闇の巫女part 魔王の娘のスキルについて-1
「スキルは誰もが持っている物もあります。でも、レベルは全く違う事もありますけどね。伸びしろも人それぞれですし。装備品の追加スキルとは違って進化し続ける物もあるのが特徴です。基本的にレベルで表示されるのは10です。それ以上のレベルになると、中級やら上級やらに変化します。」
キラクの説明を聞いてみると、チートはあまりなさそうだな……………と安心してしまう。
ちなみに、一般人の基本的なスキルは以下の通りである。
・鑑定……敵やアイテムなどのステータスを見ることができる。使い続ける事で進化する。レベルが低いと文字化けしたり間違った情報が出てしまったりする。さらに、レベルが100以上高い相手には鑑定ができない。
・緊急警報……医者などの助けを呼ぶための狼煙をあげる。
・伝授……スキルを相手に教えられる。しかし、信頼関係がかなり強くないと失敗する。
・転身……普段着から任意で鎧などの装備に変更できる。
・免疫強化……毒などで即死しなくなる。
・速筆……自分で書きたい字をイメージするとそれをすぐ書くことができる。
これらは人間や魔人に関わらず持った状態で産まれてくるらしい。まぁ、免疫強化は毒消し草などのある時点で毒で即死するシーンは中々無いのだろう。
「転生者には言語理解が確実に、二つほどランダムで手に入るスキルもありますけど、アンは二つとも持っていますからね。」
その三つについてをSWから探すと以下の三つだった。
・言語理解……相手の言っている言葉が相手の伝えたい言葉を限りなく近いニュアンスで自分の言語に翻訳される。さらに、文字などにも同じようにすることができる。しかし、幼声期の魔人族や獣の声などには反応しない。
・合成……武器や装備、アイテムを進化させたり合体させたりする。人によって最高値が異なる他、伝授によってスキルを渡すこともできない。
・不老……体力や容姿が衰えなくなる。伝授不可スキル。常時発動しているが切れるとは無い。
…………………不老のスキルが物凄くチートな気がする。不老ってそれだけでも十分なチートじゃないか!!これが転生者の一部か持つってどれだけだよ!!と思いつつ、どのくらいまで成長してから止まるのかという事と、幼声期という単語がかなり気になった。
「魔族の幼声期というのは魔族以外の人には一文字分の表現力にしか聞こえない状態ですよ。魔人族には普通に話せても、普通の人間には理解できないことが多いのです。まぁ、石版の時に言ったように、筆談はできますし、魔族の指輪を付けて貰えば通じますしね。でも、幼声期が終わるのは200年はかかります。魔人は元々寿命がながいですからね」
生後一日も経っていない俺はかなり落ち込んだのだが、とりあえず日常生活は安心できそうだ。確認すればかなり便利なスキルもある。転生ボーナスなどは魔王の娘としてのスキルに上書きされていたので、残っているのが一つだけになっていた。というか、魔王の娘だからって殆どのスキルが上級のLv10だったりするのだろうか?
・韋駄天……自分の視野の範囲に入っていてピントが合っている場所に瞬間移動できる。隠密と併用可能。
………まぁ、レアスキルだったんですが。いや、愚王殺しには充分使えそうですけどね。勇者は誰がなっているのかは分かりづらい上に実力も不明だ。それにRPGのような王でなく、歴史の世界の王と同じように王自身も実力者だとかなり手こずりそうだ。
「それにしても、スキルって全部で何種類あるんだろうな………?」
そう思っていると、キラクも首を傾げていた。レベルなども入れると数え切れないほどあるのだろう。多分、どうでもいいスキルも………。俺の持っているツッコミの盥というスキルもその一つだろうと感じているし。
・ツッコミの盥……相手に漫才の用にツッコミを入れるときに相手の頭上から盥を落とす。ダメージは無いが痛みは存在する。モンスターには一切効かないので戦闘用には使えない。
見ているだけでどーでもいいと感じる。この冷め切った心境をどうにかするために俺はキラクにある質問をした。不老のスキルから気になったことだ。
「キラク、俺の不老はいつから始まるんだ?」
すると、キラクは笑って答えていた。それはもう、笑い転げるの方が正しいぐらいに。
「アン…………、もうアンの不老は始まっています。このまま衰えることは無いですよ。身長も伸びませんし、童顔のままになります。不老の始まるのは人それぞれなのですが、アンはもうなっていたんですよ。」
それを聞いた俺はかなりガックリとしてしまった。俺はどうやらロリ巨乳として一生を過ごすらしいです。元男の俺が。
なんか、スキルで魅惑とかの身長を高くできそうなスキルはないかなぁと思ったらキラク曰く、孫バカ起こしている母方祖父母がスキル禁止を使っているらしい。なんか流達に再会した後に滅茶苦茶笑われそうだ。特に同じ男だった隼人に。
それを思うと酷く憂鬱な気分になってしまった。