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聖者達part 嵐のようなメンバー達 茶葉の研究者編-2

サーティさんが出し殻を使って床の血をどうにか綺麗にした後、ヒルージュさんが顔も拭かずに七麦茶の入ったティーカップを口に付けようとしたとき、サーティさんが慌てて止めていた。


「お~い、茶を飲む前に顔の血を拭け!!」

「いやいやサーティさん、私は顔どころか全身に穴が開いてますよ!!」


そういえば、アイアンメイデンってそんな感じの処刑具でしたね…………いや、穴だらけのままってなんか滅茶苦茶怖いんですが。せめて穴が塞がっている状態で戻ってきて欲しかったです。


「あぁ…………アイアンメイデンに入っていたから仕方ないのか………。お~い、アンシュルテ。あれをやっておいてくれ。」

「分かりました!『血吸のヒル・veryfast』!!」


アンシュルテちゃんがそう言うとアンシュルテちゃんの前に無色のヒルが出てきてヒルージュさんめがけて飛んでいく。そして、飛びついた後にアイアンメイデンの中にあった刺で空いた穴の所に吸い付き、物凄いスピードで血を吸って赤色になっていく。


・血吸いのヒル………透明で血を吸って赤くなるヒルを相手に飛びつかせる。傷口を修復しながら吸っていくが、神経性の毒による作用もあり、かなりの激痛が襲ってくる。傷口が完治すると吸うのをやめる。先に血が無くなればその場で死んでしまう。早さを選ぶことができ、早ければ早いほど痛みが強くなる。赤くなったヒルは別スキル『血液風船』用にストックされる。


「えげつないなぁ……………ヒルージュさんは喜んでいるけど。………本当に、喜んでるけど。」

「いい!!良いですよぉ!!どんどん吸っちゃってくださいぃぃぃぃぃ!!もっと!!もっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!段々血圧も下がって頭にガンガン響いてますぅ!!まだ、まだ吸って!!致死量まで持って行っちゃって良いですからぁぁぁ!!!」


というか、ヒルージュさんはドMのくせにスタイルがいいためここらで言うサービスシーン見たいになっている。実際心臓の位置の関係で胸の近くにもヒルが行っているし、本人が喘ぎ声に似た声も出すために、ヒルージュさんがもしガンさんやジルフェさんみたいにセーラー服などを普段着にしていなくて本当に良かったと思う。


「あぁ、いい!!アンシュルテ、もうfaststにしても構いませんからぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!もっと、もっとぉぉぉぉぉ!!!!!!」

「…………やれるならやってますよ!!でもそうやったら雌豚の鎧が中から外れていって全裸になるじゃないですか!!そんな無駄に良いスタイルで全裸にヒルってどんだけセクシーになる気ですか!!そんな規制のついでに新人達にトラウマ与えてどうするんですか!!」


確かにこの状態は大きなお友達で無い限り鎧の中で起こっていることにした方が都合がいいかもしれない。鎧の穴の空いている部分も人体に入っているのかただ神経毒を流すために吸って修復しているのか……。まぁ、ヒルージュさんの装備しているのは『遠当ての鎧』だから砕けやすいのだろう。


「………きもい……。」

「さっきのってヒルージュさんに言ったのかな?兎子っち?」

「うん。」

「……………………兎子っちってかなり毒舌なのかそれともかなり素直なのか………。」

「お~い、ヒルージュ~、この子にトラウマ植え付けたらもう二度と六杯目はやらん。いいな!!」

「………分かりました。でも兎子ちゃんのその目も良い!!哀れんだその顔がドM心に突き刺さりますよぉ~。」


ヒルージュさんは別の意味でも喜んでいたが、ヒルがアンシュルテちゃんの所に戻るのを見ると、治療?は終わったようだった。それにしてももしヒルージュさんの『遠当ての鎧』が外れていたら花多美ちゃんと兎子、塔子ちゃんにもトラウマが出てくるだろう。


「さて、治療も終わりましたし七麦茶の六杯目を飲みますか!!あぁ、今度はどれだけ本物に近付いているのか……。」

「味見役がいてすごく助かるからな。期待してるぞ。」

「その六杯目ってどれだけ不味いんですか?ヒルージュさんならどんな物でも飲みそうですけど。」


ヒルージュさんが嬉々として飲んでいるのを横目に聞いてみると、サーティさんは身を震わせてからこう言うのだ。それはそう、目からハイライトが完全に消えており、六杯目の不味さをより恐ろしく感じさせるのだ。


「六杯目は正直に言って口に入れた瞬間に、僅か一滴でも口に入れるだけで口の中が壊れる。臭いが無いはずなのに口の中が異臭にまみれた感覚が最初に襲ってくる………それが、十年前に最後に飲んだ本物の六杯目を飲んだときの感想だ。ちなみに本当の六杯目はそれまでを順序正しく飲まないと現れないからな。でももう二度と飲みたくない。」

「じゃあ、弱められている今ヒルージュさんの飲んでいる奴でも………そうなるんですか?」

「あぁ、正しい飲み方なら七杯目もとてつもなく美味いから頑張れるが正直七杯目知らない奴はそこで挫折する。よくて硬直、悪くて布団で三日間と呼ばれるほどだからな。」

「初めて七杯目を飲み干した人はどれだけの苦行に耐えたことになるんですかね………?」


その人は完全に偉人になっている事だろう。そう思ってもおかしくないのかもしれない。そう思っているとサーティさんは明後日の方向を見ながらこう言うのだ。


「初めて七杯目を飲んだのはどこかの王族の子供で、お仕置きのために何回も六杯目を飲まされた後に偶然七杯目を飲んだ事が七麦茶の名前の由来らしい。」


でも、名前などは記録に残っておらず、この史実自身は童話になっているものの、それには名前が書かれておらずもはや名無しの偉人とも呼べるような人らしい。


「…………この不味さ、最高です!!以前よりも五パーセントほど本物に近付いていますよ~。」

「そうか、良かった。そういえばお前達はまだ自分のカップを持っていないだろうから今度王都に行って買ってきておけよ~。金は……まぁ、銀円貨までなら出せるからな。」

「サーティはそーゆー所こだわるよねぇ。」

「当たり前だ。同じカップにしてたら違いが分からんからな。」


そう言ってこの紅茶のカップは本来は客用なのだと気が付いたのだった。まぁ、分かっていたけど、王都まで行って自分のカップを買うって…………。まぁ、ウィンドウショッピングすら僕がアイドルになってからやっていなかったのでとても楽しみになったのだった。


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