闇の巫女part アイテムボーナスと餞別-7
「もはやアイテムの中を確認するのが嫌になってきたんだけど…………」
もはや孫バカな祖父母が孫に必要以上に物を与えている感じがしたのだ。いや、あのお金の時点で分かっていたはずなのだけど。もはや一人乗りのボートや魔導書、果てには結婚式場になるであろう教会の貸し切り券などもあるのである。まぁ、料理道具一式があったのは嬉しかったのだけど。寝袋ではなく棺桶があったのは予想外だったのだけどね。
「その仮説は間違っていないんですよね…………。お義父さんは孫に着せようとしてかなりの装備品を僕に渡してきましたし…………。」
装備の欄は細かい感じで同じ種類が多くあった。キラク曰くこの世界では常識というほどの量らしいけど………キラク、それは悪魔で◎1とかの服だろと思う。◎10以上の服ばかりがコスプレっぽい恥ずかしい服も合わせて百を優に越えていれば流石にキラクの言うこの体の祖父の孫バカに一歩どころか五歩くらいその場で退いた。ちなみに今着ている巫女服の詳細をSWで見てみると……………。(ちなみに合成素材はとてつもない量のため省略する事にした。それと、全ての装備にAと書かれていたので、それも省略させて貰う。)
・月詠の神女服………◎13 ◎10の月詠の巫女服の強化された巫女服。上は白、下は紫で胸はGまで対応している。
付属スキル×5
・闇魔力強化Lv10……闇魔法の威力を途轍もなく上げる。
・闇耐性強化LV10……闇属性のダメージを殆ど無くす。
・月の光Lv10……夜になると傷が全て回復する。
・月神の舞……新月の夜以外に舞うような連続攻撃ができるようになる。
・隠密補助Lv10……スキル隠密の発動時間をかなり長くすることができる他、隠密の発動不可になる汚れ度を上げる。
普通の巫女服かと思いきやまさかの超レアと呼べるレアな装備だった事に驚いた。この装備にはとりあえずこんな武器を登録しておこうと、巫女の舞で使われるような小刀が二つ細いワイヤーらしき紐で繋がった物と弓をセットした。
「そういえば、髪は何かでまとめとかないとなぁ……転そうだし…………………」
思い出したように髪をまとめられる物を探すことにした。正直基本セット内の丈夫なひもでも問題は無いのだけど髪に悪いからオススメしないとSWに表示されたために餞別の中から代わりになりそうな物を探してみた。とりあえず良さそうだと思った物を取り出し、装備する。これで髪がまとまったので髪の事は気にならなくなった。しかし、俺はこの髪飾りに付いたスキルによりまたどよ~んとした気分になった。正直デザインで決めたから………だから、意図的では無いんだよ!!と自分で自分を慰めたのだった。
・天照大神の髪飾り………◎14 ◎10の天照の髪飾りの強化されたもの。天照大神の付けているとされる髪飾りと全く同じである。
付属スキル×6
・超-全異常耐性……全ての状態異常に対する耐性が付き、状態異常にならなくなる。
・陽の光……夜明けと同時に傷が全て回復する。
・光魔力強化Lv10……光魔法の威力を途轍もなく上げる。
・光耐性強化Lv10……光属性のダメージを殆ど無くす。
・陽炎……相手の攻撃がかなり外れやすくなる。
・豊作の加護……自分で育てた食材が豊作になりやすくなる
とりあえず豊作の加護はありがたい物だけど、他の付属スキルが…………………かなりチートだ。
こんなのがゴロゴロ入っているためにかなり気が滅入る……この装備でもゼツノを封印する事ができないのかもしれないが、多分できそうだ。しかし、量はもう見るのもウンザリだ。基本セットの比じゃないし……………。感覚としては、お金持ちのお嬢様がモデルでありレイヤーでもあり、その服やアクセサリーが大きな屋敷の中に数え切れないほど入っているという感じだ。
「そういえば靴も別の装備として登録されてたんだっけ……………?」
基本セットの中にも入っていたので嫌でも思い出してしまった。どうせチートだと分かっていても、SWで確認してしまう。……………しかし、足下の装備は何もない状態だった。しかし俺は裸足ではない。何でだろうかと思いキラクに聞いてみた。
「靴は基本的に服に合わせた装備がセットで付いてきているんです。運動靴などの装備品はハイヒールとかな慣れない靴になってしまった場合の補助にしかなっていませんしね。」
こう言われて安心してしまう俺がいた。靴はチートではないのがどれだけ幸福か。それを何回も思ったのだ。
「でも何故か指輪系のアイテムは無かったな………」
腕輪やネックレス、ブローチにイヤリングなどのアクセサリーは数えるのも馬鹿らしいほど沢山入っているくせに指輪は一切無かったのでかなり疑問に思ったのである。
「指輪はお義父さんも送りたがっていたのですけど、お義母さんがピシャリと言ってやらせませんでした。指輪を何個も持っているのはファッションではないですし、一夫多妻的な事になりますしね。だらしない、タラシ、遊び好きのように思われますからと言ったのです。もっとも、お義母さんはコスプレ衣装を大量に送ってきたんですけどね。」
…………………どっちもどっちだな………というか、キラクは自分の両親について話していないんだが………。
「そういえばキラクの両親って……………」
「あ、僕の両親は百年前にゼツノの力を抑えるための力を僕とドアイに分けて力を無くしてから別の次元に旅立って行きましたから。」
なんつー無責任な…………………。いや、孫バカが二倍にならなかっただけマシかもしれないと、そう思うことにしよう。うん、そうしよう。
「じゃあ、スキルでも見ますか。」
そう言って俺はSWを操作して、スキルの欄を開けるのだった。