表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/272

056-R.I.S.E.C.

それから二日後。

アドアステラはジストⅡライズコンソーシアム支社ステーションの周囲にワープした。

一度カースを降ろしてから、宿泊と買い物のためにジストⅤに立ち寄っていたため、二日遅れての到着である。


『こちらジストⅡRebuid Industry Survey Experience...RISE・Consortiumのステーション管制室、入港許可の申請理由を聞こう』

『ブライトプライムから、荷物を届けに来た』

『....! 分かった、誘導灯に従ってドックインしてくれ、すぐにスタッフが向かう』


アドアステラは誘導灯に従い、開き始めたドックに入港する。

そして、しばらく進んでから停船する。

下から現れたガントリーがアドアステラを固定し、アドアステラのハッチの位置に合わせてタラップが降りる。

アドアステラの後部ハッチが開き、そこからカーゴコンテナを積んだ作業ドローン「アトラス」が現れ、それをタラップの少し下まで運ぶ。


「やぁやあ.....こんな辺境まで、どうもありがとうございます」

「ごほん....報酬さえもらえるのであれば、構わない....ところで、その中身は?」

「ここまで運んでくれたのなら、中身を見せても構わないか.....艦長、君だけ着いて来てくれ」

「.....護衛は?」

「拘束するつもりなら、銃を先に預かるさ」


カルは、責任者らしき男のIDタグを見る。

そこには、「カナード・カスクレイ」と書いてあった。


「.....あの准将の息子なのか?」

「おや、爺さんに会ったのか....うちの父さんさ、私に軍人の才能はなかったがね」


意外な関係性に驚きつつ、二人は長い通路を抜ける。

その先は、ロビーらしき場所だった。

巨大なLISECのロゴがホログラムで映し出されており、壁面には協力研究所のロゴが並んでいた。


「ウチはRebuid Industry Survey Experience-Consortiumだから、ライズよりライセックって読んだ方が正しいんだけど、中々広まらないんだ」

「上に行くのか?」

「ああ、上に研究施設がある。そこで話をしようか」


二人はエレベーターに乗り込み、そこで数秒間沈黙の時間を過ごす。

ポーンというチャイムと共に扉が開き、二人の前に長い廊下が見えた。

廊下には扉が並んでいた。


「機密保持の一環でね、少々殺風景だが.....」

「ああ、構わない....シンプルなのは好きだ」


二人はしばらく歩き、カナードのIDで研究室へと入った。

扉が閉まり、再び廊下は静寂を取り戻した。







カーゴの中身は、酷く損傷した何かの機械だった。

慎重に包装されていて、カース二世....じゃなくてカナードはそれを机の上に置いた。


「.....これは?」

「知らないかい? これはね、眠りし者(スリーパー)のドローンの残骸さ」

「ドローンなのか?」

「ああ、それは間違いないよ。スリーパー本体と違って、意思のある存在ではないようだからね」


話を聞くと、眠りし者はある程度のアルゴリズムに従って動いているらしく、そうでないのがドローンらしい。


「この残骸に意味はあるのか?」

「あるさ。TRINITY.の標準装備も、古代遺物をサルベージしたものだからね、このドローンに使われている動力機構と、兵装を解析できれば、ライズコンソーシアムに大きな利益となる。......本来ならもっと時間がかかるものと思っていたから、君には報酬を弾まないとね」

「そうか」


やった。

仲間に分割して払うので、私の取り分がちょっとだけ増える。


「.......そうだ、これをあげよう」


その時、カナードがポケットを漁り、少し汚れた電子チケットを取り出した。


「これは...?」

「ジストⅡの研究成果の販売所のチケットさ、興味があったら行ってみるといい」

「忝い」


私はそれを受け取ると、研究室を後にした。



面白いと感じたら、感想を書いていってください!

出来れば、ブクマや高評価などもお願いします。

レビューなどは、書きたいと思ったら書いてくださるととても嬉しいです。

どのような感想・レビューでもお待ちしております!


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ