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聖者達part 特待生の事情-3

まぁ、生い立ちというか、俺の母から聞いた話だが、俺とクロが産まれたときに俺の家はパニックになったらしい。

普通に考えれば黒い髪と白い髪の子供が同時に産まれればパニックにもなるわな。しかも、白い髪の子供の瞳の色が赤かったら余計にな。


古い考えを持っていた俺の曾祖母は、俺を忌み嫌って母と俺を追い出した。まぁ、追い出そうとしていたというか俺を忌み嫌っていたのはソイツだけだったのだけど。

他の人間は全員俺がアルビノ……一種の虚弱な子供だと分かっていたからだ。しかし曾祖母だけは断固としてそれを認めずに母と俺を力尽くで追い出した。


そう話し始めると、「それってエラーが原因じゃなかったんだ。元々ならその瞳の色が鮮やかなのも納得できるね。」とガンさんが言う。まぁ、髪の色がとんでもなく変化している奴もいるのだから俺もその一種だと思われても仕方のないことなのだろう。俺の抱えていたアルビノは、今現在は紫外線には強くなったが、目の色と髪の色は俺自身が気に入っていたので変えなかった。


俺の過去の話に流れを戻すと、母と父は曾祖母によって離婚までさせられていたが、曾祖母の寿命ももう少しだったと言うことだが遺言によって父と母が再婚するためには俺とクロが恋人か友人かで両親に挨拶に来るときと、偶然に偶然が重ならなければ到底叶わない条件を遺していったらしい。


まぁ、さすがに自分の曾孫だからか、職の援助ぐらいはと曾祖母は母の再就職の口をきいていた。そのため、母は無事に前の職場だった少女マンガの編集部に戻ることになった。

その時に両親は再会する誓いのキスをしたらしいが、今思うとかなりキッツいな。そこから両親の惚気話だったから俺が物心ついたときまでとばす。俺にはこれ以上の惚気話には耐えられなかったからな。


「まぁ、親の惚気話はきっついよね………。私なんか父さんが出張のときに母さんからながったるい惚気聞かされるんだよ。それも人形作ってるときに。逃げられない時にやられるから余計タチが悪いよ。」

「僕も父さんの口から言われたよ。ホント、両親の惚気は今現在も新婚感覚になっているからね………。花多美の方はどんな感じ?」

「わ、私の母は無口なために殆ど聞いたことはありません。ですが、父が声をかけると顔を赤く染めたりしています。」

「………それ、なんかすんげー初々しい感じだよな?」

しかし、ガンさんにはこの話題をふることはできなかった。ガンさんは元奴隷騎士だったため、両親と知り合っていたかどうかすら分からないのだ。そのために、俺達は話題を俺の生い立ちの方に戻すのだった。



………病気の治療が原因で俺は保育園とかに通っていないし、治療が済んだのが中学一年の夏ぐらいだったから当然小学校にも数日しか行ってなかった。まぁ、迷惑はかかってねぇぞ。俺は最後まで保険組だった。組員たったの一人のな………いや、そこはシーンとなるなよ。笑えよ。


「いやいやいや、空きの机があったりすると邪魔だしな、運動会とかにも出ないし一人のクラスで良かったんだよ。ただなんでかは知らんが小学校には保健室に兎の化身がごくまれに現れるって噂が流れてな。」

「それ流したのって絶対に保健室の先生じゃないかなぁ~。私の従姉妹なんだけどそんな噂流したら客増えたって喜んでた。」

「喜んじゃあダメだと僕は思ったんだけど………」

「まぁ、保険の先生とも喋った回数は少ないしな。せいぜい十回ぐらいだろうし。つーか学校行く日の方が疲れてたな。」


俺とクロとバベルで話していると、「先輩は学校にいない間は何をしてたんですか?」と言った。


後輩がそう聞いてきたので続きを話そうと思う。俺の母はしょっちゅう俺を漫画家の人の家で託児させていた。というか、自分の家を作業場として提供していたわけだ。俺の世話役のアシスタントも必要になるが、その分締め切りなどに関して厳しくしないなどのメリットをつけ、飴と鞭方式で漫画家の人の作業効率を上げたわけ。

………まぁ、俺も妖精のようなコスプレで弄ばれたり資料にされたりしていたからな………。勉強に関しては全部通信教育ので覚えてた。今思うと凄かったな………。あの教材。


で、漫画家達の作業を見ている内に興味が出て小二のころからベタをやることになったんだよ。それか色々と興味がでてトーンや枠線引き、背景などのアシスタントもやっていたよ。殆ど家に籠もってたから漫画家さんには大好評だった。


「確かその時に漫画家さんからサインとか貰ってたな。」

「僕もこの事を聞くまでなんでシロの部屋にこれが置いてあるか分からなかったわけだよ~。」

「まぁ、一番最後に貰ったのは『二人は社蓄ュア!(しゃちきゅあ)』の日向先生のだったな。」

「それって確かミリオン達成してドラマ化もされたやつだよね?その人のサインかぁ~。いくらで売れるんだろ?」

「………テキトーにぬいぐるみ作ってるだけでもとんでもない収入になるお前が言うなよ。バベル。」


話を戻すと、それからしばらくたった小学四年生頃に自分でも書いてみようということで適当に書いたんだよ。キャラの描き方は自分らしくやってトーンやベタなんかはアシスタントで出来てたからな。


「で、それを発売日前日に漫画家さんの原稿オチて困っていた母さんが偶然見つけたわけ。その時の母さんの顔は満面の笑みだったなぁ…………。」

「………話を聞いていると先輩のお母様は月刊少女アテナの

担当と思うのですけど………その時の名ピンチヒッターってもしかして…………。」


後輩が驚いた顔をしていたが、当然だろう。

俺はアイドルになる前に、引きこもりのスペース代行担当の漫画家、御堂 シュマロとしてすでに世に出ていたわけだ!!いや、初めの頃は滅茶苦茶楽しんでいたけど二人オトせば一ヶ月に二本、長期休載が続けばさらに恐ろしいことになっていただろう。


………ちなみに、ペンネームの下の名前はマシュマロから取っている。一番最初にオトした漫画家さんへの差し入れがたまたまマシュマロだったかららしい。

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