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051-痛み分け

アドアステラはハイパーアウトし、アパルアンのゲートを潜った。

またもや限界距離までハイパージャンプしたため、アドアステラのジャンプ機能はしばらく使えない。

そんな状態で、アドアステラはワープを行う。


「ワープ先で戦闘になるかもしれない、しっかり備えろ」

「「「「「はい!」」」」」

『はい』


ワープ先は重力井戸...つまりはランダムな宇宙の重力源を元に定められている。

それを知る者ならば、待ち伏せも可能だ。

カルはそれを警戒していた。

だが...事実は予想とは少し異なる。


『インターディクションを検知、インターディクションを検知。FTL次元回廊が不安定化しました、通常空間に離脱します』

「何っ!?」


カルが動揺する。

この世界の技術水準ではあるはずのない技術...インターディクトを掛けられたらだ。


「全艦戦闘配備! コードレッド、敵艦の規模不明!」


カルは素早く指示を飛ばす。

アドアステラのシールドブースターが作動し、離脱後の攻撃に備える。

通常空間に放り出された事で、慣性制御が乱れ、ブリッジにいた者たちは皆横に薙ぎ倒される。


「ぐっ......!」

『敵の情報を取得。戦艦1、巡洋艦3』


一応シートベルトをしていたカルは、すぐにモニターを見る。

戦艦と、その後ろにそれぞれ形状の違う巡洋艦が見える。


『艦長、敵が通信を要請しています』

「受けろ」


どっちにせよ、ワープを妨害されているので逃げられない。


『よう、カル船長』

「誰だ? 悪いが面識がないな」

『いいや、有名だぜ...その荷物の運び主って時点でな!』


直後、アドアステラを囲むように五隻の戦艦がワープアウトした。


『というわけで、死んでもらうぜ?』


直後、全ての艦がアドアステラをロックオンする。

砲台がアドアステラを向くと同時に、カルは叫ぶ。


「ノルス、SWD起動! 面舵一杯!」


アドアステラは右に旋回し、SWD起動の初速で旋回速度を上回る。


『逃がすな!』


砲撃がアドアステラに放たれるが、旋回速度を上回る速度で逃げるアドアステラに追いつけない。

あっという間に1Mmの距離を離したアドアステラだったが、


「まだダメか......」


アドアステラはワープできない。

それほどまでに、インターディクション艦の出力が違うのだ。


「仕方ない、ファイス! フォートモジュールを起動!」

「はっ、お任せあれ!!」


アドアステラはフォートモジュールの効果でその場に静止し、パワーコアとワープドライブのエネルギーを防衛と冷却に回す。


「旗艦から潰すぞ、アリア、ミサイル装填!」

「....できて、ます!」

「よくやった!」


十六発のスマートミサイルが放たれ、フォートモジュールの効果で亜音速まで加速し、旗艦に直撃する。


『な、なんだ....!? シールドがっ!!』

「フフフ、フラグメント弾頭ではない、バースト弾頭だ!」


スマートミサイルだけではないが、ミサイルには種類がある。

弾速、飛行距離共に申し分のない通常弾頭や、ミサイルの迎撃や小型艦の排除に有効なフラグメント弾頭――――そして、大型艦相手に有効な、バースト弾頭である。

爆発半径が非常に狭い代わりに、その威力はシールドを一撃で貫くほどとされている。


『敵艦、シールド出力が大幅に低下』

「アリア!」

「次弾装填完了!」


飛んでくるミサイルは、反応を許さず旗艦のシールドを吹っ飛ばす。

戦艦五隻と巡洋艦三隻からの砲撃は続いているものの、距離による減衰と、フォートモジュールで強化されたシールドを前に効果を為さない。


『砲塔展開完了。照準データを艦長に送信します』

「受け取った、主砲発射!」


アドアステラの主砲が、旗艦に直撃する。

その一撃は旗艦の主砲一つを吹き飛ばし、内部にまで貫通する。


『チィ! 野郎ども、一旦逃げるぞ!』

『わーったぜ、親分!』

『全艦連動ワープ!』


海賊の艦隊はそこでインターディクションを切り、一斉に逃げていく。

アドアステラも回頭し、付近の惑星向けてワープした。

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