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091-海賊の敵

ドック経由で内部に侵入した私たちは、早速銃撃によるお出迎えを受ける。

急いで遮蔽物のある場所まで撤退し、


「俺が吶喊する!」

「その必要はない」


カルセールを起動し、直接射手を狙い撃つ。

直撃はしなかったけれど、その後ろにあったエネルギーラインに直撃したらしく、中規模の爆発が起こる。


「今のうちに行くぞ!」

「あ....ああ」


私たちはそのまま一気に、ドック区画を抜ける。

....抜けたところで、また襲撃に遭った。


「息を合わせろ、突っ込むぞ!」

「ああ!」


私はアラッドと共に突っ込む。

その横をファイスがすり抜けて、跳躍。

海賊たちの背後に飛び降りて退路を断つ。


「くそっ、あいつからやれ!」

「愚かな....」


私にはニケがある。

素早く引き抜き、安全装置を外して撃つ。

驚異的な連射力だけど、何故かうまく操れる。

反動を利用して跳躍しながら、海賊たちの急所を狙う。


「ぐああっ!」


初めて人を殺した。

間接的ではなく、この手で。

......怖くはない。

お兄ちゃんに失望されたくなくて、命を奪う恐怖はもう克服したから。


「アラッド、後ろだ!」

「ああ、分かってる!」


アラッドは背後で銃を構えなおす海賊に向かって、スタングレネードを投げつける。


「全員、目と耳を瞑れ!」

「ファイス、俺の後ろに隠れろ!」


私はローブの後ろにファイスを隠れさせ、直後の閃光に備える。

もっとも、仮面がそういう影響は軽減してくれる。

ケインは武器を捨てて目と耳をふさぐ。

直後、閃光が通路を埋め尽くす。

私は倒れこんだ海賊に、即座にニケでレーザーを打ち込んで沈黙させた。


『侵入者がC-22ブロックに進入! ただちに急行せよ!』

「まずいな.......よし、アラッドとケインはそっちへ! 俺とファイスはこっちに行く! 二手で別れて、オークション会場前で合流しよう!」

「分かった! ケイン....背中を頼む!」

「うん、任せてっ!」


私たちは二手に分かれ、追っ手を分散させながら目標の地点まで向かうのだった。







「おい! 並べ!」

「.........」


奴隷たちは一列に並べられ、ホロ撮影機の前に立たされた。

海賊たちは、奴隷を人質に攻撃をやめさせるつもりであった。


「お前もだ! 並べ!」

「あ....うまく立てなくて....」

「おい! そいつに無理をさせるな! 大事な商品なんだぞ!」

「うるせぇ! 今更そんなこと言ってられるかよ!」


身体の不自由な奴隷も、無理やり立たされていた。


「こいつらの命が惜しけりゃ、今すぐ攻撃をやめて撤退しろ!」


ホログラム映像が、星系軍全体に流されていた。

海賊たちは、それで星系軍が攻撃をやめることを期待していた。

だが実際は違う。

奴隷の奪還は、最初から念頭に置かれていないのである。


「クソッ、こうなったら――――おい! 見せしめに奴隷を、一人ずつ殺せ!」

「で、ですが!」

「殺せ!」

「了解!」


奴隷の一人に、海賊が銃を向ける。


「ヒッ.....や、やめ!」

「悪く思うなよ」


そして、海賊が引き金に指をかけたその瞬間。

鋭い音が響いた。

直後。


「な――――ぇ――――」


奴隷を撃とうとしていた海賊は、頭を撃ち抜かれて倒れこんだ。


「だ、誰だ!」

「俺が誰か? 答えよう」


その時。

二階の観客席から、一つの影が飛び降りる。

狼人。

そして、その背には.....仮面をつけた男がいた。


「海賊を殺す者だ」


そして(カル)は、そう言い放ったのだった。


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