聖者達part 嵐のようなメンバー達 戦闘演習のサボリ魔編-7
とりあえずページをめくってみると、双子の姉の方が書かれていた。ラオベンタークやラオベンタークⅡ世とは違い、そこまで強くは見えない。しかし、それでもラオベンタークの娘であるという覇気はあった。とりあえず資料を読んでみるとこなり複雑な事情があるようだった。
☆長女 ヴェグネーベン
・ラオベンタークとヘルゲスティールの間に産まれた双子の姉。生涯の中では結婚していないがボルケノ山の神スプロノとの子、スプロノ・ヴェグネーベンⅡ世がいる。
・産まれたときからラオベンタークⅡ世などの他の兄弟と比べても力が弱かったため、かなりの負い目を感じていた。しかし後に産まれるラオベンミルクやラオベンパルクの育て親と呼ばれるような存在でもあった。しかし『ボルケノ山奪還戦』の最中にボルケノ山の神スプロノに捕らえられた後、陵辱された。その時に後の娘であるスプロノ・ヴェグネーベンⅡ世を宿した。その後、スプロノ・ヴェグネーベンⅡ世と供に竜の里を離れた。その後にスプロノ・ヴェグネーベンⅡ世の戦士ホルツベーテンとの恋を叶えるために万人の神メンシューラに魂を捧げてスプロノ・ヴェグネーベンⅡ世を神竜人としての姿にした。その後魂の抜かれたヴェグネーベンは、ホルツベーテンと結婚したスプロノ・ヴェグネーベンⅡ世の住む都市を襲うようにと、万人の神メンシューラからヴェグネーベンの体を奪った悪魔オルコデゴビオにより命令され『オプアティウスのヴェグネーベン討伐戦』が開始された。しかしこの討伐戦ではヴェグネーベンの撃退のみしかできず、ヴェグネーベンの体は竜の里へと向かわされた。その後のヴェグネーベンの体は腐敗しており、竜の王となっていたラオベンミルクにより焼かれた。それと同時期に混乱を巻き起こしたとして『オルコデゴビオへの制裁』という戦争が行われた。
・鱗の色は濃い緑。
「ルカナさん、これ箇条書きにするならもう少し空けた方が良かったと思うんですけど………。」
「いえ、とにかく分かったことをそのままドバドバと書いていたので……。それに、これでもかなり簡単に書いていますから諦めて見てください。」
「後、この中に出てくる戦争の事は………?」
「それは最後に簡単なデータをまとめていますから読み流しても構いませんよ。」
………中々腑に落ちないが仕方のない。パングラッセの話とベネズギーテの話が終われば惚気話に関してはもう聞かなくても良いという後ろ盾ができている。だって山場のプロポーズも聞いたし子供に関してはまた後日、連れてきて貰ってどうにかすればいいんだから、と思ってしまう。事実一人でこの惚気話を聞くのは苦痛だから省略出来るところは省略したいのだ。僕とシロはおまり校長の長い話とかいうやつを聞いた事は無いので体制がついていないのもあるんだけどね……。
☆次女 テポーデ
・ラオベンタークとヘルゲスティールの間に産まれた双子の妹。双子の姉とは違い夫の死の関係で三回結婚している。最初の夫とは息子が一人と娘が二人、二人目の夫には子供ができず、最後の夫とは三人の娘がいる。
・産まれた直後から父親であるラオベンタークにより婚約者が決められていた。元々は双子の姉であるヴェグネーベンの婚約者となるはずだった竜だがヴェグネーベンと力の差を見比べた結果、テポーデの方が力が強かったために変更された。その後、結婚できる年になった所で最初の夫であるパシェカシートと結婚した。結婚後すぐに長女アルミュールを出産した。それから数年後に長男アルマドゥラを出産したが、その直後にアルマドゥラと供に『黄金果実の戦い』に巻き込まれてアルマドゥラを庇い重傷を負う。その時に殺した戦の女神ハジュワーセの死体を喰っている。その影響からか次に産まれた次女ハジュワーセⅡ世には強大な力が宿った。しかし、その力の暴走により起きた『幼き神竜の暴走』と呼ばれる騒動を止めるために夫であったパシェカシートが犠牲になってしまった。数十年後、二人目の夫ガラクシュルテンと再婚した。子供ができないと何年も試してようやく子を身に宿せたが『シングラハイムのガラクシュルテン討伐戦』の時にガラクシュルテンが英雄ユヌキューシュを殺したとき、ユヌキューシュからガラクシュルテンに、自らの大事なものを壊されるという呪いをかけられたら結果、テポーデの身に宿っていた竜は死産となってしまった。その後、英雄ユヌキューシュの敵をとるためにユヌキューシュの娘スクューシュが一回『スクーシュのガラクシュルテン討伐戦』を決行するも死者五千人を出しスクューシュも左目が失明、右足は全損、左腕が半分になる重傷を負い一時撤退した。しかしその後の『スクーシュのユヌキューシュ鎮魂戦』によりガラクシュルテンが死亡してしまう。その後しばらくは竜戦に多く出撃していたが、『オルコデゴビオへの制裁』時、双子の姉の死体を道具として使ったオルコデゴビオを殺すために神官であり騎士でもあったルルベンタークという騎士を背中に乗せ供に戦う内に恋に落ちた。その後、メンシューラからオルコデゴビオにヴェグネーベンの死体を持ち去られた事への贖罪としてテポーデを竜人として姿を変えさせた。その後テポーデはルルベンタークと結婚し、双子の姉妹ルルベンタークⅡ世とテポーデⅡ世を出産。後に末の子であるフラーハントを産んだ。その後は竜人として穏やかに暮らしていたが、『フォーアルタルのラオベンミルク討伐戦』の勃発時にラオベンミルクの姉の夫としてルルベンタークが処刑され、汚れた子としてナーガンジュという神官により汚れ払いの儀と称して子供三人の指を全て潰した後に火刑によって処刑されてしまった。後にこの出来事は『ナーガンジュの狂気の儀』と呼ばれている。そしてその『ナーガンジュの狂気の儀』が原因でテポーデは竜の姿に戻り、ナーガンジュの管理する教会を全て焼き払い、その村に留まった。その後『タナシウシアのテポーデ討伐戦』により首を落とされ死亡するが、恨みのために現世に留まり、タナシウシアの体を乗っ取り『タナシウシア・テポーデの兵士大革命』を成功させた後に、『タナシウシア・テポーデの大虐殺』を起こした後、タナシウシアの体を自害させた。しかし、まだ怨念が残っており大革命時に亡命していたナーガンジュの息子であり、亡命した国の次期女王の婿候補となっていたガンジーダナンを殺害した後、次期女王だったヤルバントスⅤ世により怨念が祓われて現世から消滅した。消滅時にユヌキューシュと同種の呪いを使用し、その女王から名声が奪われ今も女王の名は分かっていない。
・鱗の色は薄い黄緑色。怨念体の時には赤が混ざった色で描写されることが多い。
………………………テポーデの竜生濃すぎないですか!?と叫んでしまいそうだった。いや、三回も結婚してるから分かるけど、最後なんて怨念となって数々の人の人生を壊しているよ!!と思ってしまう。タナシウシアなんて英雄みたいになったと思ったら大虐殺で名を汚しているし、女王様なんて名声が無くなったせいで誰の記憶にも誰かが関わっている記録意外残らなかったらしい。
「まぁ、次のラオベンパルクは短いだろうからいいとしますか。」
「そうですね。ラオベンパルクはあまり長く書いた覚えはありませんからね…………………。」
ラオベンパルクよりも下のというかアオシャルメンカとの子供にはそこまで濃い竜生が無いと思いたい。そう思った僕であった。僕はそう思いながら次のページをめくり、ラオベンパルクの項目を開いたのだった。