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聖者達part アルザール城での居住生活-9

これは、昔話としてデフォルメされたアマツバメの物語………らしい。とりあえず本の通り進めていく。ジルファーンの物語の時とは変えて、後から批評を入れることにしようと思う。いつまで経っても僕の部屋に入れないからね……。


     

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


とある鳥人の王国に、それはそれは勇敢で、魔物の討伐や戦争などで活躍していた一体の鳥人がいました。彼は騎士団の団長をしていて、名前はカラツバメといいました。


そんな彼の息子であるアマツバメは、父親のカラツバメとは違い、臆病で、泣き虫で、とてもじゃないですが勇敢とは程遠い少年でした。周りは産まれるところを間違えていると王国の大人達に何度も何度も罵られました。


アマツバメは、それでも騎士にならなければなりませんでした。たとえ弱虫だろうと、騎士の……ましてや騎士団長の父を持つアマツバメは他になれることがありません。あるとすれば王女様と結婚するか、国を出て行って放浪しながら吟遊詩人にでもなるか……この二つしかありませんでした。


「おぉい、泣き虫なアマツバメ。今日もお前は弱っちぃなぁ。ちょっと殴らせてくれよ。なぁに、騎士団長の息子ならこれぐらい耐えられるだろう?」


アマツバメが騎士団に入るための学校に行くための道の途中、アマツバメと同い年の騎士見習いの中で一番強いアルヒバリが、アマツバメの腹を殴りました。何回も、何回も叩きました。それでも、アマツバメは一言も言葉を発せませんでした。


アマツバメは、殴ってくるアルヒバリの事をとても怖がっていたのです。やめての一言すら、アマツバメの口から出ることはありませんでした。


殴ることに飽きたのか、はたまたアマツバメの事を心配したのか、アルヒバリはアマツバメを殴ることをやめました。そして、呆れながらアマツバメに向かってアルヒバリは声をかけました。


「毎回思うのだけど、なんでお前は俺にすらビビるんだよ……。俺はお前の親友で、お前のためを思っていじめてみているんだ。まずは反論することができるようにならないといけないだろうと思っているのに、なんでなすがままなんだ?」

「だって、殴られる事も怖いし、反撃する事にも僕は恐怖を感じているんだ。」

「でもなぁ、アマツバメ………せめて拒否の反応ぐらいはしろよ。俺がわざと苛めていくのが苦になってくるんだよ。」

「じゃあやめなよ。僕はどうせ騎士になったって弱虫なままなんだ。それに、誰も僕のことを騎士と認めてくれないだろう?君だってそうさ、アルヒバリ。」

「なんなんだよ?アマツバメ。俺は一回だけだけど勇敢なお前のことを知っている。お前はあの時に俺を助けてくれたじゃないか。」


そう言いながら、アルヒバリは昔のことを話しました。アルヒバリは元々敵国の鳥人で、今でこそ廃れ滅んでいるとしても、立派な王女だったのです。ですが、国に許しを扱いたとき、国の住民はアルヒバリ達一家を殺そうとしたのです。


そして、それを止めたのがアマツバメでした。アマツバメは涙を目に溜ながら、足を震えさせながらもアルヒバリ達一家を守る様に立ちふさがったのです。


「あの無謀な状況でも、お前は俺を救ってくれたじゃないか。なのに、何で今は勇気を振り絞ることも出来なくなっているんだよ、お前は!!」

「…………思い知ったんだよ。あの後に。僕は確かにあの時だけは勇敢になれた。でも、それだけだった。結局アルヒバリ達を救ったのは僕の父さんで、僕じゃない。僕は父さんを動かすきっかけにしかならなかったんだ。」


そう言いながら、アマツバメはアルヒバリから逃げるように飛んでいきました。彼は飛ぶスピードだけは父親のカラツバメに勝っていたのですが、そんな事をアマツバメは気付いていませんでした。


空を飛び終えたアマツバメは、領地の外にある山に入っていきました。なぜ、彼はこの様な山に飛んできたのでしょうか?と思うでしょう?彼はこの山にいるある人に会うためにそこを訪れていました。


「やぁ、今日もお嬢さんに怒られたのかい?相変わらず君は泣き虫で、臆病で、逃げ足が速くて………それでいてなぜか私のことは怖がらない。なんて変な鳥人なのだろうね?」

「いや、全然怖くないですよ。ルーファリアスさんの身長、僕の小指ほどしかありませんよ?」

「こらこら、少年。君は私の事を本名で呼ぶなという事がまだ理解できないのかい?私の事はルーでいい。」


こんなやり取りの後、アマツバメはルーファリアスの手伝いとして、いくつかの本をめくりました。ルーファリアスは何でも知っている、物知りな妖精なのです。なので毎日毎日アマツバメは飽きもせずにルーファリアスの所に通うのです。幼なじみの王女様や、親友のアルヒバリにも内緒にして。


「そういえば、この間君があそこにいる!!と騒いでいた岩獣が見つかったよ。まぁ、あれから二ヶ月も経っている。君は臆病すぎるんだよ。何も岩獣ごとき……って、あぁそうか。君達鳥人は私みたいに魔法が使えないんだっけ。」

「嫌味ですか?それは。」

「すまないね。でも、これは知っておいて欲しい。これを食べてみてくれないか?」


そう言って、ルーファリアスはケーキのような固形物をアマツバメに差し出した。それにすぐ反応したアマツバメはペロリとそれを平らげていた。それはとても美味しいと、アマツバメは感じていたのだろう。さらに欲しいと催促していた。


「ははは、そこまで美味しいものなのかい?生憎僕は甘い物は嫌いでね……。君が喜ぶなら僕は喜んであの岩獣を殺そう。」

「なんで岩獣の話が出てくるんですか?」


鈍くさい顔でアマツバメがルーファリアスを見ていた。視線はルーファリアスに向かい、腕だけはケーキのような固形物を求めていた。その様子を見て、ルーファリアスは呆れていた。


「それは君が怖い怖いと震えていた岩獣だよ。でも、君は震えもしなかった。怯えもしないし、泣き出すこともなかった。…………これで確信したよ。君に足りない物が。そして、君がなぜ勇敢でない事もだ。」


そして、ルーファリアスは、静かにこう言った。


「君には、覚悟という物が足りない。ただ、それだけの事だったんだよ。」


次話に続かないつもりだったのに続きます……この童話。


後、感想ページで指摘があったのですが、段々と闇の巫女partが影薄い……と言われてもストーリーの関係上、仕方のないことになってしまいました。闇の巫女partは聖者達partでアトラクションが終わった後にやります。………だらだらとネタを突っ込んでいるからか、中々進まないです。本当に申し訳ありません……。


でも闇の巫女partは正直何回も続けて勇者倒させたりしていると、勇者側のバランスが変になるので頻度は低くなりそうです………。


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