聖者達part 嵐のようなメンバー達 常時半裸の龍喰者編-3
さて、次のページにはラオベンタークⅡ世が死ぬ原因になった戦である、デウダランダのラオベンタークⅡ世討伐戦のページだ。まぁ、討伐はされていますけどね、ラオベンタークⅡ世は。
◎デウダランダのラオベンタークⅡ世討伐戦
・新たな竜の王であるラオベンタークⅡ世に驚異を感じた国、ワッハルバッハ王国の将軍デウダランダが独断で出兵したのが戦の始まり。
・途中まではデウダランダ軍は劣勢だったものの、ラオベンタークⅡ世の妻、ガベラを毒聖水の罠によって弱らせ人質に取ることに成功した。その後デウダランダの策によりラオベンタークⅡ世を無抵抗のまま拷問のような攻撃で弱らせる事に成功した。しかし、ガベラを人質にとっていた兵達をラオベンミルクが一掃し、その後デウダランダはデウダランダを殺害。しかしその後母親の恨みからラオベンミルクを攻撃するが、ガベラに止められて事なきを得た。しかし、その直後にデウダランダの部下だったプシュータの奇襲によりガベラの首が切り落とされ、ガベラが死んだ後にラオベンタークⅡ世は最後の力を振り絞りプシュータを殺害した。
・この戦はデウダランダ軍が全滅したという事で事実上の終戦となった。デウダランダが独断で行った討伐戦のためにワッハルバッハ王国の国王はデウダランダの家を軍の上層部から外す事で処分した。
・また、この戦の後、竜の王の地位はラオベンミルクに譲渡した後にラオベンミルクⅡ世もラオベンミルクに命じた後にラオベンミルクの炎と供に、ガベラの首を持ち、背中にガベラの死体を抱えながら灰となった。
これを見ていると、憔悴しきった顔のガンさんがこちらを覗いていた。他の人達が見ているはずの映像の場所を見ると、塔子ちゃんは気絶しかけているぐらい青い顔をしていて、逆にヒルージュさんは嬉々とした表情をしていて、兎子は疲れたのか寝ている。花多美ちゃんとアンシュルテちゃんは目のハイライトが消えかけているし、ジルフェさんは苦笑いをしていた。
「どうしたんだ?団長。お前がそこまで消耗するなんてどれだけ精神に来ることだったんだ?」
「いやぁ~、本当に不幸な奴はいたんだなぁって思ってさ。一応転職はさせてあげられたけどボーナスのアイテムだけはどうにもならないし………。」
「いや、本当に何があったんですか。」
「……………。まぁ、それはそれとして、明日模擬戦やるから。転生者チーム対テンペストで。どの騎士団にも入らない子達に一応ある物を捨てて欲しいから。あれがあると命の危険があるんだよ。」
はぐらかされて結局原因は分からなかったのだけど、僕達転生者の一人がとてつもないほど変な転生ボーナスをもらったらしい。それを引き取るとは言ったものの、どう処分するかで大分精神力を使ったそうだ。確かに途中で片言が聞こえた気がする。
「それにしても、君達はこれを読んでいたって事になるのかぁ……………。ジルフェはこの中のどの人物に詳しいんだっけ?」
ガンさんがそう言うとジルフェさんが『デウダランダのラオベンタークⅡ世討伐戦』のページを見て呟いた後、ここに書かれていない人物の方の説明をしてくれた。
「この戦では英雄と呼ばれていた人物はデウダランダでは無くてあくまで部下のプシュータですね。プシュータは確かにこの戦で亡くなってはいますけどそれでもそれまでの戦績は良い人です。しかし、なぜ将軍では無いかというと単独行動と個人での奇襲を好んでいますから。それに、元々適性が無いんですよ。」
「ただ強ければ勝手に部下が着いてくるなんていうのは余程カリスマが無いといけないからね………。プシュータはそれを容認していたけどね。」
「…………だから、ラオベンミルクがデウダランダ軍を殲滅した筈なのに生き残っていたんですね…………。」
疑問に思っていたことが解決した。プシュータがなぜガベラの首を切り落とせたのかがずっと気になっていたのだ。まぁ本当はデウダランダよりも強かったのだろう。プシュータという男は。
「まぁ、デウダランダもある意味では有名ですね。薄力の将軍とも呼ばれていますから、剣持たぬ将軍としては有名ですね。」
「それってデウダランダに何かあったんですか?薄力って事は彼自身はそこまで強くないって事なんですよね?」
塔子ちゃんがなんとか復活してからジルフェさんに質問していた。まぁ、『ラオベンミルクの家系』の中でもラオベンタークⅡ世に行われたのは拷問のような攻撃という表記なことに関係しているのだろうか?というか、まず塔子ちゃんはサーティさんの入れてくれた紅茶を飲んでその青い顔をどうにかしてもらいたいという僕の勝手な意見もあったのだけど。
「まぁ、力比べでは負けるかもしれません。でも、将軍としてはそれなりに優秀でしたけどね。書いてあるように罠などの設置は彼の才能は高く、戦の殆どを罠によって勝ち抜いてきました。」
「じゃあ武器はどうだったんですか?」
「デウダランダは元々薄力の障呪を患っていたために剣や弓矢を扱うことができなかったと言われており、代わりに使っていたのは長い鞭だったわけです。彼はその鞭で敵兵の首をとばすほどの実力はあったのですが、竜には効かなかったので拷問のようになったわけですね。」
…………つまり、一撃で殺せないからひたすら鞭で攻撃していたのがまるで拷問のように書かれていたわけですね、はい。
「ちなみに鞭を使う歴史上の人物ではそこまで強くないですけどね。五本の指にも入りませんけどね。」
………………デウダランダさん、滅茶苦茶報われない。そう思った。