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第四話 魔力

今回は頑張ってみました!(なにを!?)

 魔法の修業初日の晩、俺は6年ぶりにあるものを取り出していた。


 小さい手帳のようなそれはまだ何も書かれておらず、俺はその最初の1ページ目に日付と今日の修行の内容を書き込んでいく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

×月××日 魔法について


 魔法の修行開始、成果0。魔法って難しいんだなぁと実感。

 あ、あと家庭教師のフィリアさんは

 ちょっと無表情な感じで近寄りがたいというイメージ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 小学生のような内容だが別にこれ以外に報告することなどない。今までなんて家にいるだけだったので特に書くことがなかったのだし。


 今日ようやく報告すべきか?と思ったので書いただけなので6年経ってようやく活用された日記……なんかすごく日記帳が可哀そうに思えてきた。


 そんなことを思いつつ短い文章を記し俺は日記帳をしまう。こういう便利な機能が日記帳にしかないのが残念で仕方がない。


 俺はそんなことを思いつつベッドに入る。そんな運動とかしたわけでもないが一日中興奮して精神は無意識に疲れていたのだろう、俺はあっさりと眠りの世界へと落ちて行った……

        

 


 翌日―――


 今日も俺はフィリアの監視のもと魔法の修業を開始していた。


 昨日は何度も魔力を込めるイメージをしても駄目だったので、先に俺は魔力のイメージを固めることにした。


 魔力ってのは漫画やアニメとかではオーラのように体に纏っているイメージがある。なのでそれを参考にしながらイメージを固めていく。


 纏って流れるようなもの……液体をイメージしてみるか。自分の中に液体があるイメージをしてみる。人間は7割は水出し全身を液体が循環しているように考えてみる。体を循環する液体(魔力イメージ)を徐々に水晶にかざす手に移動するイメージをしながら水晶に手をかざす。


 すると、昨日までは輝く気配すらなかった水晶が少しずつ……ほんの少しだが輝き始めていた。まだぼんやりとしたランプ程度の輝きだが俺は嬉しくなってフィリアのほうを見てみる。


 フィリアは水晶を輝かせている俺を見て、いつもの無表情ではなく微笑んで「よく出来ました」と褒めてくれた。


 だが、輝かせるのは当たり前のことでもっと輝きを強くするようフィリアは言う。輝きが強くなればなるほど魔力を込めることが出来たということになり、この動作が速くなれば魔法を実行する速さが上がる、と説明してくれた。


 なるほど、輝きって魔力の量なのね。


「しばらくはこの魔力を込める修行を続けます。最低でも私のように5秒以内で輝かせることが出来れば次の属性を練る修行を始めましょう」


「え、これ属性を練る修行じゃないんですか!?」


 俺はフィリアの言った言葉に驚く。


「え、これは純粋に魔力を感じる修行ですよ?言ってませんでしたっけ」


 不思議そうに言うフィリア。いやいや……魔法の仕組みを説明して渡されたのがこれですよ。勝手に魔力変換の修行だと思ってましたよ……


 フィリアは相変わらずきょとんとしている。無表情だと思っていたがそうでもないようだ。首をわずかに傾げている姿は綺麗な容姿と相まってとても可愛い。


 しばらくフィリアはきょとんとして記憶を辿っていたようで急に顔を赤くしだした。説明してないことを思い出したのだろうか?


「す、すみません。私説明がいろいろ足りてなかったみたいで……。この魔水晶は魔力に反応しやすいので初心者が魔力を感じる際に使うものなんです」


 慌てて補足説明をしてくれるフィリア。なんか最初にあった時と違って普通の女の子って感じだなぁ。まあ無表情で教えられるよりは全然うれしいけど。


「いえ、誰だって間違えはありますし。それに先生の教え方はわかりやすいですよ」


 俺は特に迷惑を受けたわけでもないし、フィリアをフォローしておく。


「せ、先生……」


 あれ?なんかまた顔が赤くなってる。


「俺なんか変なこと言いましたか?」


 なんか失礼なことでも言ったのだろうかと不安に思いきいてみた。


「い、いえ。先生なんて初めて言われたので……」


 あー、なるほど。意外と照れ屋さんなのかフィリア。


 そんなゴタゴタがあったが、落ち着きを取り戻したフィリアと俺は修行を再開する。


 液体を魔力としてイメージした結果、魔力を込めることはできたが魔力を込める速さはいまだに遅くフィリアのようには簡単にはいかなかった。


 まあ、そんなすぐ出来るなんて思ってはなかったし、前の世界でも俺はある程度時間をかけて物を覚えるタイプだった。あれ、前の世界での俺とあんまり変わっていないんじゃ……。なんかショック。


 とまあフィリアと二人で感情の浮き沈みが激しい修行は今日も夕飯の時刻に終わった。


 今日はフィリアも混ざっての食卓だった。アスラとライラはフィリアの歓迎会としてたくさんの料理を用意して、俺の修行が終わるのを待っていたらしい。


 食事を始めるとさっそくアスラがフィリアに声をかけた。


「さてと、まだ会って間もないですがフィリアさん。これからもうちの息子の修行よろしくお願いしますね」


 アスラは笑顔で言った。アスラは貴族だがあまり階級などを意識せず有能かどうかで判断をする人で、アスラ自身も魔術師として国でも五本の指に入る魔術師と言われている。


 そのアスラが当主を務めるヴァージニア家が治める土地「ウェルディア」では20代後半という若くして国有数の魔術師の上に、威張ったりもせず誰にでも平等に接するため、ほかの貴族と比べて民からの信頼は厚く、尊敬されている。まあ、俺はほかの貴族など知らないので比べることはできないが。


「そ、そんな!こちらこそよろしくお願いします」


 慌てて返事をするフィリア。無表情だったフィリアの顔はアスラのあいさつで真っ赤になっている。ああ、無表情の時って緊張してる時なのかな?俺は勝手に推測しながら食事を食べる。


「修行の様子はどうなんだい?」


 アスラは食事の最中、俺の様子も聞いてきた。


「呑み込みが早く、すでに魔力を感じることができるようになっています」


「ほぉ」


 アスラは俺を見て感心したようにうなずく。ライラもうれしそうに笑っている。


「ユウにはいずれ家を継いでもらわなければならないからな。しっかりと修行に励んでくれよ」


 アスラはそういうとまた食事を再開した。フィリアは何やらそれを聞いてまた無表情に戻っていた。



 食事が終わり俺は自分の部屋に戻って日記を書いていた。

 

 一番最初のページを開くと俺の書いた日記の下に何か書き込まれていた。


「魔法は君のいた世界にはなかったからねぇ~。まあ、人生は長いんだし気長にやっていきなよ」


 あのチャラ神とは思えないコメントだった。いったい何が起きたんだ……と驚愕しているとさらに下にコメントがあるのに気づく。


「PS:ドラ○エ10始めたんだけどレベル上げがつらい」


「・・・・・・・・・」


 数秒固まって……


「知るかぁああああああああああ」


 すんごくどうでもいいことが書いてあった。いや、確かにあいつらしいけど!人が調査を手伝ってやってるのにあいつ遊んでんじゃねぇか!


 俺はムカついたので今日の日記は書かないことにした。そのまま日記をしまいベッドに入る。


 はぁ……先が思いやられる。


 俺は不安を抱えつつもいつも通り眠りの世界へと意識を落としていった。


計3000文字!

いつもよりは長く書くことが出来ました♪

それにしてもチャラ神、再びですw

今後も出番を増やしていければ……いや出していいのかアレ(汗)

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