジーな感じだし例外もあるのだろう。


「あぁ、自己紹介が遅れたな。俺はクトゥール。一応インキュバスの血を引いていてその関係で男とよく見間違えられるが、俺は正真正銘女だ!!そこは理解していてくれ。ちなみに職業は魔銃士。相方は◎8の暗黒星ベガだな。これは祖父の形見でもある。戦うという意志は兄妹の中で俺しか持っていなかったからな。」

「…というと?」

「兄貴達は普通に男でインキュバスだからヒモになって暮らしているよ。だから俺は旅に出て祖父が副団長をしていたこの国に戻ってきたわけ。ちなみに、シェイヌケーテの副団長な。テンペストの副団長はナトさんで固定だからなぁ…。後祖父は母方のだからインキュバスだったわけじゃない。父方の祖父がインキュバスだったわけだ。」


ちなみにベガにはスキルとして女性魅了増加があるらしい。まぁ、お爺さんももてたかったんだよねと思ってしまう。しかし、それでも使うということはこの武器にかなり強い思い入れがあるんだろう。無ければ女性魅了増加のスキルのついつた武器をクトゥールさんが使うとは思えないからだ。


そう言ってからしばらくすると、サーティさんがクトゥールさんにカップに入ったチャコベンを渡していた。それを美味しそうな表情で飲むクトゥールさんを見て、やっぱりこの人は女性なんだと思った。とても幸せそうなのだ。


「でも、クトゥールさんって何歳なんですか?」

「まぁ、今年で18かな。正直インキュバスは幼年期が短いだけで寿命は人間と同じなんだよなぁ………。サキュバスの方はかなり長生きするから年齢聞かれてよく意外だと言われるんだよな……。」

「これにはサキュバスは生気を吸う側である方に対してインキュバスは吸うことは殆ど出来ません。接吻も本当に好きな人間としかしないほど一途な性格をしていますからね。」

「普通ならそういうのって見た目に反して年齢が異様に高いとかのはずですけど………。」

「俺はインキュバスとはいってもクォーターだからな。普通の人間にも言葉は通じるからいいんだけどな………。ハーフだと通じないことになるからな……。」

「?どういう事ですか?」

「ココの事を見れば大体分かる。ココはまだ八歳だし、純粋な魔族だからなぁ………………。」


ココというのは多分九尾の子だと思う。そう思っていると、ココちゃんが兎子に話しかけていた。正直言って兎子はシロと同一人物なんだと思えない程、じゃれあうような姿は自然だった。でも、ココちゃんの声は、かなり特殊な物だった。


「きゅー。」『こうすれば、お揃い?。』

「ん、そうだね。」

「きゅー。」『あっ、クトゥール。今日からこの子友達なの!え~っと………名前は……』

「兎子。でも、姿と人格が変わって神兎や神子になる時もある。」

「きゅ?」『どういう事?』

「………そんなスキルというか障呪持ちだから。」

「きゅ~。」『まぁ私も別の姿になるからお互い様だね。』


兎子は意志疎通出来ているみたいだけど、僕達はココちゃんが「きゅー」と言っているようにしか聞こえない。多分、これがクトゥールさんが言っていた事を表しているのだろう。兎子が聞き取れているのは何かしらのスキルが働いているのだろう。


「まぁ、俺とその子とナトさん以外には基本的に「きゅー」とか「きゅ~」、「きゅっ!」と「きゅ?」ぐらいにしか聞こえないだろうから通訳できる人間がいないときは表情でどうにか読みとってくれ。」

「ま、まぁ聞いていると大体は分かりそうですけど……。」

「あ、後魔族の~シリーズを装備すれば通訳無しで聞こえるようになる。かなりレア度は高いけどな。」


そう言いながらクトゥールさんはココちゃんを撫でていた。ココちゃんはきゅ~とはにかんでいたのを見て、僕の方にも母性みたいな感情が湧き出てくるように感じる。いや、さすがにそこまでではないにしても、可愛い。


「まぁ、ココがテンペストに入った理由は、クトゥールがクエスタの帰りで拾ったらしいんだがな。」

「きゅ~。」『犬猫じゃないよ私。狐だよ!!』

「まぁどちらにしても拾われてから懐いたのには変わりないだろ………?俺も似たような形で女房と結婚しているからな。」

「きゅっ!」『違うよ!!私はクトゥールの事を助けたかったの!!』


………なにやら一波乱ほどの騒動が起きそうになっていた。まぁ、聞き取れはしないけども、和むのでそのまま観察する事にする。………でもクトゥールさんの通訳には違和感がおる。だってきゅーという一言だけに情報が入りすぎているのだから。まぁ、気にしないけど。

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