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聖者達part 嵐のようなメンバー達 戦闘演習のサボリ魔編-9

「そういえば今竜の王の話になっていたんですよぉ~。」

「あぁ、そうなのか………まぁ、喰ったことが無い奴らばかりだからあんまり詳しくないけどな。」

「いや、喰ったことが無いからって知識はあると思うんですけど…………。」

「いや、俺は活字に弱いからな。どうやっても本は読めない。それに学校にすら通っていないからな。」


ニグルさんはそう言いながら漢方茶を飲んでいた。それにつられて僕もシエラを飲む。ちなみにサーティさんは演習場の映像に見入っている他の人達にもいれた紅茶を配っていた。


「そういえば、パングラッセについての事がまだ終わっていませんでしたね。」

「あぁ、どうせお前がパングラッセの微笑みとかの誇張をしたんだろ?それでコイツがそれについて気になったからと教えていたらパングラッセの夫のラオベンミルクの事の話になっていたんだな。」

「そうですね。それが始まるまでは毎日デートの事を一日毎に長々と話されましたからね…………。」

「すまんな、お詫びに今度ティーカップとか見繕うの手伝ってやる。それに煙使えばお前戦闘の練習相手も作れるしな。」


サーティさんがそう言ってから、ルカナさんがパングラッセの話の続きを始めた。話してもらえるのが大分遅くなっていた気もするけど気にしない。 


「パングラッセを討伐しようとしたファフニールは多数の死者を出しながらもパングラッセをラオベンミルクの目の前で殺すことに成功します。しかし、その直後にラオベンミルクの目を覚まさせたと確信していたファフニールはその瞬間にラオベンミルクの牙により爆死しました。その後ラオベンミルクは死んでしまった事で一本の大きな桜の木の姿になってしまったパングラッセの木を守るように、老いて死ぬまでずっとそこで桜の木を守っていたといいます。」

「って、お前はもうちょい簡潔に話せないのか?」

「じゃあベネズギートの説明をしてみてくださいよ。サーティも長くなると思いますよ?」


ルカナさんがそう言うと、サーティさんはやれやれとした雰囲気のままベネズギートについて話し始めた。


「ベネズギートは国の男の兵士を色香で誘惑して何万人も殺していた一種の災厄だったが、英雄フラウディッヒにより討伐された。はい終わり。フラウディッヒについてはジルフェにどの本に載っているか聞けばいいからな。」

「この拠点であるアルザール城には大きい書庫も存在するしな。」


早っ。説明終わるの早っ。と思ってしまう。まぁそれだけ簡潔に説明する方が良いのかもしれない。後ニグルさんが言うように、テンペストの拠点てあるアルザール城は元は一国の城。書庫の他にも様々な施設があるらしいです。


「そういえば気になったんですけどサーティさんとセシナさんの馴れ初めってどんな感じだったんですか?」

「あれ?僕とローネの馴れ初めについてはもういいんですか?」

「プロポーズの所まで聞いたのでもう十分です。子供の事についてはまた今度にしてください。僕一人で聞くのはもうウンザリするほどの甘々な話でしたから。」


なんとけシュミレーション通りにルカナさんの馴れ初め話をストップさせてからサーティさんの馴れ初め話について聞くことになったのだった。…………ルカナさんは不満そうだったけど。


「セシナと会ったのはセシナが襲ってきたんだろう盗賊の輩を惨殺していた時だったな。でも俺はその時に喉が渇いていたから紅茶をティーカップに入れて飲もうとしたんだよ。そしたらセシナが食いつく食いつくって事で当時SWに入れて持ち歩いていたもう一つのティーカップに入れて飲ませてやったんだよ。それで懐かれそのまま家に持ち帰りになって妹のように接していたらセシナからアプローチがあってそのまま夫婦になっていた。ちなみにプロポーズはセシナの方からたった。」

「確かもう一つのティーカップというのはお前が愛用していた『双龍のティーカップ・阿月あづき』の片割れ、『双龍のティーカップ・陽吽よううん』だっただろう?それで茶に誘ったならばお前はその時にお前の女房にプロポーズしたことになるがな。」

「意図せずにペアカップを……………罪な人ですね、サーティ。これまでに何人の女性を勘違いさせてきたのか………。」

「ルカナは少し黙ってろ。」


今回の馴れ初めは短かったのとセシナさんへの印象が少し怖いようになってしまっているのとで頭がこんがらがってしまう。とりあえず話題を変えるために僕はニグルさんに奥さんはいるのかを聞いてみた。


「あぁ、俺には妻という奴はいないな。お前達には若く見えたとしても420年は生きているから普通の人間には恋できないからな………。テンペストの残りの男で元魔王のナトも独身だがな。まぁ、俺と同じ理由で断っているだけなんだが。」


そういうニグルさんの目は悲しそうな目をしていた。にしてもいつまであのモニターに見入っているんだろうと思いながら僕は『ラオベンミルクの家系』の最後、戦争関連のページをめくった。


「まぁここから先は詳しそうなニグルに説明して貰おうかなぁ。」

「いや、俺も詳しくないぞ。まぁ、跡地には訪れた事がある所もありそうだからいいが…………。ちなみにパングラッセだったという桜の木は未だに残っていたぞ。多分今頃も満開だ。まぁ、一般人はラオベンミルクの残している威圧感で近くまで行けないんだがな。」


後から聞くとその桜の枝は賞金首みたいになっているらしいが、誰もパングラッセの桜の木に触れる事すら出来ていないらしい。また、飛道具も全く使えない。それほどラオベンミルクへパングラッセを愛しているだろうと思いながら戦争のページを覗くのだった。

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