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異世界の宇宙に船ごと転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜  作者: 黴男
シーズン9-オストプライム編(後編)

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258/272

256-収監

その頃。

ソフは誰かに殴られて目を覚ました。


「っ!?」


目を覚ましたところで、目の前に見知らぬ大男がいたために一瞬でその意識を覚醒させた。

周囲を見渡すと、自分が狭い部屋にいること、隣にアリアが倒れていることを確認し、目の前の大男に向き直った。


「やっと起きたか。ちっ、なんで俺がガキのお守りなんか」

「こ.....ここはどこですかっ!?」


ホテルが襲撃された後の記憶がないソフは、状況説明を目の前の男に求めた。


「お前....俺が怖くないのか?」

「怖いですけど....ここはどこか教えてくれませんか?」


ソフが続きを口にしようとしたとき。

大男は一歩退き、ソフからは見えない壁面のパネルを操作した。

そして、扉が閉まってソフと大男を隔離した。


「何を....するんですか!?」

「教えてやるよ、お前らは誘拐されて、人質になったんだ。だから俺はお前の敵で、俺はお前があまりに起きないんで叩き起こしたんだ、分かったか?」

「.......っ」


あまりに情報量の多い事実。

けれどソフはそれを、賢い頭脳で受け止めた。


「私たちは人質なんですよね?」

「ああ。言っておくが逃げようなんて思うなよ、ここは独房で、俺はお前らの専属の獄卒だ。ここは上級独房で周囲20kmは橋を架けないと入れないからな、逃げてもオートタレットに撃たれるだけだ、痛いのは嫌だろう?」


ソフはそれを聞いて、考える。

何故この人物はこんなに丁寧に教えてくれるのかと。


「.....っと、喋りすぎたな。まあ逃げるなんて考えるなよ」

「...はい」

「ついでにそっちのガキも起こしとけ、飯の時間が近い」

「....はい」


それだけ言うと、大男は扉に背を任せる形で座った。

ソフはアリアの元に戻って、彼女を揺り起こす。


「ん....」

「アリアさん、起きてください、起きて....」

「...おはよう、ソフ」

「よかった.....」


ソフは胸を撫で下ろす。

アリアが無事でよかったといった様子だ。


「....こ、ここは....?」

「私たち、敵に捕まったみたいです」

「....ひっ!」


その一言だけで、最悪な未来を想像したのかアリアは蹲る。


「だ.....大丈夫ですよ、ご主人様なら絶対、海賊なんて倒して助けてくれます」

「.....」


アリアにそう言い聞かせていたソフだったが、唐突に大男が発言する。


「カルってやつは強いのか? 俺はあんまり詳しくなくてな」

「....あなたよりはずっと強いはずです」

「そりゃあいい、ダラト人よりも強い奴がいるってのが広まったなら、俺ももっと暮らしやすいからな」


ソフには大男の言葉の意味はよく分からなかった。

けれども、


「.....悲しいんですか?」

「んな訳ねえだろ。能天気なお前が羨ましいぜ」

「お前じゃなくて、ソフです!」

「ソフちゃんね、俺はアレブリュート、アレブとでも呼びな」


大男は振り向かずにそう言った。

その時、壁際に設置されたスピーカーからアラームが鳴った。


「「ひゃっ!?」」

「お、メシの時間だな。安心しろよ、飯くらいは出る、なんたってお前らは人質なんだからな」


恐る恐る、壁に近寄って開けるソフ。

そこには、紙に包まれたサンドウィッチ二つが、それぞれ二人分入っていた。


「アリアさん....今は食べましょう」

「.....うん」


ソフはこの状況下でも折れなかった。

アリアに対しても、アレブに対しても容赦する気はない。

何故なら。


「(私は主計係! どんな時でも冷静に!)」


彼女は心の内でそう宣言し、サンドウィッチにかぶりついた。

その音を聞きながら、アレブは面倒くさそうに欠伸をした。

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