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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン3-ジスト星系編

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069-大戦闘(後編)

「くっ」


戦闘は有利に進んでいたが、カルは歯噛みしながら電子と遠隔のカーネルへのエネルギー供給を切った。

燃料の目減りが凄まじく、このままでは維持できないと悟ったからだ。


「目測でも結構当たるものなのか....」


砲撃が、アドアステラの真横をかすめる。

海賊艦は、ロックオンをせず直接アドアステラを狙ってきていた。


「一旦距離を取る」

『させるかよ!!』


距離を取り始めるアドアステラだったが、艦隊から分かれた数隻が、アドアステラに迫る。

機関をオーバーロードさせているのだ。


「後部副砲開け!」


アドアステラから砲撃が放たれるものの、彼らは急旋回で砲撃をかわして接近する。

次の砲撃は、先頭の艦が盾になって防ぐ。


『知ってるか、クソ野郎! 海賊はな...手段を選ばねえっ!』


アドアステラに肉薄した海賊艦は、至近距離で自爆する。


「何だと!?」


流石に予想外だったカルは、シールドが削れるのを見て焦る。

だが、彼らは次々と自爆を敢行し、アドアステラのシールドに損傷を与えていく。

勿論、アドアステラのシールドは回復する。

彼らの突撃は無駄だったのだ。


『連動ワープ!』


......無駄ではあったが、活路は開いた。

海賊の艦隊が、アドアステラの周囲にワープしたのだ。

短距離ワープを、残骸に衝突することで実現した形になる。

同時にゲートが起動し、数百の艦隊がフォービュラ側へと出現した。


「.....くっ」


逃げるしかないのか。

そうカルが判断しようとした時。


『思ったより派手に暴れてくれたな! 借りを返す番だ』


海賊艦隊の背後で、ゲートから一隻の船が飛び出す。

船は弾幕を突っ切って、アドアステラへと近づき――――無数のミサイルを放った。

そのミサイルはアドアステラ........の周囲にいた海賊艦隊で起爆し、シールドを剥がしたのちに装甲を焼いた。


『よう、カル』

「.....アルゴか!」


その時、アドアステラのシップスキャンに、その船の情報が映る。


◇ネメシス 戦術巡洋艦 オーナー:アルゴ・ヴェンタス


”修理代”のもとは、この船だったのだ。

カルはマスクの下で笑う。

散々迷惑をかけてくれた人間が、窮地に現れてくれたのだから。


「借金分は働いてもらうぞ」

『了解だ』


しかし、状況は不利のままだ。


「しかし......増援にしても、少々物足りないな?」

『安心しろ、数の差ならこれから覆るんだからよ!』


直後。

ゲートから、数十隻の艦隊が出現する。

通常の艦船と、カルの見慣れたデザインの船――――TRINITY.の船が入り混じっていた。


『TRINITY.だ! シラード伯爵家の通報により、諸君らを制圧する!』

『ふざけやがって、誰がてめえらなんかに...!』

『馬鹿野郎、逃げるぞ!』


海賊たちは一斉に逃げ始めるが、アドアステラが放った重力波によって、ワープを阻害される。


「役者は揃った...なのに逃げるなんて、実に卑怯じゃないか?」


カルは呟く。

そして、仮面の下で表情を引き締めた。


「だが、実に海賊らしい。さあ...その生涯に、自らの罪で幕引きをするといい! 行くぞ!」


カルは一通りお兄ちゃんの名言を口にし、悦に浸りながら戦闘再開を命じるのだった。


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