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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン9-オストプライム編(後編)

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272/272

270-王都へ

こうして、オストプライムを旅立つ日がやってきた。

目的地は今のところ二つ。

オルトス王国の首都オルトスプライムを目指すか、ファイスとラビの出身星系であるクローリア星系を目指すか。

その選択は、アリアに対する問いにかかっている。


「アリア、やりたいことは見つかった?」

「はい! 私は...生物学者になりたいです」


意外な答えに、私は珍しく意表を突かれた。

でも、その理由は何となく察していた。


「アレブさんを初めて見た時は、すごく怖かったんです。でも、力任せに暴れたり、脅したりなんかしなかったんです。だから、私は思ったんです、ご主人様みたいに優しい人をもっと作りたいって」

「私はそんなに優しくないよ」

「生物についてもっと知れば、私も出来ることがあると思ったんです。人間と、他種族の差、それを埋められたら、偏見や嫉妬で起きる差別をなくせるって、思ったんです」

「なるほど...いいと思うよ」

「ありがとうございます!」


なら、向かう先はもう決まったようなものだ。

私は顔を上げ、シトリンに命じる。


「航路設定、バオタ星系を経由して王都オルトスプライムに向かう」

『了解です』


ゲート二つを通れば王都だ。

不思議そうな顔をしているアリアに、私は説明する。


「オルトスプライムには王立学院があるんだ、そこなら宇宙中の知識が集まる図書館を利用できる。勉強するなら、丁度いいんじゃない? もちろん、他のみんなも」


ファイスは戦闘技術と技術者教育を。

ケインは学校教育を。

ノルスは機関士としての教育を。

ソフは家庭科と数学教育を。

アリアは生物学を。

それぞれ受けることが出来る。


「ちょっと高いんだけど、短期講習ってのもあるんだ」


無理をすれば最高効率で学べるカリキュラムが用意されていて、無理をしなくても最低限学べるようになっている。

流石に王立だけあって、大海賊団一つ分の賞金くらいの額はするけどね。

今の私なら別に払えないわけでもない。


「ね、ね、私は!?」

「ラビは...もうちょっと慎みを学んだら?」

「辛辣っ...!」


でも、そうだな...


「ラビってさ、いきなり一人になったとして何をやりたい?」

「ううーん...やっぱり傭兵かなっ?」

「じゃあ、傭兵の資格を何か取ってみたら?」


私の提案に頷くラビ。

その時、補給計画を作っていたソフが私に尋ねてくる。


「じゃあ、ご主人様は何を学ぶんですか?」

「私は王都に用事があるからね、勉強はついでだよ」


私は手をひらひらと振って、自分の携帯端末をブリッジの上部モニターに投影する。

そこには、


「王宮からの招待状!? それに同行者なしで!?」


ラビが絶叫する。

どうもクロス関連で何かあるらしくて、先日招待状が来た。

ご丁寧に、私一人を指名している。


「危なくはないから、みんなはそれぞれで過ごして欲しい」


多分、長くなるだろうから。

私がそう言い切ると、ラビも頷いた。


「お土産楽しみにしてるね」

「まだ着いてすらいないんだけどね」


出航の時だ。

アドアステラは現在、オルトスプライムの第六ステーションの周囲に漂っている。先の戦いでの事後処理に疲れ果てて、注意をしてくる警備艦隊も居ない。

かといって、無法者たちも今は鳴りを潜めている。

権力闘争とお零れ回収に忙しかったため、オスト星系は今日が一番平和だって言えると思う。

オストプライムの地下は監査の対象になるけど、全てを調べ終わる頃には宇宙に逃げられていると思う。

何も変わらない、ちょっと変わるだけ。

犯罪は起きるし、警察もTRINITY.もそれを捜査して捕まえる。

明日からは、通常営業だ。


「私たちも通常営業だね、ソフ! 補給状況!」

「食料、日用品、調味料をそれぞれ1ヶ月分、イレギュラー分のもう1ヶ月分確保してあります! 弾薬・燃料類も同じだけ揃ってます!」

「ケイン!」

「ドローン揃ってまーす!」

「ファイス!」

「各システム異常なし、最終メンテナンスは一時間前です」

「ラビ?」

「戦闘機は問題ないよ」

「アリア」

「レーダー問題ありません!」

「ノルス」

「機関に異常なし、出力80〜90%で安定」

「シトリン」

『各システム:オールグリーン』


じゃあ、問題ないね。

私は航路を辿り、HUDの表示を船の向きに合わせる。


「ワープ開始!」


また、新たな旅路が始まる。


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