天空から届いた鍵ー2-
いろんな人の感想などまってます*^^*
あの日もちょうど夏休みだった。俺は小学5年生だった。同級生に佐藤咲良という好きな子がいた。それが俺の大切な人だった。初恋の人で幼稚園からの幼馴染である。
俺はずっと好きということをみんなにばれないようにするため咲良をずっといじめていた。咲良は泣きもしないし怒りもしなかった。ただ笑って誤魔化すばかりだ。
それは俺を余計に苦しめる。なんでそんな困ったような、誤魔化したような笑いをするのか分からなかった。
今となっては分かりたくなかったことである。小学校の学年が上がるにつれいじめる回数は減ったがそれでもまだいじめていた。それでも咲良は笑う。俺は何をしているのだろう。
好きな子をいじめるのが楽しいか?ばれるのが怖い?まだそんなことを言っているのかと小4ときふと思ったがそれでも考えが幼い俺は咲良をいじめ続けた。
そして小5のときの夏休み事件が起こる。俺は咲良に呼び出された。いじめの事だろうと思った。しかしそんな事ではなかった。咲良が俺のことを「好き」といったのだ。
ずっと、いじめていた俺のことを。そのあとに「いじめを我慢できたのは好きだったから」といった。その時俺は自分を恨んだ。どうにもならない気持ちがこみ上げてきた
。それが嬉しいのか、怒りなのか、恨みなのか、悲しみかは分からない気持ちが。俺は思ってもいないことをなぜか言ってしまった。
それも、もう取り返しのつかないくらいひどいことを言った。「はぁ、お前おかしんじゃね?嫌いだからいじめてるのに、泣かないのは好きだからってきも・・・・・・・!」
咲良が初めて泣いたところを見た俺はそのさきの言葉を言うのをやめた。
「あっその、えっと。」
「ごめんね。勝手に勘違いして気持ち悪いこといって・・・・。」
咲良は涙を手でふきながらどこかに走り去ってしまった。
「ちがうっ!」
俺が叫んだ頃にはもう誰もそこにはいなかった。急いで俺は咲良を探す。家にはいない。学校もいない。公園もいない。どっかのコンビニやスーパーのもいない。駅にもいない。どこにいるのか分からない。
けどただがむしゃらに探すしか俺にはできなかった。そしてやっと見つけたのは流れが急な川にかかっている大きな橋の上だった。
「咲良!!」
俺が叫んだ。咲良はびくっと肩をあげた。そしてこちらを見るなり逃げようとした咲良がつまずいて転ぶ。そこに後ろからトラックが走ってきた。声をかけたらまだ間に合う。それにこっから走って行っても間に合う。それなのに俺の足は動かなかったし、声も出なかった。ただ見てるだけ。そして「痛い」と言って立ち上がった咲良はトラックによって視界から消えた。永遠に。
俺のせいで咲良が死んだ。俺が殺したんだ。だからその咲良が取り戻せるなら。鍵を受け取る。
「この鍵受け取ります。」
魔女みたいなやつはニタァと笑いそのあと黒い霧に包まれ鍵だけを残して消えた。