089-マーケット襲撃準備
探索の結果。
めぼしいものは何も得られなかった。
「はぁ」
私は溜息を吐く。
トマト風ジュースのプルタブを開け、中身を飲み干す。
場所は、ジストⅥのステーションだ。
海賊の拠点から回収した奴隷や違法物品を星系軍に引き渡し、奪ったデータの解析を進めている。
「データの解析はどうだ?」
「下位過ぎる。必要な情報は得られなかった。だが、海賊が集まるマーケットは確実にジスト星系の中にあるようだ――――明日、そこを襲撃する」
「.......成程、それで....俺は、何をすればいい?」
「いつも通りだ。脱出する船を破壊しろ、こちらはドックを破壊して白兵戦に持ち込む」
「分かった」
今回の情報は、シラードにも渡してある。
外部に漏らさないように、伯爵家の私設艦隊を寄こしてくれるそうだ。
「敵の規模は?」
「敵の規模は、XLタイプ構造物。周囲にセンサー妨害アレイが存在する。内部戦力は不明。ただし、戦艦が入れるドックがあることから、戦艦級が複数存在する。シールドは厚いが、アドアステラなら突破可能。」
海賊の拠点とは、防衛の格が違う。
だが、同時につけ入るすきもある。
「(あれを使う事が出来れば)」
私は心の中で考える。
SNOには、フォートモジュール以外の強化モジュールが存在する。
その代表が、サブシステム。
けれど、フォートモジュールにも亜種がある。
「あった?」
「はい、ありました」
船に戻った私は、台車を運搬中のファイスと出会う。
カーゴスペースは二重底の隠しスペースがあり、そこに大型コンテナがある。
コンテナの中には、ブループリントやまだ装備していないモジュールが入っている。
今回はそこから、ファイスに持ってきてもらったのだ。
「取り付け方は分かる?」
「はっ、フォートモジュールとは同時装備できないのでしたね」
「そう。こればっかりは、OSとの干渉がね」
両方のモジュールのオペレーティングシステムが干渉.....というか、競合を起こすので使えない。
実は今回の改修は、他のモジュールを使用できるようにする改造でもあるのだ。
「今回は白兵戦になるから、全員分のレーザーライフルも購入しておくように」
「畏まりました」
本当はファイスやケインたちにバトルスーツやコンバットアーマーのようなものを買ってあげたかったが、私の貯金だとそこまで手が出ない....
一応、私のパワードスーツはもう既に着込んであるけどね。
スマートシールドジェネレーターを持たせてあるので、全員の安全はある程度確保できると思う。
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