268-友たちと共に
私がアドアステラに戻ると、艦は戦場に戻る最中だった。
みんな疲れてるけど、戦いはまだ続く。
「ラビ、戦況報告」
「私達で壊したドック以外から、総戦力が出たみたい。TRINITY.の艦隊と交戦中」
「分かった、こっちも行こう」
アドアステラの推力を少しずつ上げ、戦場にアドアステラを突っ込ませる。
射線に入らないように、艦隊の上部を飛びながら艦をひっくり返して撃つ。
「とはいえ、総戦力だからなぁ」
アドアステラとTRINITY.の全力でも時間がかかる。
そう思っていた時、TRINITY.側の編成が変わるのが見えた。
「ん?」
『TRINITY.側から通達。アドアステラ、現地点より退避せよ』
「了解」
アドアステラを送られてきた地点に退避させると、同時に真ん中にいた主力艦が速度を上げ始めた。
この出力、パワーコアを何基も無理やりくっつけてるのかな?
『よぉ、カル!』
「ディエゴ! まさか....」
その時、通信が届く。
このタイミングで何故かと思えば、ディエゴ・アレンスターだった。
『ああ! 俺は今、このジルドレンに乗っているんだ! 行くぜぇ!』
ラーハヴェク艦隊に突っ込んだジルドレンは、何隻もの艦を弾き飛ばし、それでも止まらずにステーションの方へと突っ込んでいく。
それを追い、前衛艦隊が速度を上げて突っ込んでいく。
「おお....豪快だな」
つい、呟く。
TRINITY.ってこんな脳筋組織だったんだ.....
「さて、どうするか」
大混戦になったけど、まだ少し足りない気がする。
そう思っていた時。
『16隻、ワープアウト』
『『カル!』』
二つ同時に通信が飛んでくる。
受けると、ユルトとアルゴが画面に映った。
『助けに来たんだけどよ...』
『どうやら不要のようだな』
グーンズフリートとネメシスが到着したらしい。
ただ、物量対物量の戦場ではあまり意味がない。
私はユルトにだけ向けて呼びかける。
「ユルト、ありがとう」
『あ、ああ...間に合わなかったがな』
「構わない、それよりも...競売場で売られそうになっていた商品を保護してほしい」
『わかった、どこにいる?』
「下層の保全用ドックのコンテナに隠してある」
『了解した』
グーンズフリートの使い道は決まった。
次はアルゴだ。
「アルゴ、ステーションに突っ込む...突っ込んだあの主力艦の援護に回れ、出来るだろう?」
『あったり前だぜ! お前に全部取られる前に、俺も賞金を稼がないとな!』
「ああ、それなんだがな...」
その時。
ラーハヴェク艦隊とTRINIRY.艦隊の間に、凄まじい規模の艦隊がワープアウトしてきた。
「レイヴ...というかガヴェインの援軍と、多分便乗してきた海賊やらマフィアやらが来たからな、早く行かないと一文も貰えないぞ」
『助かる!』
それだけ言うと通信は切れた。
そうして、あらゆる勢力が一斉にラーハヴェクを叩いた結果...
たったの数時間で、オストプライム最大規模の艦隊戦力を持つラーハヴェクは本拠地と共に壊滅したのだった。
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