099-不気味な研究所
私たちは、研究施設の内部へと入った。
貨物用の格納庫には、アドアステラの巨大な艦体も容易く入る事が出来た。
そして、内部に連れていく人員だが.....
「ケイン、アリア、シトリン、ノルス。留守を頼んだ」
「「「「了解」」」」
今回は、ファイスとアラッド、私の三人で向かう。
三人とも、不慮の事態に対処できる。
「....ごめんね、ぼくは...」
「ああ、いつか。いつかお前と共に戦おう」
前回の戦いで、ケインはあまり役に立たなかった。
アラッドが強すぎたのもあったが、ケインはまだ身体を操るのに精神が適応できていないのだ。
本能で体の動かし方の分かるファイスとは違う。
「アリア」
「....!」
「船をお願い」
「わかりました!」
「ノルス」
「皆まで言わずとも、分かっております、御主人」
「シトリン」
『ご無事をお祈りしております』
全員と挨拶を済ませ、私たちは格納庫を出る。
この研究施設には、人間のものではない生命反応が複数存在する。
それを警戒してのことだ。
「行くぞ」
私たちはまず、施設の表層を探索する。
この研究所に、人間はいない。
しかし――――
「ファイス! やれ!」
「グオオオッ!!」
たった今、ファイスが破壊したのは警備ロボットである。
ゲームに出てくるような不格好なものではなく、四脚型の戦闘兵器。
ファイスがコンバットバトンで装甲を砕き、破壊する。
流石にシールドを張れるほど高性能ではないようだ。
「ここがエレベーターのようだ」
結局、表層部には何も無かった。
私たちはエレベーターに乗り、施設の深部へと入る。
まずは、地下二階へ。
「ここは...」
「どうやら、保管室のようだな」
奥からわずかに物音がする。
私たちは慎重に、その奥へと進む。
すると...
「何だ、これは...」
アラッドが呟く。
その部屋には、夥しい数の培養槽が置かれており、その殆どの中には人間が浮いていた。
中には変異途中のものもおり、空いている培養槽には「処置済み」というラベルが貼ってあった。
「ここに用はない。出よう」
私はそう言い切ると、外へ出た。
最早死んでいるのとそう変わらない彼らは、助けても長くないだろうから。
地下三階、四階は二階と同じ作りだった。
そして、五階は...長い回廊だった。
「気をつけろ、この先に何かある」
「言われなくても、気をつけているさ」
ファイスが警戒するように唸る。
そして私たちは奥へと進み......
「ようこそ、僕の研究室へ!」
その先で、カナードと鉢合わせた。
その空間はかなり広く、
「ここはね、僕がお客様を“おもてなし”する時に使う部屋なのさ」
「っ」
「おっと!」
銃を向けた私に、カナードは一歩後退する。
直後、カナードの背後のシャッターが開き始めた。
「この下に、僕の研究室がある。追ってくるなら来たまえ...来れるものならね!」
直後。
シャッターが完全に開き、暗闇から一体のキメラが現れた。
六本足で、体の下からは二本の蛇のような首が生えている。
だが、最も特徴的だったのは...本体。
両腕が翼にされ、体に巨大な何かの核が埋め込まれたその本体は。
「ソーラル...?」
誘拐されたアラッドの弟に、そっくりだった...
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