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聖者達part 嵐のようなメンバー達、ドM女編

「あ、新メンバーの方達ですか。」

「うん、これだけ来たんだよ。ヒルージュ。」

「…………多いですね………何人残って私をハイヒールでグリグリと踏んでくれるでしょうか?」

「お前のドMに周りを巻き込むな。何人残るかって言えばいいじゃないか。後一人は男だ。ハイヒールはかねぇよ。」


ヒルージュと呼ばれた女性は荒縄で体を締め付けたまま、恍惚とした表情を浮かべていた。しかし、荒縄を解く気配が無かった。

「あぁ、自己紹介ですね!!私のことはどうか雌豚と罵りながら呼んでくださいな。新人さん達。」

「いや、呼びませんよ!!普通にヒルージュって呼ばれてましたよね!!」

「あれは仮の名前です。本当の名前で呼んでくれるのはアンシュルテだけです!!」


と、俺とヒルージュさんの口論がしばらく続いたが、ガンさんが思いっきりヒルージュさんがぶん殴った。その拳を受けてなお、恍惚としていた。

「アッハハハハ!!やっぱり団長の折檻は気持ちいいですぅ~。一生着いてきます!!」

「……………まぁ、確かに戦力としては使えるけど………人間性がねぇ……。第一、町の中を豚の被り物をしながら歩かないで欲しいな。私が強制してると思われるから困るんだよ。私が鬼畜な団長だって噂でそうだし。」

「団長は汚名が付くのは嫌いですか?私は大好物ですよ!!罵られる言葉が増えますからね!!」


そんな風にドMな醜態をさらす彼女は、ドMな事を除けばかなり美しい容姿だった。それなりにモテそうだが、ドMな性格が全てを台無しにしている雰囲気があった。光を反射して優雅に輝く金色の髪が、均等に整えられたツインテールであり、瞳の色は純銀のような銀色の瞳、胸も高そうな果実ほどはあると本人が自称しており、スラリとした長い足にも魅力はあるのだろう。年齢は二十歳だが、騎士団には十六歳から入っていたらしい。

「…………でも、全部ドMな性格が邪魔して付き合いたい人間がいないんだろうなぁ………」

「別にどうでもいいですよ!!なんてったって私には可愛がってくれるアンシュルテがいますから!!」

「……………ところで、ヒルージュさんの職業ってなんなんですか?」


後輩がヒルージュさんに向かって聞いたがろくな職業では無いだろうと思う。多分ドMの~系だ。これは確信できる。自信たっぷりでヒルージュさんの職業を想像したが、それとは違う物だったのでかなり意外だった。


「私な職業は狂剣士ですよ。戦いになると快感に身を任せてるので自覚はありませんがかなり強いらしいですよ、私。」

「ドMじゃねぇのかよ………………」

「まぁまぁ、傷つけられたりするのが当たり前のだからなんとか戦力になってるわけなんだよ…………」

ガンさんが力のない声でそう言った。それにしても、ヒルージュさんに対しての印象は完全に変な人になってしまっていることにヒルージュさん本人は気付いているのかいないのかは分からないが、荒縄で体を締め付けたままヒルージュさんがスキップをしていた。

 

「そーいや、テンペストで唯一の他の騎士団から送りつけられてきた団員がヒルージュだったなぁ。」

「なんか嫌な予感しかしないなぁ。というか神兎っち、私だけあれを視界に入れさせないという防衛をしなかったのはどういう事?」

「バベルは平気だと思ったんだよ。人形でそういうのつく……」

「作らないよ!!いや、亀甲縛りもしないからね!!」

俺が全部言い終わる前にすでに反論を用意するとは、バベルもなかなかやるなと思う。いや、分かり切ったことだったのだからあまり感心はしていないけど。


「でも、ヒルージュさんの過去はろくでもないような気もするんだけど………」

「僕もそう思うなぁ。どうせ他の団であまりのドMっぷりに耐えきれなくなった体と思うけどね。」

「で、でもドMに目覚めたのには何かしらの理由がないと………………」

「いや、どんな理由があってももう手遅れのレベルだぞ。」

クロ達がそう言うと、ガンさんが手を叩いていた。


「半分正解だね。ご覧の通りヒルージュはどうしようもないドM野郎ですが、正直言ってさらにタチの悪い事があるから余計にややこしいというか…………」

「早く言ってくださいよ、ガンさん。」

「いや、私の口からは言いたくないな………。ヒルージュ、自分から説明してあげて。」


ガンさんがそう言ってヒルージュさんに話を丸投げしていた。しかし、ドMなヒルージュさんから昔話を聞くためのお願いは止めさせられ、尋問しなければならなくなっていた。


クロと後輩ではあまり強く言えない性格が似たのか結局彼女を説得することが無理だった。バベルはヒルージュさんの亀甲縛りでのシーンを見て気絶するほどだ。到底任せられないのは目に見えていた。これは、俺がやらないといけないのか……………………………………ホント、しょうがないなぁ………私がやるしかないじゃない。


「さぁ!!こんなものじゃあ全然足りなあががが!!き、気持ちいいです!!」

「そう?雌豚。じゃあ話しなさい。あなたの過去を。いい?少しでも話すのを止めたらあなたの髪の毛を引っ張るわよ?」

「それはそれででででででででで!!すみません!!このままでお願いしますぅぅぅぅぅ!!」

「ふふ……良い子ね。」

私はそう言いながら雌豚の髪を左手で引っ張りつつ、右手で雌豚のおでこの辺りを握りしめながら彼女の話を始めさせた。



「……………………シロ……?あれ、本当にシロなのかな?」

「神兎っち、スイッチ入った感じがするねぇ。で、あれをされて喜ぶヒルージュさんの神経が私には分かんないよ」

「せ、先輩ってあんな一面があったんですね………」


後ろで三人が何か言ってるけど、気にしない。この子はこうしないと話さないってのも考え物よね………まぁ、私は面白いから良いんだけど。それに、元々中学にでる前までは私はこんなのだったのにね。ホント………………この感じは久しぶりね。

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