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聖者達part 嵐のようなメンバー達 元盗賊団の長編-4

『香辛料の輸入の事件の後、ジョルゼーブはこんな事を言いました。「ねぇ、今度は隣の国で沢山の青い宝石が手に入る場所が見つかったらしいの。私、沢山の宝石が欲しいから奪ってきて欲しいなぁ。」』


なんだかジョルゼーブが段々と王族のイメージからキャバ嬢のように見えてきた。ゴテゴテとした宝石をその身にまとい、髪も水商売をしているようにパーマをして上に上に昇っているような髪型で、手にはお勝手仕事も出来そうにないほどの赤く丸まるとした付け爪があり、目も少女マンガをそのまま実写化したような大きな目をしていたので、他の皆も同意見かもしれない。


『それを聞いたカリヴァーンは、隣国アンファルーガに青い宝石の採れるようになった洞窟を寄越せと言いました。勿論、アンファルーガはそんな一言ではいどうぞと譲るような国ではありません。』


「まぁ、ペルクデイル王国もアンファルーガ王国ももう無いけどね。最終的にペルクデイル王国が財政難になってそれの巻き添えにあってアンファルーガ王国も潰れたわけ。」

「挿し絵の地図を見てみても、洞窟はアンファルーガ王国とペルクデイル王国との国境とはかなり離れてるからアンファルーガ王国も譲りたくは無いと思いましたけど、なんで巻き込みで二つとも?」

「…………まぁ、ネタバレになるけどさ、ペルクデイル王国が財政難になったからってあろう事か戦争を起こしたんだよ。アンファルーガ王国ともう一つの隣国で香辛料を輸入していたカル=ファン王国に戦を挑んだ。で、カル=ファン王国はペルクデイル王国とアンファルーガ王国が同盟を組んでいると勘違いして二つとも潰したわけだよ。」

「えげつないなぁ……カル=ファン王国………。とんだとばっちり受けてるけどね、アンファルーガ王国………。」


僕はこの世界でも昔はドンパチとかを凄い勢いでやっていたんだなぁと思っていた。でも、これからどうやってイルオニア王国やドランシア王国と絡むのだろうか?と期待を膨らませながらページをめくった。


『すると、カリヴァーンはすぐにアンファルーガ王国と戦争を始めようとしました。しかし、これにジルファーンは反対しました。「別に洞窟を全て奪うことなどしなくても良いのではないか?青い宝石何個かと、我々も新しく発見した岩塩と交換すれば良いではないか。」』


「交易とは確かに物々交換が普通だよねぇ~。」

「というか奪うと言ってる時点でジョルゼーブはまともじゃないですよ!!」

「…………まぁ、ジョルゼーブとカリヴァーンはジルファーンの物語に出てくるだけの存在ですから……。」


ジルフェさんが物語の中の人物否定し始めたんですが。まぁ、憧れていたのがジルファーンなだけだから仕方のないことかもしれない。


『ジルファーンが口を出した後に、ジョルゼーブはこう言いました。「私は青い宝石が全て欲しいのです。ほんの少しの量を我が国でも貴重な岩塩と交換するなんてする必要もありませんよ。」』


いや、素直にそうしておきましょうよ。岩塩と宝石何個かでいいじゃないですか。全部取らなくてもいいと思うのですがと言いたくなってしまう。


『するとカリヴァーンもこう言うのです。「お前はジョルゼーブの願いが聞けないのか」と。』


『そして、ジルファーンの父親であるペルクデイル王国の王は、大きな本を持ってきました。それは、王族に伝わる王の言うことを聞かない王族を処刑するための道具でした。』


『王は、最初にジルファーンを洗脳し、操ろうとしていました。そして、操りの魔法をジルファーンにかけたのです。』


『しかし、ジルファーンはこれに抗って、とうとう操りの魔法を弾き返してしまいました。』



「元々王族の魔法は魔法に使う魔導書に魔力があって普通ならあらがえない量なんだけどジルファーンは耐えきれるような魔力があったわけ。まぁ、王族魔法を容易に跳ね返す人を私は何人も知ってるけどね。」

「確かユンク団長もその一人でしたよね?」

「団長もだし、能力を使えばあの人もだし………」


テンペストの団員さん達が急に会議みたいに意見を言い合っているのを無視して、僕は次のページをめくった。



『怒ったペルクデイル王国の王は今度は石化の魔法を使いました。しかし、ジルファーンはまたもこの魔法を弾き返しました。』


『そして、跳ね返った石化の魔法はペルクデイル王国の王に逆流してしまい、ペルクデイル王国の王は、王族の王冠を残して全身が硬い硬い石になってしまいました。』


そこにはペルクデイル王国の王が顔に恐怖を張り付けながら、黒い石になっている絵が描かれている。石になった王を見てジルファーンは無表情、ペルクデイル王国の王の妻は王の今の姿を見てとても悲しい顔をしていた。



『王の妻は石になった王に駆け寄りましたが、その時には既に石になった王の体には亀裂が走り、そこからパラパラと王の体は崩れ落ちていき、最後に妻の胸の中で安らかに死ぬということは出来ませんでした。』


バラバラになったかつてペルクデイル王国の王だった石が、砂のように細かく砕け、城の窓からサラサラと風に乗せられている様子が描かれている。そして、それを追いかける妻の絵………………。



『王だった物の欠片を追いかけて、妻はとうとう城の窓から飛び降りてしまいました。ジルファーンはあれても母なのだから、と母親である王の妻を間一髪で助けました。』


『その時、カリヴァーンは母親の方を見向きもせずに、かつて父親だったペルクデイル王国の王の被っていた王族の冠を手に取っていました。』


『「あぁ、これで私が王になるのだ。もう邪魔を出来る物はいない。」狂ったように笑いながらカリヴァーンは笑いました。それと一緒に彼の妻となるジョルゼーブも笑いました。』


『「私の国に邪魔者はいらぬ。消えよ、ジルファーン。」そう言いながら、カリヴァーンはジルファーンに向けて煉獄の魔法を放ちました。』


『しかし、彼等の母親が、ジルファーンを庇い、それを喰らいました。段々と焼けていく母親はカリヴァーンに向かって叫びました。「お前は立派な王になると私は思った。しかしお前は私の夫を越える愚王になるだろう。悪い妻を持ったなぁ、カリヴァーンよ。自らの母親を救った者に魔法を向けるとは、私も狂っていたものだ。いつの頃から、洗脳の魔法に心を明け渡してしまったのだろう。」』


…………まさかの母親善人説が!!と思ってしまった。まぁ、洗脳の魔法も王族に聞いているのだから受けていたとしても不思議では無いのかもしれない。


『「お前は王に相応しくない。いずれお前は王として最大の侮辱を受けながら死ぬのだろう。そしたらお前の父親と共に地獄で新たな一生を続けるが良いさ。」そう言い終わると、母親は煉獄の炎に最後に残った頭を飲み込まれ、そのまま灰も残らずに燃え切った。』


……………この童話、本当に子供向けなのかが不安になってきた僕だった。







作中にもあるようにこれ本当に子供向けの童話なのかですが、正直自信がありません。どちらかというと眠っている姫を部下に殴らせて起こしたお話に近いと思います。

基本セットに入ってるのはデフォルメじゃなくて一応原文な設定となります。なので残酷な終わりもある話も童話集の中にはあります。


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