闇の巫女part アイテムボーナスと餞別-6
とりあえずハデスサイスをお気に入り登録しておくことにした。デザインも気に入っていたし、現時点では一番攻撃力の高いもののためだ。
「まぁ、こんなのを凌駕する装備とかがザクザクと入ってそうだけどな…………」
「卑屈になるのも分かりますけどね…………。」
キラクにすら同情されてしまうのも無理もない。今の俺はどれだけ普通になれるのかということがあるのだ。まぁ、魔王の娘としては普通になっているのかもしれないが。しかし、勇者を殺すのは魔王の娘としては至って普通かもしれない。少なくとも勇者に恋をして魔王と対決したり、家電量販店に就職したり、人の記憶を操って一般家庭を乗っ取ったりしないだけまだマシだと思う。
「さてと、とりあえず一つ目を確認しますか………」
そう思って、『キラクからの餞別』を開く。すると、『アイテム』『装備品』『武器』の三つのフォルダに分かれていた。とりあえず『アイテム』から開いてみた。
・洗浄白金大結晶………☆10 上質な洗浄石の中でも効果の強い物が結晶化した物の巨大な結晶。SWに入れておくだけで効果が発生しているため、装備品をSWに入れるだけで汚れ度が完全に回復する。永遠に使用する事ができる。
一つ目ですでにお役立ちアイテム所かチートアイテムだった。まぁ、嬉しくないものではないと言えば嘘になるほど合りがたいアイテムだった。一々洗浄石を買わなくて良いのだ。その辺は感謝しようと感じた。
・無限石版………☆9 削れることもなく、壊れることもないほど頑丈なのに軽い石版。自由に形を変えることが一回だけできる他、筆談に使えるようにすぐに文字を消すこともできるのと、登録した言葉をすぐに出すことができる。
これも必要だと感じるものだ。むーとしか発音できない体だと何かを買うときにも一苦労するだろうし………。とりあえずお気に入りにすぐ登録した後、SWから取り出し、一回だけ可能な形質変換でスケッチブック風に変化させた。まぁ、しばらくは使わないかもしれないが、会話する事ができるというのは嬉しいものだと感じた。
「まぁ、筆談でなくても、話したい人に魔族の指輪を付けて貰えば普通に会話はできますけどね。まぁ、餞別の中には入っていないらしいですけどね。」
……………そういえば流達に会えたときに俺は多分意志疎通しにくいだろうからこれを持っている方がいいかもしれない。まぁ、次に何があるのかなと思いながら見てみることにする。
・料理のレシピ集達人編………☆5 スキル料理達人を修得できる他、レシピに必要な素材が書かれている。レシピを思い浮かべればそれがレシピに追加される。ただし、朝食向け、昼食向け、夕食向けなどに分かれるわけではないためにやや見にくい。
・栽培土のマットグレート………☆4 種をこのマットに蒔くと野菜の栽培ができる。マットのために巻くことができ、持ち運べるために旅に便利。ただし、巻くと成長しやすい替わりに水分がかなり早く乾いてしまうために注意が必要。
・魔力変換のジョウロ………☆4 自らの魔力を水に変換できるジョウロ。戦闘用のように威力が強くならず、周りに川が無くても水まきができるために農家からは重宝されている。
・料理・お菓子素材の地図………☆6 ☆5までの料理・お菓子の素材の生産地を検索できる。ただし、値段や入手法は記名していない。
・小麦の種袋………☆2 小麦の種が袋いっぱいに入っている袋。種を全て出すと☆1の空袋になる。
・空袋………☆1 野菜の種などを入れることができる空っぽの袋。種を購入する際には必須なアイテム。
・優しい日光のシート………☆3 栽培土内の食材の成長スピードをかなり上げるシート。一回の栽培で消滅するためマットに付けっぱなしにはできない。
・手作りの釣り竿………☆2 釣り竿職人の駆け出しが作ったチクチクするような荒い木を使っている糸か付けられただけの釣り竿。☆2までの魚しか釣ることができない。しかし逆に
言えば☆2までの魚を釣りたいときには重宝する。
・量産された釣り竿(単色-紺色)………☆4 釣り竿ギルドが大量生産しているリールの付いた釣り竿。☆6までの魚が釣れるため、漁にも使われている。色と柄の組み合わせは200を越える。
・玄人の釣り竿(単色-黒)………☆9 全てのレア度の魚が釣れると言われる最高級の釣り竿。魔力リールという独自の構造で、魔力を使い相手を引っ張る術を常時発動させることができる。色は多彩だが単色な柄しかない。
・釣り餌ミミズのケース………☆3 釣り餌のミミズが入っているケース。ミミズを使い切ると☆2のケースに変化する。
…………栽培系のアイテムは物凄く量が多い気がするのですが……………、いや、明らかに多すぎる。小麦の種袋は全部で15袋ほどあるし、釣竿も三つもあるとは思わなかったしなぁ…………。とりあえず、アイテムはそろそろ終わるだろう。とりあえず、お気に入り登録を済ませ、キラクからの餞別の『アイテム』の欄はもう少しで終わると思うと疲れてきたが、確認することにしたのである。