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聖者達part 職業決まった模擬戦だ-3

呆然としていた隼人は、ハッとしたようにSWを操作して、ハリセンについての説明を取り出していた。まぁ、どんな性能かは知りたかったので私達も覗き込むと、以下のように書かれていた。


・防火符のハリセン………◎5 火に非常に強い魔符を使用して作られたハリセン。魔符が何百も重なっているためにかなり堅いが、モンスターにはダメージが通りにくい。


それなりにレア度の高い武器だった。私達もこのレベルぐらいの武器は持ち合わせているのかもしれないが、まだ確認していないため分からないのだけど。



『それなりに凄いボーナスだったねぇ~。他の二つも良い物だったんじゃないのかなぁ~?』

「酷いっすよ…………俺のもう二つのボーナス………完全にドMの王様でいさせておく気満々だったよ………。」

そう言ってから隼人のもう二つの転生者ボーナスを見させて貰った。


・トゲトゲしい荒縄………☆3 かなり目が荒く、握るどころか触れた時点で必ずささくれができる程トゲトゲしい。ロープの長さは綱引きが出来るほどに長い他、かなり頑丈で中々切ることができない。


「使いにくさを考えなければそれなりに使えそうな物なんだけどなぁ………」

『いらないなら金貨一枚分で交換してもいいよ~。』

私にはあまり魅力を感じない一品だが、ガンさんには何かキラリと光るような魅力があるらしく、隼人に交渉していた。


『上手く使えば人形の武器にもなるからね。』

そう言っているガンさんの人形に隼人はそれを差し出す決心をしたらしい。本来ならば貴重なはずの転生ボーナスでもこんな風に売られてしまうのかと思ってしまう私だった。しかしら私はまだ確認していないために売るかどうかで迷うことがあるかは分からないが、呆気なく隼人の転生ボーナスの一つが無くなったのを見て、しみじみ思ったのだった。


「なんかすげぇ大金になったと思うんですけど、大丈夫なんですか?ポーンと金貨一枚も出しちゃって。というかどの人形にも入ってるんですか?」

『問題なし、ノープロブレムだよ。金貨ぐらいなら何千枚分持ってるからね。私にとっては使いたくない金だけど。それでも役に立ってくれるなら嬉しいからさ。ちなみに偵察用の人形には一応入れてるんだよ。金貨一枚あれば質素にするなら何年でも働かなくても暮らせる金だから、脅しの時の飴としても使えるわけだよ。でも、もう一つのを私が買い取ることになったらその時はスキルになるね。何個か伝授して上げようじゃないか。』


すると、隼人は苦笑いをしながら、「これなんですけど………」とSWを操作した。


・拷問されキット(初回限定版)……☆? 転生ボーナスで『ドMな王様』の方に確実に着いてくるキットです!!☆の後が?なのはレア度の違う物をセットにしているからですよ~。さてさて、この中には初回限定版ということでサービス満点!!なんと、レア度☆9のファラリスの牡牛までついてなんとタダ!!タダなんです!!呼び出すにはこのセットとして入っているカタログで呼び出してください!!


……………………隼人は泣き出していた。

「俺、Mじゃないよな?本当にMじゃないんだよな?なんで転生ボーナスの内の二つがドMの王様仕様なんだよ…………。グスッ、グスッ………。」


『え~っと………牡牛の他には、三角いす、豚の被り物、荒縄、ギザギザの岩×100、重い四角い石×300、しなやかな鞭、凄く粘着するガムテープ、よく滴る蝋燭×1000、気持ちのすっきりする薬…………。あ、これは駄目だ。処分処分……どっか遠くの魔物に使ってそいつをすぐ殺すかしないと………。ギロチン、ビリビリ茸×20、死なない程度の毒茸×35…………。』

SMプレイと本当の拷問が混ざり混沌と化しているリストを見て、ガンさんの人形はハイライトを無くしたように喋りだした。


『クスリイガイハゼンブドエスナノガダンインニイルカラソノコニアゲヨウカナァ…………。どうする?私に売る?』

「はい!!俺はそれ入りません!!必要な人に渡してください!」

『うん、そうするよ…………。ハハッ、蝋は人形作りに使うときもあるからね………。スキルはまた明日渡そうかな…」……』


それからしばらくして、ガンさんの人形が急に喋らなくなった。それからしばらくして、もう一回声が聞こえた。


『そういえばテンペストの方をほったらかしていたから今日は模擬戦は無理になっちゃった。とりあえず明日、テンペストと君達でアトラクションをする事にしようと思うので使用許可貰えますか?シータ様。』

「まぁ、構いませんけど…………何が目的でなんですか?武器を試すならば普通に彼らだけでも良いと思うのですけど………」

シータさんの言うとおり、武器やスキルを試すだけならばテンペストの人達は必要ないはずだ。そう思っていると、ガンさんの人形が口を開いていた。



『なぁに、簡単なことだよ。私は、君達がこの国から出て、その後に魔物や盗賊に殺されないように、ある物を最初から無くさせておこうと思っただけだよ。』

「………………また、あなたの悪い癖ですね、ガンダレス。まぁ、いいでしょう。アトラクションの用意は私がしますので……」

シータさんがそう言ってから、ガンさんの人形は去っていった。それを見送ってから、シータさんは私達にアトラクションがなんなのかを話してくれた。


「アトラクションとは、模擬戦の中で最も臨機応変さが求められる団体戦です。ダンジョンの中で敵チームを全滅させれば勝利というのが基本ルールでして、アトラクションの一番盛り上がるのはアイテムが落としてあってそれを使っても良いということですね。」

つまり、拾った物は使い放題というわけの自由な団体戦というわけなのか………。


「そういえば、まだ宿を言っていませんでしたね。そろそろ日も暮れるでしょう。夜は危ないですから、宿にご案内しますね。」


そう言ってシータさんは笑っていた。




とりあえず次回は聖者達partではありますが流達視点では無いです。テンペストに入団したメンバーが次回からの視点となります。

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