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聖者達part 特待生の事情-1

新キャラ視点


まず、俺自身の名前を言っておかなければ読みにくいかもしれないので話すことにする。


俺の名前は白河しらかわ 神兎かみとと言う。歳は18。容姿としてはテレビでアイドルをやっていて週にレギュラー番組を二つ、看板番組をなぜか一つ持てるというというのが世間からの評価らしいが、俺にとっては全くの自覚が無い。


なぜ自分の容姿について自覚が無いのかを簡単に言えば、本気でアイドルになろうとしてオーディションに行ったわけではないし、そこで受かったのもからかいだと思っていたほどだったのだから、当然だったわけだ。

世間が騒ぐだけ騒いでいるのだ、何年かしたらすぐに忘れられるほどの熱気の筈なのにと、俺のアイドル時代の相棒と共に考えていた程だ。ちなみに相棒は俺と同い年だ。


まぁ、特待生になれたのはアイドル活動のおかげで、さらに両親が再婚できたのもなぜか俺と相棒のおかげとなっているという俺達自身もあまり理解できない世界の話が出来上がっていた。ただ俺達は知らなかった両親の波瀾万丈な事情を知って、脳内がかなりの修羅場になっていたが、それてもアイドルとしての活動は続いていた。


両親が再婚したのが三年前の事だったが、それも含めて過去の事を喋ろうかとしたところで相棒が叩いてきた。

「全く、シロはいつまで経っても最初から説明しようとするよね………呆れるよ。」

「………人の心を勝手に読むな。クロ。」


俺はそう言ってクロ…………黒神くろがみ 出雲いずもを軽く睨んだが、クロはニッコリ笑いながら、このやり取りの時の決まり文句を言うのだった。シロというのは俺とクロのアイドル時代からの呼び名だ。アイドルの時と同じ呼び方だとバレるからと上の二文字で呼び合っていたわけで……。


「だって僕達兄妹じゃん?読もうと思わなくっても分かるって。」

そう言いながらニコリと笑うクロを見て、俺はやれやれとクロの頭を撫でた。まったくコイツは…………。俺は目を細めながら十秒程続けたのだった。

周りの生徒達に相変わらず仲が良いんだなという視線を感じていた。まぁ、兄妹だったと分かる前から自然とウマが合い、友人としてはかなり仲良くなっていたと思う。


まぁ、複雑な事情とかが折り重なっているために俺とクロの名字は違うままだし、周りからも似ていないねって言われる事も多いが、アイドル時代の相棒のクロは、俺の実の双子の妹なのだ。


「それにしても、俺達みたいに仕事や大会で公欠になるやつも多い中、全員が揃う時を狙うってあの声の主はタイミング図ってたのか?」

「そんなの気にしてたって今はメンドいだけだよ。僕としては、転生で僕たちがいなくなって一番困っているのはマネージャーさんじゃなくて母さんだと確信してるけど。」

そう言いながら、クロは俺の方をジロジロと見た。俺としては転生した後なら、世間体を考えていけばこのまま隠蔽していたい事なので騒がないようにそっと目を伏せた。


それから、この世界の事情を今いる国の代表、シータ・ジーブルフリーデさんから聞いて、俺達はどの騎士団に入るのか、もしくは入らないのかを選択する事になった。しかし、俺達の入ろうと思った騎士団は決まっていた。


「俺はテンペストに入ろうと思ってるんだが、クロはどこに入りたい?」

俺が一応聞くと、クロは首を傾げていた。あぁ、別に聞かなくて良かったかと俺は確信していた。

「僕はシロと同じ意見で、テンペストに入ろうかなぁって思ってたところだよ。まったく、思考回路が同じだとあまり修羅場にならないね。」


俺の質問でクロが首を傾げるのは、いつも俺と同意見の時だ。迷っていたり反対意見の場合は頭を抱えていることが多い。なぜこんな癖がついたのかは本人にも分からないらしいが、質問の答えが俺の思っていることと同じだと即答になるために一々問いつめることは無いので安心する。


「まぁ、こんな職業、それにやや波瀾万丈な人生を送ってきたんだから一応入団資格は揃っているだろう。」

「いや、入団資格とか無いと思うよ…………」

「……………さっきのは冗談だ。変わり者が多いだけなんだろうけどな、あの騎士団は。」

「まぁまぁ。それよりも僕達の職業、この世界でもアイドルなんだよねぇ。」


クロが言ったとおり、俺達のSWに表示されていた職業はクロは『闇のアイドルスター』で俺は『光のアイドルスター』と、なぜかは分からないが職業がそれになっていた。物凄く変わり種の職業と思ってしまうのて他に行ける候補には向いていないかもしれないので俺とクロはテンペストの団長から人形をもらった二人と共に、テンペストの拠点に移動することになった。


「お二人がテンペストを選ぶなんて意外でしたね…。私は二人ともエペルシュパードに入団すると思っていました。」

「にしても、男二に女二ならバランス取れ……って、出雲っちは女だったね。失敬失敬。」

「へ?出雲様は女…………なんということでしょうか………。私はずっと女の人に恋をしていたのでしょうか………はわわ……。」

「ま、まぁ隠していたからしょうがないよ!ね、だから泣きやんで!!」

「………まぁ、分からないのも分かるけどな。高校ではスカートを渋々着ていたけどそん時だけだからな。学年違う人には分かりづらいか。」


「まぁ、四人ぐらいでも問題ないかな……。なんでか分かんないけど中々入団してくれる人達がいないからね~。じゃ、いこっか。」

ここからテンペストの拠点までは時間がかかるらしいので俺達四人はその間にお互いのことを知っておこうと話し始めるのだった。

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