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聖者達part 嵐のようなメンバー達 戦闘演習のサボリ魔編-3

「とりあえず僕の払う必要の全く無い借金についての話は置いておいて馴れ初めの事について話しましょうか。」

「いや、せめて謝罪はしましょうよ。奥さんに謝罪させましょうよ。人間借金踏み倒されるのと謝罪が無いこと両方一辺にやられるのってかなりの怒りを覚えますから。」


とゆーか物品の価値だと一億近くの借金をしているのに謝罪も弁償もしないのにヘラヘラとされていたらどれだけ心の広い人でも怒鳴り声で対応したくなりますよ、きっと。


「お前等なぁ…………大体これでセシナがお前等を殺さないのはどれだけ俺がアイツに構ってやっているかって事だぞ………。俺が必死に大丈夫だって言ってやってるからだ。さすがにナトさんを泣かすわけにはいかねぇから渋々生かしてやってんだ。シェイヌケーテのままだったらお前は墓の中だろうよ。」

「…………大体一般人な感覚のローネに高級な物ばかりで固めた場所に住まわせていたサーティが悪いんじゃあないんですか?」

「………物の価値を分からない以前に安物でも高級な物でも見境なく壊す方が悪い。しかも自分の物には全く当たらないからな。」


段々と空気が険悪になっていく。ガンさんとジルフェさんは偵察の人形が演習場に到着したらしく塔子ちゃんと一緒に食い入るようにその画面を見ていた。もう、ガン見でした。

アンシュルテちゃんと花多美ちゃんはこの空気の中オロオロしていて多分喧嘩を止めてくれない。ヒルージュそんに至っては逆効果。ギスギスした空気を楽しんでいてさらに悪化させるかもしれない。そこで動いたのは意外な人物だった。


「…………二人供、喧嘩、ダメ。」

「い、いや違うからな?これはこの馬鹿なルカナに詫びるものはきちんと詫びろって言ってるだけだからな?」

「そうそう、サーティはちゃんと僕に詫びるべきだよね。六杯目を僕に飲ませて夕食の味を分からなくさせたんだから」

「………いや、詫びるべきなのはお前が自分の嫁さんがぶっ壊した物の事について壊した本人の代わりに謝罪しないことだろうが。」


……………逆効果になっているような………?と思っていると二人が臨戦体型になっている。なんといかエペルシュパードの団長とアルクレーガンの団長さん並に仲が悪いな!!ついでに今度はユンクさんみたいに止めてくれる人がいない!!


「じゃあやってやろうか…………………?お前を力ずくでも頭下げさせてやるよ、ルカナ。『煙の豪腕スモークアーム起動』。煙術…………『スモークドリル』!!」


表情を苦笑いに留めながらもこめかみに怒りの貼りついた顔でサーティさんが葉巻を吸ってその吐き出した煙を腕に盛りつけ、それを『スモークドリル』と言った瞬間に煙がサーティさんの腕を中心に激しい回転を始め、拳の先の煙がドリルのように尖っていた。


・煙の剛腕スモークアーム………自身の出した煙を腕に纏わせて鎧のようにする。ここからさらに別のスキルへと変化させられる。


・スモークドリル………煙の剛腕から連用するスキルの一つ。先端がまるでドリルのように鋭く尖る程回転させる。相手を貫くことが可能。



それを見てからルカナさんもタロットカードを取り出して首にかけたネックレスに翳した。すると、黄金の鎚がその場に現れた。ルカナさんは如何にも重そうなその鎚を軽々と持ち上げてサーティさんに向けて構えていた。


「タロットカードの皇帝の逆位置から、『横暴な黄金の鎚(Ein tyrannischer goldener Holz hammer)』。さぁ平伏せよ、サーティ!!」


・横暴な黄金の鎚………皇帝の逆位置に登録されている魔法の一つ。相手にこの魔法で攻撃を当てた後、言霊により強制的に相手を従わせる。命令の種類は『苦しめ』『平伏せ』『ぶっ飛べ』『眠れ』『埋まれ』の五種類。



サーティさんとルカナさんがお互いに出方を伺いながら、じりじりと構えていた。そして同時に飛びかかった。しかし二人とも同時に足が引っかかったのか床に頭をぶつけていた。


「って、命拾いしましたね。サーティ。僕が転ばなければ今頃僕に平伏していただろうに。」

「お前もな、ルカナ。風穴開けられなくて良かったなぁ、子供がパパ風穴~ってネタにされなくて。」

「…………………………………………」


不思議に思って二人の足下を見ると、光譜が二人の足首に引っ掛かっていた。よく見ると、兎子がヴァイオリンを出してムッとした表情をしながら黙々と弾いていた。



「……………………二人とも、喧嘩、ダメ。分かった?」

「「………すみませんでした。」」

「じゃあ、武器、しまって。」


兎子から感じる恐怖にも似た重圧からサーティさんは煙を四散させて『煙の豪腕』を解除していた。四散した煙は透明になっていくように消えていった。


また、ルカナさんの『横暴な黄金の鎚』はルカナさんが解除した後に光の粒子となって消えていった。その粒子は皇帝のタロットカードに戻るのかと思えばそのまま消えていってしまった。


「……………このままだと埒があかないのでサーティは紅茶をもう一回いれてきてください。その間に僕は馴れ初め話を終わりますから。」

「分かった。じゃあお前にはまた試作品を持ってきてやろう。ヒルージュは六杯目で良かったよな。」

「はい!!私はそれで構いません!!」

「じゃあお前は?シエラでいいのか?」

「僕はシエラでいいです。兎子はどうするの?」

「ジルグ、飲んで、見たい。」

「ジルグか…………まぁ、強がって飲むなよ?無理だったらミルク入れて飲めよ。」


こうしてサーティさんは僕達のいる部屋から一旦出て行った。少しだけ外で話し声が聞こえたけれど、その声の主もサーティさんに着いていったのかこちらの部屋に来ることは無かった。


「じゃあ、続きを話しましょうか。これは僕がローネに告白したときの事なんですけど…………。」


ルカナさんは微笑みながら話を進めるのだった。


ルカナのスキルの()内はその武器の発音という設定となっています。しかし、スキル欄には面倒なために()は省略しています。スペル的に間違っているかもしれませんが翻訳サイトでやった物を検証せずに丸写しなので目を瞑ってください。

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