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第十三話 卒業

ようやく幼少期編に終わりを迎えそうです。

 俺はフィリアとウェルディアの街のすぐ側の草原で向かい合っていた


「それでは、始めましょうか」


 フィリアはそう言うと一気に魔力を練り始めた。


 俺もフィリアに遅れないようすぐさま魔力を練る。


 魔法を修行し始めて3年の月日が経っていた。


 俺はこの3年間で様々な技術を身に付けた。その集大成として今俺はフィリアと戦っている。


 フィリアが俺より一瞬速く魔法を完成させる。


 水による大規模な津波を引き起こす攻撃、水系統上級魔法『アクアウェーブ』


 攻撃しつつ、相手からの攻撃を防御することも出来る隙のない魔法だ。もちろん、発動には大量の水を作る必要があるため魔力は大きく消費する。


 俺も遅れてだが魔法を発動させ、襲い来る波に雷の槍をぶつける。


 光系統中級魔法『サンダースピア』


 雷撃と違い、魔力により作り出した雷を収束させ、槍の形にするため少し発動速度は落ちるが収束した分、威力は雷撃より遥かに上だ。


ドンッ!!!!!


 波と槍の衝突で水しぶきが舞う。


 俺は重ねて魔力を練り、勢いの止まった波にもう一度雷の槍を放つ。


 今度は波を突き抜け、フィリアの元に向かう……はずだったが、波の向こうにフィリアはおらず槍は誰もいない草原にぶつかり小さなクレーターを作り出す。


「(くそっ、どこ行った!)」


 俺は奇襲に備え魔力の壁、無系統魔法『障壁』を展開する。


 障壁は魔力によって出来た壁で、魔力で出来ているため透明で、なおかつ実体を持つという便利な防御魔法だ。


 展開した直後頭上から強烈な風が吹きつけてきた。


 障壁で防ぎながら上を見ると風系統魔法『飛翔』で浮かぶフィリアがいた。


 綺麗な銀髪が太陽の光を受けて輝き、神々しさというものを感じる。


 まあ、そんなことを思っても容赦はしないけどな。


 俺は天を覆う魔力を練り上げ一気に発動させた。


 直後、青空が広がる空から次々と落雷が発生する。


 光系上級統魔法『天雷』


 指定した範囲を魔力で覆い、落雷を魔力コントロールし思い通りの位置に発生させる魔法。


「きゃっ!?」


 さすがにこれは予想していなかったのか、最初は避けられたが途中で落雷に直撃し悲鳴を上げるフィリア。


 落雷が直撃したところで、フィリアの手首に巻かれた生贄の腕輪が砕け散り、ここで模擬戦は終了となった。


 




「強くなりましたね、ユウ」


 フィリアは空から降りて来るなりそう言うと俺の頭を撫でる。


「先生のおかげですよ」


 そう言ってこの3年間を思い返す。


 魔力を練る修行や魔法のイメージを固める修行での仕組みの説明、実際に発動する際のいろいろアドバイスなど様々な事を学んだ。


 名前も呼び捨てにされるほど親しくなれたしな。


 この3年間で俺はかなり強くなったと思う。


 光系統を含め全ての属性を扱るようになり、魔法の発動速度もそこそこだと思う。


 まあ、フィリアやアスラには負けるけど、そこは長年の経験の差だと2人に言われた。


「これでユウも卒業ですか……、寂しいですね」


 ちょっと苦笑気味に話すフィリアは少し瞳に涙が浮かんでいる。


「3年間ありがとうございました」


 俺は頭を下げる。


「卒業といっても日々の鍛錬は忘れてはいけませんよ?」


 昔と違い感情豊かに話すフィリアは俺に忠告する。


「もちろん、分かってます」


「魔法は独自で磨かなければなりません。魔法大全に載ってる魔法以外にも魔法を作るのも良いですし、発動速度を極めても構いません。」


 魔法大全とは王国が今まであった魔法を記録したものだ。


 魔法の発動は術者のイメージによって変わるため全て管理出来ているわけではないが、ある程度似た魔法をまとめ上げ、それらの総称が魔法大全に載せられる。


 先ほど使ったサンダースピアやアクアウェーブも

魔法大全に記された魔法だ。


「それにしてもユウの雷は痛いですね、腕輪が防いでくれたとはいえ、まだ腕が痺れますよ」


 そう言って腕をさするフィリア。


 生贄の腕輪は致死攻撃を一度だけ防いでくれる魔法具だ。闘技場などでよく使われるらしい。


「勝つために必死でしたから」


 苦笑気味に答えた俺は、フィリアに今夜の夕飯に来るよう忘れずに伝えておく。


「私がご一緒に夕飯ですか?」 


「ああ、父上がお別れ前に最後に一緒に食事をしたいって」


 今日の最終試験として用意された、模擬戦で勝った俺はフィリアから卒業し、これらは1人で魔法の腕を磨く。


 そのため、フィリアは今日で俺の家庭教師を止める。


 今までのお礼ということでささやかながらフィリアへの感謝を込めて一緒に食事を……とアスラが言っていたのだ。


「とりあえず夕方また来てください、先生」


「はい、ではお言葉に甘えて夕方また伺いますね」


 満面の笑みを浮かぶ答えるフィリア。


 俺は珍しく満面の笑みを浮かべたフィリアと別れ、1人家へと戻ったーーー

次回で幼少期編が完結するか!?


引っ張って申し訳ないですが、

早めに更新する予定!

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