闇の巫女part アイテムボーナスと餞別-1
とりあえずboxを開いて中身を確認すると、『基本セット』『転生者ボーナス』『死後転生ボーナス』『キラクからの餞別』に分けられていた。
『基本セット』から順番に開けることにして、俺はそれを開いた。基本セットには現在装備している巫女服もリストの中にあったのだけど、別物だとすぐに分かった。装備中のマークが無かったのだ。まぁ、基本セットの中身を確認していく事にした。
・鉄の剣………◎1 聖者に送られる基本の武器。刃抜きされているため攻撃力は低いが比較的安全に訓練ができる。
・鉄の盾………◎1 聖者に送られる基本の防具。範囲は広いがその分薄い。
・皮の鎧………◎1 もはや鎧とは呼びにくい程の鎧。普段着としても使用できる。
・世界白地図………☆1 大陸の形に描かれた白地図。目印などを書き込むのに便利だが、地図としては使いにくい。
・方位磁石………☆1 大体の方位が分かるが、あまり耐久性は無いために壊れやすい。
・松明の木………☆1 先端に蝋が塗ってあり、夜に小さな灯りとなる。最大一ヶ月は蝋を塗り直すことで使うことができる。
・薬草………☆2 強く握って搾った汁を体につけるか飲むと体力が回復する。回復系アイテムの素材にもなるため凡庸性が高い。
「そういえば気になったんだけどこの◎と☆の違いって何なんだ?」
薬草だけ2なものにも理由はありそうだ。しかし…………。
「ぱっと見た感じだと装備品には◎という感じなんですけど………。」
すると、キラクはまた説明を始めてくれた。まぁ、これから何回も聞くだろうから遠慮などの感情は一切持ち合わせない事にした。ついでに言うと、まだ『基本セット』の全てを確認したわけではない。基本が基本なだけにかなり多いしかし数え切れないほどありそうで怖い。
「じゃあ説明しますと、☆はレア度が変化しない使い捨てアイテムやなどによく使われます。ちなみにレア度は15ぐらいまで確認されています。」
「じゃあ◎はレア度が変化するということか?かなりややこしくなりそうだが………。」
多分◎のアイテムは熟練度などのゲージが存在するとかというのなんだろうけど。
「◎には、レア度をある方法でアップさせることができることを示しています。それには、熟練合成と難素材合成の二種類が存在していて、熟練合成は使いまくってゲージが満タンになったところでランクアップのための合成素材を使うことでランクアップします。難素材合成は熟練ゲージなどは存在しませんが、素材が手に入りにくい物ばかりになっています。◎のアイテムを見たらそれも確認しておけば良いと思いますよ?それに基本セットには合成用の素材も着いているみたいですし。」
「なら後でやってみようと思うけど………」
「あっ、言い忘れてました。武器の合成にはスキル合成術が必要なんです。スキルのランクも合成の条件です。アンはスキルがありますけど、基本スキルを持っていない人が多いので普通は合成屋に任せます。もっとも、合成屋はその人のレベルを見て合成代理の許可があるか無いかを判断しています。合成屋はそれなりに儲けていますけどここでは関係ありません。」
そしてキラクは本のページをめくった。次の説明はなんだろうか?
「レア度の基準としては村人などの一般人の手に入る最大レベルが6ぐらいで、商人が7、一般的な聖者では8、よっぽど優秀な聖者でないとたどり着けないのが10以上ですね。」
「地味に高いな……………。」
「まぁ、あくまで11以上は幻とされていることが多いです。もっとも、アンならそれぐらい持っていてもおかしくないかもしれませんけどね。」
そう言ってからキラクは明後日の方向に顔を向かせて黄昏ていた。
「何があったのかはまた後で聞くことにして、続きを見ようかなぁ…………」
ついでに、見逃していた進化条件などをチェックしておくことにした。
・鉄の剣………□歪な鉄鉱石×1
・鉄の盾………□歪な鉄鉱石×1
・皮の鎧………□獣の皮×10 獣の軟骨×10 丈夫なひも×1
・歪な鉄鉱石………☆2 形がかなり歪な鉄の塊。主に初期装備の強化に利用されることが多い。鉄鉱石よりも価値は低いが、出現率も鉄鉱石より低い。
・獣の皮………☆1 獣系の下級モンスターから取れる素材。伸縮性や耐熱性などは無いが、皮を使う装備に利用されることが多い。臭いがキツいのが難点。
・獣の軟骨………☆2 獣系の下級モンスターからやや低確率で手に入る。装備の接着剤としての素材としても使われる他、唐揚げにしても美味しく食べられる。調理する場合、量は極力多い方が好ましい。
・丈夫なひも………☆2 多少の衝撃には耐えられる少し長いひも。装備の合成素材として使われる事も多い。このひもを首に巻いていると、周りからは何人かの女性に捨てられたがそれでもめげずに女の家に転がり込むような根性のあるひもであると誤解されるためにひもでない人は極力合成以外では使うことの無いように願いたい。
・飯盒セット………☆3 多少の薪がセットで入っている飯盒のセット。米は別売りのために永遠に米が食べられるとは限らない。水も何処かから汲まないといけない。この飯盒は毒と反応すると黒から紫に色が変わる。
基本セットの中身を見て、俺は思った。
「至れり尽くせりだな……………。基本セット。」
ものすごく甘やかされている雰囲気が漂った。