第十八話 親友の覚悟
なんか1日で600PV越えました。
何があったんだ((((゜Д゜;))))
マルス辺境伯視点ーーー
「ひとまずは安心・・・・・か」
執政室にて一人つぶやいて、机の上の資料を見る。
そこに書かれているのは今回の事件の顛末だ。
あの襲撃によってユウ君だけが残ったということは、おそらくアスラは切り札を使ったのだろう。
パルディアの蜘蛛による襲撃を予想していたアスラから聞いた時は正直信じられないことだったが、今の状況からみて信じざるを得ない。
『精霊魔法』
古代魔術の一つであり、失われたとさせる魔術。
精霊と契約を交わし、対価を支払うことで始めて使えるらしい。
現代の魔術と違う点はその圧倒的な威力だろう。過去に確認された古代魔術はどれも強力だったが精霊魔法はその支払った対価に応じて威力を上乗せするという馬鹿げた魔法だ。
あいつがどこでこんなものを見つけたかは知らないが、この魔術は決して表舞台に出しては行けないものだ。
術者の支払う対価は基本は魔力だ。しかし、精霊魔法の対価は魔力だけではない。術者の命、それすら対価として払うことが出来るのだ。
おそらく、アスラは己の命と引き換えにしてパルディアの蜘蛛と戦い、ユウ君を守ったのだろう。
もしこの魔法を王国や他国が知った時、彼らは確実に欲しがるだろう。
古代魔術とは存在自体が稀であり、国の切り札として扱われる。
もちろん、適合者がいる必要があるが命を支払うことで圧倒的な軍事力が確保できるなら王国は迷わず術者に無理やりにでも対価を支払わせるだろう。
精霊魔法は他の古代魔術に比べ適合者が多い。多くの者が死ぬかもしれないこの力の使用方法だけは絶対に公開してはならない。
それとユウ君のことも問題だ。
彼の力は強大過ぎるといっても過言ではない。彼のことも王国に悟られれば厄介なことになる。
ひとまずは様子見だ。
考えるだけでは埒があかない。
そう思い、再び溜まった書類を無心で処理し始めるマルス辺境伯。
親友の死を悲しむ暇もなく、彼は己に出来ることを実行する。
亡くなった親友の息子を守るためーーー
補足
精霊魔法は普通に使う分には問題はありません。
ただ、普通に使うと精霊の力の極僅かな力しか引き出せないのでアスラは命を対価に支払って全力でパルディアの蜘蛛を叩き潰したのです。
どうしても作中では語れない部分もあったため補足を書かせていただきました。