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聖者達part 嵐のようなメンバー達 常時半裸の龍喰者編-7

ページをめくると、そこには『オプアティウスのヴェグネーベン討伐戦』と『オルコデゴビオへの制裁』だった。ルカナさんとジルフェさん曰く、この戦争はかなり大規模な戦争だったという。そして、操られていたとはいえ竜自らが国を理由無く攻撃し、そのための討伐戦として初めて行われた戦争だったらしい。そして、アンシュルテちゃん曰くこの戦争は童話のような物語集にラブストーリーとして入れられているともなっているらしい。まぁ、テポーデとルルベンタークの恋は確かに童話に向いているかもしれないけどさ、テポーデ…………当時バツ2で子供が三人だよ?僕としては子供向けの童話というよりも、昼ドラやゴールデンタイムの大人の恋愛向けの話だと思うんだけど………。


「因みに、童話の中ではテポーデは幼い竜という設定で書かれていて………………真実を知ったときには私は発狂しかけましたよ。」

「子供は神話や英雄談に関してはやや無関心な事が多いからな。よくよく調べる事もしないで童話の中の事を信じ切るからな。」

「…………まぁ、似たような事は多いですからね……。僕達の世界でもね………。」


もしかしたらかなりの数のデフォルメされた童話が多くの人達の落胆による何かを起こすのでは無いのだろうか?と思ってしまう。よく戦国物でイケメン化されている伊達正宗やら織田信長、源義経などの他、グリム童話も似たような物かもしれない。現実って真実はそれなりに重いんだよね………なぜかは分からないけど。とりあえず、僕はページを覗いてみることにする。


◎オプアティウスのヴェグネーベン討伐戦


・メンシューラによって保管されていたヴェグネーベンの死体をオルコデゴビオがメンシューラの部下アケロを騙し、死体の保管場所の封印を解かせ、そこから死体を操り、パトラ王国を襲わせたのが始まり。


・ヴェグネーベンの死体がパトラ王国に侵入し、パトラ王国王都西門エリアが破壊され、速急に国民の避難が完了した後にパトラ王国の騎士団団長オプアティウスとその軍隊による市街戦が始まった。腐敗が進んだヴェグネーベンの死体はダメージを与えようと倒れることはなく、最終的にパトラ王国が壊滅的な被害を受けた後、オルコデゴビオが飽きたために撃退という形となってこの戦は終了した。ヴェグネーベンはブレスを行わなかった物の、その爪と尾により最終的にパトラ王国への被害は死者約六万人に約十二万棟の家屋が破壊されている。


◎オルコデゴビオへの制裁


・当時のパトラ王国の王子、クレス・パトラは竜の国へと向かい、なぜパトラ王国を襲ったのかという事を伝えるためにラオベンミルクとテポーデに向かって言い、その後パトラ王国の占い師カーダサントがオルコデゴビオの仕業という証拠を後に持って来たために、打倒オルコデゴビオという目的で動くこととなった事が始まり。


・オルコデゴビオの住処であったレスペエスティアム王墳墓跡へと攻め込むためにクレス・パトラは神官騎士などを揃えて向かっていたが、竜達の怒る様子から一部の兵は逃げ出していたが、ルルベンタークなどの神官騎士は竜に乗り供に進軍した人間も存在する。現在ではこれらを恋愛童話、英雄伝、薔薇書などで創作される事も多い。ルルベンタークとテポーデ、アウガンシャスとホルツなどが有名所。


・オルコデゴビオも王の墓を守りし兵の墓から呼び覚ましたアンデッド兵により抵抗したが圧倒的な火力に負け、レスペエスティアム王墳墓跡と供に燃やし尽くされてしまった。しかし、最後の罠として落盤するという仕掛けを発動するも、竜の王ラオベンミルクとクレス・パトラの活躍により生き埋めにすることすら叶わずに悪魔の姿に戻った。しかし、自ら張った罠にかかり、黒猫の姿になってしまう。その後は賢者の猫として有意義な生涯を貫こうとするが、すぐにクレス・パトラに看破されて拷問の末に死亡し、この戦も終了した。



「あれ?次のページにはタナシウシア関連の事は無いんですね。というか、『フォーアルタルのテポーデ討伐戦』しか無いですししかもちょこっとしかないですし。」

「まぁ、『ナーガンジュの狂気の儀』で有耶無耶になっていますし、タナシウシア関連は資料自体が残っていない完全な私闘でしたから。」

「じゃあナーガンジュ関連の疑問なんですけど、ヤルバントスⅤ世って名前残っているはずなのになんで名前が残っていないということになっているんですか?」


その疑問には実にあっさりとした解答が帰ってきた。


「いや、そのヤルバントスⅤ世というのは彼女の仮名です。その王族は○○何世とかという形式的な名前と普通の名前を持つ物なんです簡単に言えば○○何世○○、の形ですね。その下の名前が失われたために、彼女は形式的な立場を示す名しか残っていないんですよ。」

「だから名前が残っていないという事だったんですか………。」

「まぁ、さらに昔にのると最早何の資料も残っていない歴史人や神もいますしね………。」

「……………それに、記録をわざと残さない、なんて事も存在するがな。」


ニグルさんは小さくつぶやく声が聞こえたのだけど僕はそれがどんな意味を持っているのかを理解することはできなかった。しかし、いつかは知ることになるのだろうと思うのだ。


「そういえば、ニグルさんはどうしてテンペストに入ったんですっけ?」

「あぁ………それは……。確かスカウトだったな。この近辺を旅していた時に、ナトに出会ってから仲間にならないか?と誘われた。それからだな、このテンペストに入ったのは。」

「おっ、そう言っている内にその本人が来たみたいだね。他の二人も。」


ガンさんがそう言うと、扉の方に三人ほどの人がいた。多分というかもうテンペストのメンバーであることは確定だと重う。しかし、僕はこの時に、テンペストのメンバーの男女比を比べても、なぜかガンさんが言っていた人数よりも男性が一人多く、女性が一人少ないという計算になっていた。


「…………………クロが言える事じゃないと思う。」


しばらく声すらも聞こえなかった兎子の言葉を僕はどう受け止めればいいのだろうか?と思いながら残りの三人をみる。しかし、男女比が間違っているような気がしないでもないと思っていると、僕はこう呟いていた。


「あれ?もう一人女性がいたんじゃなかったんですか?」

 

見えるのは、ライダージャケットのようなイメージも持てるパーカーを着て、ショートカットの黒髪にいかにも魔王と呼べるような捻れた角を生やしている男性と、ボタンのついていないようなすっきりした白ランと白いズボンで首まで伸ばした灰色の髪で顔の右側を隠している少年と、巫女服のような袴を着て、腰からは九本の少し太い黄色の狐の尻尾と、尻尾の色と同じ腰まで伸びた髪に狐の耳が着いた小学校低学年くらいで、アンシュルテちゃんよりも小さい子しかいない。


すぐ横を見ると、ガンさんが僕の様子を見て、口を押さえながら軽く笑っているのが見えたのだった。


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