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第十一話 女の子との会話

徐々に増える読者に喜ぶ私(笑)

「ここがユウのお部屋なのね」


 リナは応接室から出るとすぐに話しかけてきた。

 

 大物貴族の娘なのでどんな子だろうかと思ったが、明るくて話しかけやすい子だった。部屋に着くまでに屋敷の調度品などを見て表情をコロコロ変えていたし、普通の女の子のようだ。


「そういえばちゃんとした自己紹介してなかったわね。リナ・マルス、7歳よ。よろしくね、ユウ」


 そういってにっこりと微笑む姿はとても可愛かった。思わず頬が赤くなる。


「ユウ・ヴァージニア、6歳です。よろしくお願いしますリナ様」


 頬が赤いまま俺は自己紹介を返す。


「リナでいいわよ、大して年も変わらないのだからそんなにかしこまった話し方しないで」


 苦笑しながらいうリナ。正直7歳とは思えない品の良さがある。


 俺はリナに椅子をだし、俺はベッドに腰掛ける。


 椅子に座ったリナがふっと後ろの机を見る。


「それより、さっきから気になっていたのだけど机の上にある石はなに?」


 しまった、修行の準備を置いたままだった。部屋に連れてきたのはいいが片づけるのを忘れていた。


「えーっと……、あれは魔水晶と言って魔法の修行に使う道具なんだ」


「魔法!?ユウは魔法が使えるの!?」


 なんか目を輝かせて聞いてくるリナ。そんなに珍しいのかな……


「うん、一応。まだ修行中だけどね」


 力なく笑う俺を気にせずリナは魔水晶を眺めている。うん、たぶん聞いてないなこれ。


「これはどう使うの?やってみせて!」


 ベッドに座っている俺のもとに魔水晶を持ってくるリナ。


 えーっと、実践して見せていいのだろうか。まだ最初のころより魔力はコントロール出来るようになってきたが暴走する可能性もある。もし暴走してリナに危害が加わったら……


 俺が答えに困っていると……


「私一度、魔法を見てみたかったの。家じゃ剣の修行しか見れないし、屋敷にも魔法を使える人はいるけどみんな忙しいから私の相手をしてくれないわ。だからすごく楽しみ!」


 そんなことを、とびっきりの笑顔で言われたら断れるわけがない。これを見て落ちない男はいないのではないだろうか。


「分かったよ、でも少し危険だから僕の後ろから見ていて」


 俺もその笑顔に落ちた一人である。俺は立ち上がると、リナを庇うように前に出て盾になる。


 俺は5秒かけて魔力を注ぎ込んで見せた。


 5,4,3,2,1!


 5秒経ち一気に輝きを増す魔水晶。


 なんとか暴走せず成功したようだ。


「綺麗~」


 それを嬉しそうに見るリナ。うん、すごく可愛い。


「ユウはこんな綺麗な魔法が使えてすごい!」


「いやこれは魔法じゃないんだ。ただ魔力を注ぎ込んだだけだし」


 なんかすごい感心されたが、別に大したことはしていない。


「でも、こんな綺麗に光らせるなんてすごいよ!」


 無条件で褒めてくるので俺は照れ隠しでちょっと話をそらすことにした。


「そういえばリナの家って剣術の名門でもあるんだよね?」


「うん、いつも家でお兄様が騎士さんに指導してるよ」


 驚いたことにリナにはお兄さんがいるらしい。しかも指導役ってことは相当な実力者だろう。


 リナは立ったままのがしんどかったのか座ろうとして、ついでに俺を強引に引っ張りベッドに座らせ、リナも俺の隣に座る。


 突然の事態に戸惑う俺だが会話は続く。


「家にいるとすごく退屈だったわ。毎日毎日、礼儀作法の勉強や計算や読み書きのお勉強。楽しいことはお兄様とのお話ぐらいかしら」


 さすが大物貴族の娘といったとこだろうか。小さいころから教育は徹底しているようだ。


「リナは何が好きなの?」


「うーん、わくわくすることが好きだわ。本を読んだり、おとぎ話も好きね。たまにお兄様が冒険に出ていったときのお話はとっても面白いわ!」 


 嬉しそうに語るリナ。


 俺はリナの話を聞きながらマルス辺境伯のこともいろいろ聞いた。


 お抱えの魔術師のことやリナのお兄さんの話はこの世界の外のこと知らない俺にとって未知の世界だった。


 それからライラが部屋にくるまで、俺とリナはずっとお互いの知っていることを話していた。







「今日は突然すまなかったね、アスラ伯爵」


 マルス辺境伯とアスラは玄関で軽く世間話をしていた。


 玄関にてマルス辺境伯とリナを見送りにきた俺はリナと最後の会話をしていた。


「また一緒におしゃべりしましょうね、ユウ」


「ああ、また会おうねリナ」


 お別れの挨拶を終えるとマルス辺境伯が驚いたように声をあげる。


「ほう、リナと随分仲良くなったようだね」


 嬉しそうに微笑みながら俺とリナを見るマルス辺境伯。


 俺はその視線から逃れるようにアスラを見る。


「マルス辺境伯、今日はわざわざ警告感謝します」


「気にすることはないよ、それでは私たちはここらへんで」


 ん?警告? 


 俺はその言葉に違和感を覚えつつ、家を出る二人を見送る。


 そうして突然の来客は、夕焼けに染まる街へと馬車に乗り消えていった……



なかなかリナの感情を上手く表せず……


女の子を書くって難しいですねぇー

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